一般社団法人の設立時社員とは?役割と人数を解説

一般社団法人設立
一般社団法人を作るとき、最初に決めるのが「誰が設立時社員になるか」です。人数、なれる人、やること、負う責任を、一般法人法の条文に沿って説明します。

結論から申し上げます。

設立時社員とは、一般社団法人の社員になろうとする者のことです(一般法人法10条1項)。

設立時社員は共同して定款を作り、全員が定款に署名または記名押印します。

設立には2人以上の設立時社員が必要です。個人だけでなく、法人もなれます。

設立時社員は、定款の認証を受けた後、設立時理事などを選任します(15条1項)。

法人が成立すると、設立時社員はそのまま最初の社員になり、社員総会で議決権を持ちます。

POINT 設立時社員=設立段階の社員です。役員ではありません。法人を運営するのは設立時理事で、設立時社員と設立時理事は兼ねることも、別の人にすることもできます。

設立時社員とは何か

一般法人法10条1項は、一般社団法人を設立するには「その社員になろうとする者」が共同して定款を作成すると定めています。

この「社員になろうとする者」を、法律は「設立時社員」と呼んでいます。

ここでいう社員は、従業員のことではありません。社員総会で議決権を持つ、法人の構成員のことです。

設立時社員は、設立の手続を進める立場です。定款を作り、公証人の認証を受け、設立時の役員を選びます。

株式会社でいえば「発起人」に近い立場ですが、法律上の名称と規定は別です。

一般社団法人の社員の一般的な意味は、一般社団法人の社員とはで説明しています。

用語 意味 根拠
設立時社員 法人の社員になろうとする者。定款を作る 10条1項
社員 法人成立後の構成員。社員総会で議決権を持つ 27条・31条など
設立時理事 設立に際して理事となる者 15条1項
設立時代表理事 設立に際して代表理事となる者(理事会設置法人) 21条1項
設立時監事 設立に際して監事となる者 15条2項1号

設立時社員は何人必要か

一般社団法人の設立には、2人以上の設立時社員が必要です。

10条1項が「共同して定款を作成」すると定めているためで、法務省のQ&Aも「設立に当たっては、2人以上の社員が必要」と説明しています。

上限はありません。何人にするかは、設立する人たちが決めます。

設立後に社員が1人になっても、法人は解散しません。

社員が欠けた(0人になった)ときに、法人は解散します(148条4号)。

つまり2人以上が必要なのは設立の時点で、その後は1人でも存続できます。

1人で作りたいと考えている方は、一般社団法人は1人で作れるかもあわせてご覧ください。

法人の種類 設立に必要な人 根拠
一般社団法人 設立時社員2人以上 一般法人法10条1項・法務省Q&A
一般財団法人 設立者1人以上(2人以上なら全員で定款作成) 一般法人法152条1項
NPO法人 社員10人以上 NPO法12条1項4号

一般財団法人は財産の集まりに法人格を与える制度なので、設立者は1人でも構いません。

NPO法人は、認証の基準として10人以上の社員が求められます。

設立時社員になれる人

設立時社員の資格を制限する規定は、一般法人法にありません。

定款には設立時社員の「氏名又は名称及び住所」を書きます(11条1項4号)。

「名称」とあるのは、法人が設立時社員になる場合を想定しているためです。

法務省のQ&Aも、一般社団法人の社員には法人もなれると説明しています。

ただし、法人の支店・支部・営業所など、従たる事務所の性質を持つものは社員になれません(同Q&A)。

役員とは扱いが違う点に注意します。法人は理事・監事にはなれません(65条1項1号)。

なろうとする人 設立時社員 設立時理事・監事
個人(成人) なれる なれる(欠格事由に当たらなければ)
株式会社・一般社団法人などの法人 なれる なれない(65条1項1号)
法人の支店・支部・営業所 なれない(法務省Q&A) なれない
未成年者 法定代理人の同意を得て行う 欠格事由(65条1項)には挙がっていない
外国に住む人・外国籍の人 制限する規定はない 制限する規定はない

