一般社団法人で業界団体・協会を設立する方法とメリットを解説

一般社団法人法
同業の会社が集まって「〇〇協会」をつくる。そのとき法人格は何を選び、何に気をつければよいのか。設立の手順と、業界団体ならではの法律上の注意点を説明します。

結論から申し上げます。

業界団体・協会の法人格には、一般社団法人がよく使われます。

会員企業を法律上の「社員」にでき、許可なしに登記だけで設立できるからです(一般法人法22条)。

設立は、2人以上の設立時社員で定款を作り、公証人の認証を受け、登記するという流れです。

そして業界団体には、一般社団法人のルールに加えて独占禁止法がかかります。

事業者が社員である社団は、独占禁止法上の「事業者団体」に当たるからです(同法2条2項1号)。

価格の申合せや不当な入会制限は、独占禁止法8条で禁止されています。

POINT 業界団体づくりで押さえるのは2つの法律です。組織のルールは一般法人法、活動のルールは独占禁止法。設立の書類より先に、何をする団体で何をしない団体なのかを決めておきます。

業界団体に一般社団法人が使われる理由

一般社団法人は、人の集まりに法人格を与える制度です。

社員は個人に限られません。社員名簿には社員の「氏名又は名称」を書くとされており、法人も社員になれます(31条)。

そのため、会員企業そのものを社員にして、各社が社員総会で議決権を持つ形を作れます。

設立に官庁の許可は要りません。主たる事務所の所在地で設立の登記をすれば成立します(22条)。

株式会社と違い、社員に剰余金や残余財産の分配を受ける権利を与える定款の定めは効力がありません(11条2項)。

特定の出資者が利益を受け取る仕組みにならないことが、業界全体の団体としての中立性につながります。

形態 設立の方法 業界団体として使うときの特徴
任意団体(法人格なし) 規約を作るだけ 手軽だが、契約や口座は代表者個人の名義になりやすい
一般社団法人 定款認証+登記(許可不要) 会員企業を社員にできる。事業内容の制限が少ない
事業協同組合など法律に基づく組合 行政庁の認可が必要 要件を満たす組合の行為には独占禁止法の適用除外がある(同法22条)
公益社団法人 一般社団法人が公益認定を受ける 不特定多数の利益のための事業が中心。業界の共通利益が主目的なら合わない

独占禁止法22条の適用除外は、法律に基づいて設立された組合で、小規模事業者の相互扶助を目的とするなどの要件を備えたものが対象です。

一般社団法人には、この適用除外はありません。

組合との違いは一般社団法人と協同組合の違いで詳しく比べています。

業界団体は独占禁止法の「事業者団体」に当たる

独占禁止法は、事業者団体を「事業者としての共通の利益を増進することを主たる目的とする二以上の事業者の結合体又はその連合体」と定義しています(2条2項)。

その形態として、二以上の事業者が社員である社団法人その他の社団が明記されています(同項1号)。

会員企業を社員とする一般社団法人の業界団体は、典型的な事業者団体です。

公正取引委員会の指針は、〇〇工業会・〇〇協会・〇〇協議会・〇〇組合や、その連合会が事業者団体に当たると説明しています。

「主たる目的」は、定款の文言ではなく活動内容から実質的に判断されるとされています。

一方、事業者としての共通の利益の増進を目的に含まない学術団体などは、事業者団体に当たらないとされています。

会社の役員や部課長で作る継続的な集まりも、目的によっては事業者団体に当たります(2条1項後段で役員・従業員も事業者とみなす)。

団体の例 事業者団体に当たるか(指針の考え方)
同業の会社が社員の〇〇協会(一般社団法人) 当たる(2条2項1号)
会員企業の部課長で作る継続的な連絡会 共通の利益の増進が主目的なら当たる
士業など資格者の団体 業として経済活動を行う者の結合体なら当たり得る
研究者が集まる学会 事業者の共通の利益を目的に含まなければ当たらない
協会の連合会 連合体も含まれる(2条2項)

