結論から申し上げます。協賛金は、団体の行事や活動の趣旨に賛同した企業・お店・個人が、資金を出して応援するお金です。
集めるときに大切なのは3つです。何に使うお金かをはっきりさせること、協賛してくれた相手への特典(お礼)を決めておくこと、そして受け取ったお金を団体の会計で正しく記録し、報告することです。
この記事では、寄付や広告料との違い、集める流れ、金額と特典の決め方、協賛依頼書の書き方と文例、領収書と会計の扱い、お礼と報告の仕方を、自治会・PTA・サークルなどの任意団体を念頭に説明します。
協賛金とは ― 寄付・広告料との違い
協賛金は、法律で決まった用語ではありません。一般に、行事や活動に賛同して出すお金で、相手の名前をプログラムや看板に載せるなどの「お礼」がつくことが多いものを指します。
似た言葉に「寄付」と「広告料」があります。違いは、お金を出した相手に何を返すかです。
寄付は、見返りを求めずに出すお金です。広告料は、広告を載せることへの対価として払うお金です。協賛金は、その間にあることが多く、名前の掲載などの特典がついても、特典の大きさは出したお金に見合うほどではない、という形が一般的です。
どれに当たるかで、お金を出す企業の側の経理や税金の扱いが変わることがあります。国税庁は、名目が寄附であっても、その寄附に対価性が認められる場合は扱いが変わると説明しています。企業の側の扱いは企業の側で判断するものなので、団体は特典の内容を依頼書に正確に書いておくことが大切です。
| 比べること | 寄付 | 協賛金 | 広告料 |
|---|---|---|---|
| お金を出す理由 | 活動を応援したい | 行事の趣旨に賛同して応援したい | 広告を載せて宣伝したい |
| 団体からのお返し | 原則なし(お礼状程度) | 名前の掲載・看板・招待など | 広告の掲載 |
| 金額の決め方 | 相手が決める | 団体が口数やランクを示すことが多い | 広告の大きさ・場所で決める |
| 依頼の書類 | 寄付のお願い | 協賛依頼書(趣意書) | 広告掲載の申込書 |

協賛金を集める流れ

協賛金は、次の5つの段階で集めます。
一つめは、行事の計画と予算を決めることです。行事にいくらかかり、そのうちいくらを協賛金でまかなうかを、予算案に書きます。
二つめは、役員会や総会で、協賛金を集めることと、金額・特典の決め方を決めることです。誰が依頼に回るかも決めます。
三つめは、依頼する先の一覧を作ることです。過去に協賛してくれた企業、地域のお店、会員の勤め先などを書き出します。
四つめは、協賛依頼書を持って依頼に回ることです。受け取ったら、その場か後日に領収書を渡します。
五つめは、行事が終わったあとのお礼と報告です。協賛企業の名前を掲載し、お礼状と、行事の様子や会計の報告を届けます。
- 協賛金で何をまかなうか(使い道)と、目標の金額
- 1口の金額やランク、それぞれの特典
- 依頼に回る担当者と、依頼する先の一覧
- 受付の締切と、お金の受け取り方(現金・振込)
- 領収書を出す人と、会計への記録の仕方
金額と特典の決め方
協賛金の金額は、団体が目安を示すと、依頼する側も受ける側も話が進めやすくなります。よく使われるのが、「1口いくら」の口数で決める方法と、金額に応じたランクを作る方法です。
口数で決める方法は、小さなお店でも出しやすいのが利点です。ランクを作る方法は、大きく出してくれた企業に、目立つ特典を返しやすいのが利点です。
特典は、協賛企業の名前をプログラム・ポスター・ウェブサイトに載せる、会場に看板やのぼりを出す、行事に招待する、といったものが一般的です。
金額や特典は、地域や行事の規模で大きく違います。前年度の実績があれば、それを基準にするのが現実的です。
| ランクの例 | 金額の例 | 特典の例 |
|---|---|---|
| 一般協賛 | 1口 5,000円 | プログラムに名前を掲載 |
| シルバー | 2万円 | プログラムに名前を大きく掲載・ウェブサイトに掲載 |
| ゴールド | 5万円 | 上記に加え、会場に看板を掲示 |
| 特別協賛 | 10万円〜 | 上記に加え、開会式で紹介・行事に招待 |