未成年者が定款を作成するなどの法律行為をするには、原則として法定代理人の同意が必要です(民法5条1項)。

同意のない法律行為は取り消すことができるため(同条2項)、設立後の手続を不安定にしないよう、同意書を用意しておきます。

法人が設立時社員になる場合、定款の作成や署名はその法人の代表者が行います。

設立時社員がすること
図:設立時社員がすること

設立時社員がすること

設立時社員がすること
図:設立時社員がすること

設立時社員の仕事は、法人が成立するまでの「土台づくり」です。

主な仕事を、法律の順番に並べると次のとおりです。

1
定款を共同して作成する
全員が署名または記名押印する(10条1項)。電子定款も可(10条2項)
▼
2
公証人の認証を受ける
認証を受けなければ定款は効力を生じない(13条)
▼
3
設立時理事・設立時監事を選任する
定款で定めていない場合、認証の後遅滞なく選任する(15条)
▼
4
設立時役員の調査を受ける
設立時理事・監事が、手続が法令・定款に違反していないかを調査する(20条1項)
▼
5
設立の登記の日を定める
登記は調査終了日と設立時社員が定めた日の遅い方から2週間以内(301条1項)
▼
6
法人の成立と同時に社員になる
設立の登記によって法人が成立する(22条)
設立時社員の仕事 決め方 根拠
定款の作成 全員で作り、全員が署名・記名押印 10条1項
定款の備置き 設立時社員が定めた場所に置く 14条1項
設立時理事・監事の選任 議決権の過半数 15条・17条1項
設立時理事・監事の解任 過半数(監事は3分の2以上) 18条・19条1項
基金の募集事項の決定(定款に定めがある場合) 全員の同意 131条・132条2項
設立の登記の日の決定 ― 301条1項2号

設立全体の手順は一般社団法人の設立の流れで説明しています。

定款の作成と記名押印

定款は、設立時社員が共同して作成し、全員が署名または記名押印します(10条1項)。

定款には、目的・名称・主たる事務所の所在地・設立時社員の氏名又は名称及び住所・社員の資格の得喪に関する規定・公告方法・事業年度を必ず書きます(11条1項)。

社員に剰余金や残余財産の分配を受ける権利を与える定めは、書いても効力がありません(11条2項)。

定款は電磁的記録(電子定款)で作ることもできます。その場合は、署名・記名押印に代わる措置をとります(10条2項)。

設立時社員が作った定款は、公証人の認証を受けなければ効力を生じません(13条)。

定款の末尾の記載例(設立時社員が2人の場合)

第〇条(設立時社員の氏名及び住所)設立時社員の氏名及び住所は、次のとおりである。

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号 設立時社員 〇〇〇〇

住所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号 設立時社員 株式会社〇〇(代表取締役 〇〇〇〇)

以上、一般社団法人〇〇設立のため、この定款を作成し、設立時社員が次に記名押印する。

令和〇年〇月〇日 設立時社員 〇〇〇〇 印 / 設立時社員 株式会社〇〇 代表取締役 〇〇〇〇 印

日本公証人連合会の定款記載例の形に、法人が設立時社員になる場合を加えたものです。実際の書き方は認証を受ける公証役場に確認します。

定款認証で押さえる点 内容 根拠
認証手数料 一般社団法人は5万円 公証人手数料令35条3号
収入印紙 不要(課税対象は会社の設立時の定款) 印紙税法別表第一第6号
実質的支配者の申告 法人成立時に実質的支配者となるべき者の氏名・住居・生年月日などを申告 公証人法施行規則46条1項
定款の効力 認証を受けなければ効力を生じない 一般法人法13条