独占禁止法8条で禁止される5つの行為

独占禁止法8条で禁止される5つの行為
図:独占禁止法8条で禁止される5つの行為

独占禁止法8条は、事業者団体がしてはならない行為を5つ定めています。

団体として「決めた」かどうかは、正式な議決に限らず、慣行上の事実上の決定も含まれると指針は説明しています。

規程上は意思決定機関でない部会や委員会での合意も、団体の決定に当たることがあります。

号 禁止される行為 具体的な場面の例(指針から)
1号 一定の取引分野における競争を実質的に制限すること 価格・数量の決定、市場の分割など
2号 不当な取引制限などを内容とする国際的協定・契約をすること 外国の団体との価格協定
3号 一定の事業分野における現在または将来の事業者の数を制限すること 新規参入の阻止、既存業者の排除
4号 構成事業者の機能または活動を不当に制限すること 会員の営業方法や広告への不当な制限
5号 事業者に不公正な取引方法に該当する行為をさせるようにすること 非会員と取引しないよう取引先に圧力をかける

違反があると、公正取引委員会は団体に対し、行為の差止めや団体の解散などの排除措置を命じられます(8条の2第1項)。

8条1号の価格カルテルなどには課徴金の規定が準用され、構成事業者が納付を命じられる仕組みです(8条の3)。

刑罰もあります。8条1号違反は5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金です(89条1項2号)。

団体自体にも5億円以下の罰金刑が科され得ます(95条1項1号)。

8条3号・4号違反は2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金です(90条2号)。

価格・数量の話は「理由があっても」原則違反

指針は、価格や数量、顧客・販路、設備、参入の制限を、市場に直接影響する行為と位置づけています。

こうした制限は、競争を実質的に制限するまでに至らなくても、原則として8条3号〜5号に違反するとしています。

「妥当な価格水準にするため」「品質を確保するため」「受注を均等にするため」といった理由では正当化されない、と明記されています。

最低販売価格、値上げ率・値上げ幅、標準価格・目標価格を団体で決めることは、どれも価格制限の例として挙げられています。

業界の会合で「来期は〇%上げよう」という話が出たら、その場で議題から外すことが大切です。

会合で話題にしない・資料に載せないこと

  • 各社の販売価格・値上げの予定や幅、見積りの基準
  • 生産量・販売量の計画や見通し
  • 個別の顧客との取引や引き合いの内容
  • 予定している設備投資の限度
  • 入札での受注予定者や受注の配分
  • 非会員や安売り業者との取引をやめる申合せ

議事録には、会合で何を話し、何を話さなかったかが分かるよう、議題と配布資料を正確に残しておきます。

統計・情報提供はどこまでできるか

指針は、業界団体の情報活動の多くは独占禁止法上の問題を特段生じないとしています。

一方、価格や数量の具体的な計画など、重要な競争手段に具体的に関係する情報を会員間でやり取りすると、違反となるおそれがあるとされます(指針9-1)。

原則として違反とならない例も、指針に具体的に示されています。

情報活動 指針の評価
消費者向けに商品の正しい使い方を案内する 原則として違反とならない(9-2)
官公庁や調査機関の技術動向・法令動向などの一般的な情報を集めて会員に提供する 原則として違反とならない(9-3)
過去の生産・販売量などを任意に集め、個社が分からない形で統計にして公表する 原則として違反とならない(9-4)
過去の価格を任意に集め、個社の価格を示さず分布や動向を需要者も含めて提供する 原則として違反とならない(9-5)
各社の将来の価格・数量の計画や個別の取引内容を集めて共有する 違反となるおそれがある(9-1)