※上の金額と特典は、書き方を示すための例です。実際の金額は、団体の予算と地域の実情に合わせて決めてください。
協賛依頼書(趣意書)に書くこと
協賛を頼むときは、口頭だけでなく、協賛依頼書(趣意書)を渡します。相手が社内で検討するときの資料になるからです。
依頼書には、行事の名前・日時・場所・目的、団体の紹介、協賛金の使い道、金額と特典、申込みとお金の受け取り方、締切、問い合わせ先を書きます。
特に大切なのは、使い道と特典を具体的に書くことです。「運営費に充てます」だけでは、相手は判断しにくくなります。
- 宛名(会社名・代表者名)と、団体名・代表者名・日付
- 行事の名前・日時・場所・目的
- 団体の紹介(いつから、何人で、どんな活動をしているか)
- 協賛金の使い道(会場費・備品・景品など)
- 1口の金額やランクと、それぞれの特典
- 申込みの方法・締切・お金の受け取り方(現金・振込先)
- 問い合わせ先(担当者の名前と連絡先)
協賛依頼書の文例(自治会の夏祭りの場合)
令和〇年〇月〇日
〇〇株式会社
代表取締役 〇〇 〇〇 様
〇〇町内会 会長 〇〇 〇〇
〇〇町内会 夏祭り 協賛のお願い
拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は町内会の活動にご理解をいただき、厚く御礼申し上げます。
さて、当町内会では、地域の皆さまの交流を目的として、下記のとおり夏祭りを開催いたします。つきましては、趣旨にご賛同いただき、ご協賛を賜りますようお願い申し上げます。
いただいた協賛金は、会場の設営費、子ども向けの景品、安全対策の備品に充てさせていただきます。
敬具
記
1 日時 令和〇年〇月〇日(〇)〇時〜〇時
2 場所 〇〇公園
3 協賛金 1口 〇,〇〇〇円(何口でも承ります)
4 特典 当日のプログラムと会場の掲示板に、貴社名を掲載いたします
5 締切 令和〇年〇月〇日
6 お支払い 担当者がお伺いするか、下記の口座へのお振込み
7 お問い合わせ 〇〇町内会 夏祭り担当 〇〇(電話 〇〇〇-〇〇〇〇)
以上
依頼の仕方とマナー
依頼は、行事の2〜3か月前までに始めると、相手が社内で検討する時間をとれます。企業によっては、協賛の予算を年度の初めに決めていることもあります。
できれば担当者が訪問し、依頼書を手渡しして趣旨を説明します。前年度に協賛してくれた先には、昨年のお礼と、昨年の行事の報告を添えると話が進みやすくなります。
断られたときは、無理に頼み込まず、お礼を言って引き下がります。地域の団体の依頼は、断りにくいと感じさせてしまうことがあるからです。
同じ企業に、団体の中の複数の担当者が別々に依頼してしまうことがないよう、依頼先の一覧で担当を分けておきます。
受け取ったときの領収書 ― 収入印紙の扱い
協賛金を受け取ったら、領収書(受取書)を渡します。宛名、金額、日付、但し書き(「〇〇夏祭り協賛金として」など)、団体名と担当者名を書きます。
5万円以上の受取書には、原則として収入印紙が必要です。ただし、営業に関しない受取書は非課税とされています。
国税庁は、人格のない社団(法人格のない任意団体)について、公益や会員相互の親睦などの非営利の事業を目的として設立されている場合は、その行為は営業にならないと説明しています。一方で、それ以外の人格のない社団が収益事業に関して作る受取書は、営業になるとしています。
また、一般社団法人・一般財団法人などで、法令や定款の定めにより剰余金の分配をすることができないものの行為も、営業にならないとされています。
自治会・PTA・サークルのように親睦や地域の活動を目的とする団体が、行事の協賛金を受け取るときの受取書は、多くの場合はこれに当たります。判断に迷うときは、税務署に確かめてください。
団体の会計での記録
協賛金は、団体の収入として記録します。現金出納帳や通帳に、日付・相手先・金額・摘要(「夏祭り協賛金 〇〇株式会社」など)を書きます。
科目は、「協賛金収入」を立てるとわかりやすくなります。会費や寄付と混ぜず、行事ごとに区別しておくと、会計報告で使い道を説明しやすくなります。