認証の手順は一般社団法人の定款認証の必要書類、申告の中身は実質的支配者とはで説明しています。

設立時理事・設立時監事の選任

設立時理事の決め方は2つあります。

1つ目は、定款で設立時理事を定める方法です。定款の附則に氏名を書いておけば、改めて選任する必要はありません。

2つ目は、定款で定めなかった場合に、設立時社員が認証の後遅滞なく選任する方法です(15条1項)。

監事を置く法人では設立時監事も、同じように定款で定めるか選任します(15条2項1号)。

選任は、設立時社員の議決権の過半数で決めます(17条1項)。

理事会を置く法人では、設立時理事は3人以上が必要です(16条1項)。

理事会を置かない法人は、理事1人でも設立できます(60条1項)。

理事会を置く法人では、設立時理事の過半数で設立時代表理事を選定します(21条1項・3項)。

設立時社員は、法人の成立までの間、設立時役員等を解任することもできます(18条)。

機関設計 最少の人数 決め方
社員総会+理事 設立時社員2人・設立時理事1人 理事は定款で定めるか、設立時社員の過半数で選任
社員総会+理事+監事 設立時社員2人・設立時理事1人・設立時監事1人 監事は理事・使用人と兼ねられない(65条2項)
社員総会+理事会+監事 設立時社員2人・設立時理事3人・設立時監事1人 設立時代表理事は設立時理事の過半数で選定

設立時社員が設立時理事を兼ねることを禁じる規定はありません。2人の設立時社員のうち1人が理事になる形でも設立できます。

理事の選び方は一般社団法人の理事の選び方で詳しく説明しています。

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設立時社員の議決権と決め方

設立時役員等を選任するとき、設立時社員は各1個の議決権を持ちます(17条2項)。

ただし、定款で別段の定めをすることもできます(同項ただし書)。

解任も原則は過半数ですが、設立時監事の解任は3分の2以上の多数が必要です(19条1項)。

設立時社員が2人のときは、過半数=2人全員の賛成になります。意見が割れると決まりません。

3人以上にしておくと、過半数で決められる場面が増えます。

決めた内容は書面に残します。

設立登記では、設立時社員の一致を要する事項について、一致があったことを証する書面を添付するためです(318条3項)。

設立時社員の決議書の例(抜粋)

一般社団法人〇〇 設立時社員決議書

1.設立時理事の選任 設立時理事として次の者を選任する。〇〇〇〇、〇〇〇〇、〇〇〇〇

2.主たる事務所の所在場所 〇〇県〇〇市〇〇町〇丁目〇番〇号とする。

上記事項につき、設立時社員全員の一致により決定した。

令和〇年〇月〇日 設立時社員 〇〇〇〇 / 設立時社員 〇〇〇〇

定款で所在地を市町村までしか書いていない場合、番地まで特定する決定もこの書面に入れることが多くあります。定款で設立時理事を定めた場合、1は不要です。

設立時社員が定款で決めておく、設立後に効いてくる項目

設立時社員が作る定款は、設立後の社員全員を縛るルールになります。

設立後に定款を変えるには社員総会の特別決議が必要になるため、最初の定款で丁寧に決めておくほど後が楽です。

特に、社員の権利と義務に関わる次の項目は、設立時社員どうしで話し合って決めます。

定款の項目 法律の定め 決めておくこと
社員の資格の得喪 定款の必須事項(11条1項5号) 誰が社員になれるか、入会の承認方法、資格を失う事由
議決権の数 原則は各1個。定款で別段の定めができる(48条1項) 社員ごとに議決権の数を変えるか
経費の負担 定款の定めに従って支払う(27条) 会費・入会金の有無と決め方
退社 いつでも退社できる。定款で別段の定めができる(28条1項) 退社の予告期間などを置くか
機関設計 理事会・監事・会計監査人は定款で置く(60条2項) 理事会を置くか、監事を置くか
基金 募集できる旨を定款で定められる(131条) 基金の拠出者の権利・返還の手続

議決権を全部の決議事項について行使できないとする定めは、効力を持ちません(48条2項)。

定款の書き方は一般社団法人の定款の書き方で、条文ごとの記載例を示しています。

基金を設けるときの設立時社員の役割

一般社団法人には資本金の制度がありません。設立時の資金を集める方法の一つが基金です。

基金は、法人に拠出された金銭などの財産で、法人が拠出者に返還義務を負うものです(131条)。

基金を募集するには、定款で「基金を引き受ける者の募集をすることができる」旨と、拠出者の権利・返還の手続を定めます(131条)。

法人の成立前は、設立時社員が募集の主体になります(131条のかっこ書き)。

募集のたびに、基金の総額・払込みの期日などの募集事項を定めます(132条1項)。

設立時社員が募集事項を定めるときは、設立時社員全員の同意が必要です(132条2項)。

基金の返還は、定時社員総会の決議で行い、純資産額による上限があります(141条1項・2項)。

基金は社員の地位と結び付いていないため、社員でない人も拠出者になれます(法務省Q&A)。

比較 社員の会費(経費) 基金
根拠 27条 131条以下
返還 返還しないのが前提 返還義務がある(141条)
出す人 社員 社員でなくてもよい
設立時の決め方 定款で定める 定款で定め、募集事項は設立時社員全員の同意