統計を作るときは、過去の数字・任意の提出・個社が特定できない集計・公表の4点をそろえるのが基本です。

自主基準・認定制度・入会資格の決め方

業界団体は、安全や環境のための自主基準や、独自の認証・認定制度を作ることがあります。

指針は、こうした自主規制には問題を特段生じないものも多いとしたうえで、判断の基準を示しています。

自主規制が需要者の利益を不当に害さないか、事業者の間で不当に差別的でないかを、目的の正当性と必要な範囲かどうかを考えながら判断します(指針7(2))。

自主基準や認証の利用を構成事業者に強制することは、問題となるおそれがあるとされています。

認証を受けないと事業が難しい状況では、非会員にも開放されているべきだとされています。

入会資格も同じです。団体に入らないと事業が難しい状況で不当に加入を制限すると、違反のおそれがあります(指針5-1-3)。

入会条件 指針の評価
社会通念上合理性のない高額な入会金・負担金 不当な加入制限に当たるおそれが強い
既存店から一定距離を保つことなど店舗数の制限 不当な加入制限に当たるおそれが強い
直接競合する会員の了承・推薦を入会の条件にする 不当な加入制限に当たるおそれが強い
「日本国籍」「日本国法人」など国籍による制限 不当な加入制限に当たるおそれが強い
設立目的や事業内容に照らして合理的な加入資格・除名事由 それ自体は問題とならない
合理的な額の入会金、企業規模に応じた合理的な会費の格差 それ自体は問題とならない

資格・検定制度の作り方は一般社団法人で資格・検定の認定団体をつくる方法で扱っています。

設立の流れ(定款認証から登記まで)

設立の流れ(定款認証から登記まで)
図:設立の流れ(定款認証から登記まで)

一般社団法人の設立は、設立時社員が共同して定款を作り、全員が署名または記名押印するところから始まります(10条1項)。

「共同して」作るため、設立時社員は2人以上が必要です。業界団体なら、発起の中心となる会社が設立時社員になります。

定款は公証人の認証を受けなければ効力を生じません(13条)。

認証後、設立時理事を選び、主たる事務所の所在地で設立の登記をすると法人が成立します(22条)。

定款には目的・名称・主たる事務所の所在地・設立時社員の氏名または名称と住所・社員の資格の得喪・公告方法・事業年度を必ず書きます(11条1項)。

1
発起する会社で団体の目的と活動の範囲を決める
価格・数量に関わる活動はしないことを最初に確認する
▼
2
会員資格・会員区分・会費の考え方を決める
入会資格は事業内容に照らして合理的な内容にする
▼
3
定款を作成し、設立時社員全員が署名・記名押印
設立時社員は2人以上(10条1項)
▼
4
公証役場で定款の認証を受ける
認証がないと定款は効力を生じない(13条)
▼
5
設立時理事(・監事)を選び、設立の登記を申請
登記によって成立(22条)
▼
6
税務署・自治体への届出、会員募集の開始
会員規約・入会申込書を整える

この記事の位置づけ

本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。

  • 設立登記など登記申請の手続きは司法書士が取り扱う業務です。ご自身で法務局へ申請することもできます。

定款認証の手数料や公証役場の探し方は公証役場とは、設立時社員は設立時社員とはで説明しています。

定款と会員制度の設計(会員企業を社員にする)

誰を社員にするかは、定款の「社員の資格の得喪に関する規定」で決めます(11条1項5号)。

業界団体では、正会員(会員企業)を社員とし、賛助会員は社員としない形がよく使われます。

社員の議決権は1人1個が原則ですが、定款で別段の定めができます(48条1項)。

ただし、決議するすべての事項について議決権を行使できないという定めは無効です(48条2項)。

会費は、社員が定款の定めるところにより経費を支払う義務として位置づけられます(27条)。

社員はいつでも退社できますが、定款で別段の定めを置けます。やむを得ない事由があれば、いつでも退社できます(28条)。

除名は、正当な事由があるときに限り、社員総会の特別決議で行います(30条1項・49条2項1号)。

定款の記載例(会員と社員の部分・抜粋)

第〇条(種別)当法人の会員は、次の2種とし、正会員をもって一般社団法人及び一般財団法人に関する法律上の社員とする。(1)正会員 当法人の目的に賛同して入会した〇〇業を営む法人又は個人事業者 (2)賛助会員 当法人の事業を賛助するため入会した法人又は個人

第〇条(入会)正会員として入会しようとする者は、所定の入会申込書を提出し、理事会の承認を受けなければならない。理事会は、正当な理由がない限り入会を承認する。

第〇条(経費の負担)正会員は、社員総会の決議により別に定める入会金及び会費を支払う義務を負う。

第〇条(議決権)正会員は、各1個の議決権を有する。

第〇条(除名)正会員が次のいずれかに該当するときは、社員総会の決議によって除名することができる。(1)この定款その他の規則に違反したとき (2)当法人の名誉を傷つけ、又は目的に反する行為をしたとき (3)その他除名すべき正当な事由があるとき