現金で受け取った場合は、その日のうちに出納帳に記録し、領収書の控えと一緒に保管します。複数の人が集めて回るときは、集めた人ごとに一覧を作り、会計担当に渡すときに金額を照らし合わせます。
行事の会計報告では、協賛金の合計と、何に使ったかを示します。協賛企業の一覧を添えると、会員にも協賛企業にも、お金の流れが伝わります。
- 受け取ったら、その日のうちに出納帳に記録する
- 領収書の控えを残し、出納帳と照らし合わせられるようにする
- 個人の財布や口座に入れたままにしない
- 団体の口座があれば、早めに入金する
- 行事の会計報告で、協賛金の合計と使い道を示す
協賛企業へのお礼と報告
行事が終わったら、2週間以内をめどに、お礼状と報告を届けます。約束した特典(名前の掲載など)がきちんと果たされたことを、写真やプログラムで示します。
お礼状には、協賛へのお礼、行事が無事に終わったこと、参加者の人数や様子、協賛金を何に使ったかを書きます。
翌年も協賛をお願いするなら、このお礼と報告が、いちばんの準備になります。
お礼状の文例
拝啓 〇〇の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは、〇〇町内会 夏祭りに格別のご協賛を賜り、誠にありがとうございました。おかげさまで、当日は好天に恵まれ、約〇〇人の皆さまにご来場いただき、無事に終えることができました。
いただいた協賛金は、会場の設営と子ども向けの景品に充てさせていただきました。当日のプログラムを同封いたしますので、ご覧いただければ幸いです。
今後とも、町内会の活動へのご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
敬具
令和〇年〇月〇日
〇〇町内会 会長 〇〇 〇〇
協賛金を集めるときの注意点
一つめは、協賛を強制しないことです。地域の団体からの依頼は、断りにくいと感じる相手もいます。金額や回数を押しつけないようにします。
二つめは、相手を選ぶことです。暴力団など反社会的勢力との関わりがないかは、地域の行事でも気をつけるべき点です。自治体の暴力団排除条例では、事業者が暴力団に利益を与えることなどを禁じています。
三つめは、特典の約束を守ることです。名前の掲載漏れや、看板の出し忘れは、翌年の協賛に響きます。掲載する名前の表記は、事前に相手に確かめます。
四つめは、会員や保護者の個人情報を、協賛企業に渡さないことです。参加者の名簿を協賛のお礼として渡すようなことは、本人の同意なくしてはいけません。
五つめは、学校のPTAなどでは、学校の施設や行事と関わるため、学校の方針を確かめることです。企業の宣伝を学校の中で行うことに制限がある場合があります。
協賛金についてよくある質問
A. 寄付は見返りを求めずに出すお金です。協賛金は、行事の趣旨に賛同して出すお金で、名前の掲載などの特典がつくことが多いものを指します。法律で決まった用語ではありません。
A. 地域や行事の規模で大きく違います。1口の金額を決めて口数で募る方法や、金額に応じたランクを作る方法が一般的です。前年度の実績があれば、それを基準にするのが現実的です。
A. 行事の名前・日時・場所・目的、団体の紹介、協賛金の使い道、金額と特典、申込み方法と締切、問い合わせ先を書きます。使い道と特典を具体的に書くことが大切です。
A. 5万円以上の受取書には原則として収入印紙が必要ですが、国税庁は、営業に関しない受取書は非課税としたうえで、公益や会員相互の親睦などの非営利の事業を目的とする人格のない社団の行為は営業にならないと説明しています。判断に迷うときは税務署に確かめてください。
A. 団体の収入として、出納帳に日付・相手先・金額・摘要を記録します。「協賛金収入」の科目を立て、会費や寄付と区別しておくと、会計報告で使い道を説明しやすくなります。
A. 約束した特典(名前の掲載など)を果たし、行事のあとにお礼状と報告を届けます。参加者の様子や協賛金の使い道を伝えると、翌年の協賛にもつながります。
A. 無理に頼み込まず、お礼を言って引き下がります。地域の団体からの依頼は断りにくいと感じる相手もいるため、協賛を強制しないことが大切です。