入会の承認基準に「既存会員の推薦」や競合関係を理由とする拒否を置くと、独占禁止法の指針が挙げる不当な加入制限に近づきます。

会員区分の考え方は賛助会員とは?正会員との違い、規約は会員規約の作り方で解説しています。

会費と税の扱い(一般論)

業界団体の主な収入は会員企業からの会費です。

法人税法は、一定の要件を満たす一般社団法人を非営利型法人としています(法人税法2条9号の2)。

その一つが、会員の会費で会員に共通する利益を図る事業を行う法人です(同号ロ)。業界団体の形に近い類型です。

この類型の要件は、法人税法施行令3条2項に7つ並んでいます。

要件を満たすかどうかで法人税の対象となる所得の範囲が変わります。

会費以外に研修・出版・認定などの収入があるときは、事業ごとの判断が必要です。

号 法人税法施行令3条2項の要件(会員の共通利益を図る法人)
1号 会員の相互の支援・交流・連絡など、会員に共通する利益を図る活動が主たる目的
2号 定款(定款に基づく約款等を含む)に、会費の額の定め、または社員総会の決議で額を定める旨の定めがある
3号 主たる事業として収益事業を行っていない
4号 定款に、特定の個人・団体に剰余金の分配を受ける権利を与える定めがない
5号 定款に、残余財産を特定の個人・団体に帰属させる定めがない(国・自治体・公益法人等・類似目的の一般社団法人等は除く)
6号 特定の個人・団体に特別の利益を与えることを決定し、または与えたことがない
7号 各理事について、その理事と配偶者・三親等以内の親族などである理事の合計が理事総数の3分の1以下

この記事の位置づけ

本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。

  • 税務の取扱いは、収入の性質や事業の実態によって結論が変わります。具体的な判定や税額の計算については、税理士または所轄の税務署へご確認ください。

非営利型の考え方は非営利型一般社団法人とは、会費の決め方は会費の決め方で説明しています。

会員企業が多い団体の総会運営

会員企業が全国にあると、全社が社員総会に集まるのは難しくなります。

社員は代理人によって議決権を行使できます。代理権を証明する書面を出し、代理権は総会ごとに授与します(50条1項・2項)。

総会を招集する理事が書面による議決権行使を認めると定めれば、出席しない社員は議決権行使書面で投票できます(38条1項3号・51条1項)。

社員全員が書面や電磁的記録で同意すれば、総会を開かずに決議があったものとみなされます(58条1項)。

法人の社員の場合、誰が会社を代表して出席・投票するのかを、入会時に届け出てもらうと事務が円滑です。

社員名簿には、社員の名称と住所を記載します(31条)。会員企業の担当者の連絡先は、個人情報として管理します。

業界団体の総会で準備しておくこと

  • 会員企業ごとの議決権行使者(代表者または届出担当者)の名簿
  • 委任状・議決権行使書面の様式
  • 独占禁止法上の注意を記した会合の冒頭説明(価格等を話題にしない)
  • 議題・配布資料・発言要旨を残す議事録
  • 社員名簿と賛助会員名簿の区別

個人情報の扱いは一般社団法人・NPO法人の個人情報の取扱いで詳しく説明しています。

名称の付け方(協会・連合会・工業会)

一般社団法人は、名称中に「一般社団法人」という文字を用いなければなりません(5条1項)。

「協会」「連合会」「工業会」「協議会」などの語は、一般法人法上は自由に組み合わせられます。

一般社団法人でない者は、一般社団法人と誤認されるおそれのある文字を名称に用いてはなりません(6条)。

何人も、不正の目的で他の一般社団法人と誤認されるおそれのある名称を使ってはなりません(7条1項)。

既存の業界団体と紛らわしい名称は、会員や取引先の混乱を招くため避けます。

設立前に、法務局の登記情報や各団体のWebサイトで同業の団体名を確かめておきます。

名称の決め方は一般社団法人の名称の決め方で解説しています。

公益社団法人を目指せるか

公益認定の対象となる公益目的事業は、「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するもの」と定義されています(公益認定法2条4号)。

業界団体の活動の中心は、会員企業という特定の集団の共通利益です。

そのため、会員向けの事業が中心のままでは、公益目的事業として組み立てにくいのが一般的です。

業界の枠を超えて、消費者の安全や広く一般向けの普及啓発を行う事業なら、公益目的事業として検討する余地があります。

まず一般社団法人として、会員向け事業と一般向け事業を分けて記録しておくと、将来の検討材料になります。

業界団体についてよくある誤解

誤解1:非営利の法人だから独占禁止法は関係ない。

事業者が社員である社団は事業者団体に当たり、8条の規制を受けます(2条2項1号)。

誤解2:業界のためなら価格の目安を示してよい。指針は、妥当な価格水準のためといった理由でも正当化されないとしています。

誤解3:正式に議決しなければ団体の決定ではない。部会などでの事実上の合意も、団体の決定に当たり得ます。

誤解4:入会資格は団体が自由に決めてよい。

合理的な資格は問題ありませんが、入らないと事業が難しい状況での不当な加入制限は違反のおそれがあります。

誤解5:会員企業の議決権は必ず1社1票。

原則は1個ですが、定款で別段の定めができます(48条1項)。

全事項の議決権をなくす定めは無効です(同条2項)。

誤解6:会費収入には税金がかからないと決まっている。扱いは非営利型法人の要件を満たすかと、収入の性質で変わります。


業界団体・協会の設立についてよくある質問

Q. 業界団体は何社から一般社団法人にできますか?

A. 設立時社員が共同して定款を作成するため、2人(2社)以上が必要です(一般法人法10条1項)。法人も社員になれます(31条で社員の「名称」を名簿に記載)。

Q. 業界団体に独占禁止法は適用されますか?

A. 適用されます。二以上の事業者が社員である社団法人は、独占禁止法の事業者団体に当たります(同法2条2項1号)。価格の決定や不当な入会制限などは8条で禁止されています。

Q. 会員企業の販売価格の情報を集めてもよいですか?

A. 将来の価格や数量の具体的な計画を集めて共有することは、違反となるおそれがあると公正取引委員会の指針は示しています。過去の価格を任意に集め、個社が分からない形で統計にして需要者も含めて提供することは、原則として違反とならないとされています。

Q. 入会資格を同業者に限ってもよいですか?

A. 設立目的や事業内容に照らして合理的な加入資格は、それ自体は問題とならないとされています。ただし団体に入らないと事業が難しい状況で、高額な入会金や競合会員の了承を条件にするなど不当に加入を制限すると、違反のおそれがあります(独占禁止法8条3号・4号、指針5-1-3)。

Q. 会員企業の規模によって議決権の数を変えられますか?

A. 一般法人法48条1項ただし書により、定款で別段の定めを置くことができます。ただし、すべての決議事項で議決権を行使できないとする定めは無効です(同条2項)。

Q. 違反するとどうなりますか?

A. 公正取引委員会は団体に差止めや解散などの排除措置を命じられます(独占禁止法8条の2第1項)。8条1号違反には5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金(89条1項2号)があり、団体にも5億円以下の罰金刑が科され得ます(95条1項1号)。

Q. 会費に法人税はかかりますか?

A. 非営利型法人に当たるかどうかで対象となる所得の範囲が変わります。会員の共通利益を図る類型の要件は法人税法施行令3条2項に定められています。個別の判断は税理士または所轄の税務署に確認してください。

Q. 除名した会員企業との取引をやめるよう会員に求めてもよいですか?

A. 事業者に取引拒絶など不公正な取引方法に当たる行為をさせるようにすることは、独占禁止法8条5号で禁止されています。除名は一般法人法30条の手続によるもので、取引の制限とは切り分けて考えます。

【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、正確性・最新性に配慮していますが、内容の完全性・正確性を保証するものではありません。法令・制度・税制は改正される場合があり、個別の事情により取り扱いが異なることもあります。本記事の情報を利用して行われた一切の行為およびその結果について、当サイトおよび筆者は責任を負いかねます。実際のお手続きや判断にあたっては、必ず公的機関の最新情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。