定款の備置きと閲覧

認証を受けた定款は、設立時社員が定めた場所に備え置きます(14条1項)。

法人の成立後は、法人が主たる事務所と従たる事務所に備え置きます(同項)。

設立時社員は、設立時社員が定めた時間内であれば、いつでも定款の閲覧や謄本の交付を請求できます(14条2項)。

法人の成立後に閲覧などを請求できるのは、社員と債権者です(同項)。

設立段階では、定款の原本を誰が保管するかを決め、写しを全員に配っておくと、設立後の確認がしやすくなります。

設立時社員が負う責任

設立時社員は、設立の手続を進める当事者として、一般法人法上の責任を負います。

設立について任務を怠ったときは、法人に生じた損害を賠償する責任を負います(23条1項)。

職務を行うについて悪意または重大な過失があったときは、第三者に生じた損害も賠償します(23条2項)。

複数の人が責任を負う場合は、連帯債務者になります(24条)。

法人に対する責任は、総社員の同意がなければ免除できません(25条)。

法人が成立しなかったときは、設立時社員は連帯して設立に関する行為の責任を負い、設立のために支出した費用を負担します(26条)。

設立時社員を引き受ける前に確認すること

  • 定款の内容(目的・社員の資格・会費の定め)を読んだか
  • 設立費用を誰がどう負担するか、書面で決めたか
  • 設立が途中で止まった場合の費用負担を話し合ったか(26条)
  • 設立後も社員として社員総会に出席できるか
  • 会費などの経費を支払う定めがあるか(27条)
  • 退社のルールが定款にどう書かれているか(28条)

法人の成立後、設立時社員はどうなるか

一般社団法人は、主たる事務所の所在地で設立の登記をすることによって成立します(22条)。

成立と同時に、設立時社員は法人の社員になります。設立時社員は「社員になろうとする者」だからです(10条1項)。

法人は、社員の氏名又は名称及び住所を記載した社員名簿を作ります(31条)。最初の記載は設立時社員です。

社員は、定款の定めに従い、法人に経費を支払う義務を負います(27条)。

社員はいつでも退社できます。定款で別段の定めをしても、やむを得ない事由があればいつでも退社できます(28条)。

設立時社員の誰かが退社しても、社員が1人でも残っていれば法人は存続します(148条4号)。

時期 立場 主な権利・義務
定款作成〜登記申請 設立時社員 定款作成・設立時役員の選任・設立時の責任(23〜26条)
設立の登記(成立) 社員 社員総会での議決権・経費の支払義務(27条)
成立後 社員 退社の自由(28条)・社員名簿への記載(31条)

設立時社員の氏名・住所は定款に残りますが、登記はされません。社員は登記事項ではないためです。

社員の管理は一般社団法人の社員名簿、議決権は一般社団法人の議決権で説明しています。

設立時社員と設立時理事の違い

設立時社員と設立時理事は、役割がはっきり分かれています。

設立時社員は法人の持ち主に近い構成員で、役員を選ぶ側です。

設立時理事は法人を運営する役員で、選ばれる側です。

設立時理事は、選任後遅滞なく、設立の手続が法令や定款に違反していないかを調査します(20条1項)。

違反や不当な事項を見つけたときは、設立時社員に通知します(20条2項)。

設立の登記は、法人を代表すべき者(設立時理事または設立時代表理事)が申請します(318条1項)。

設立時社員が申請するのではありません。

比較 設立時社員 設立時理事
立場 社員になろうとする者 設立に際して理事となる者
人数 2人以上 1人以上(理事会設置法人は3人以上)
法人がなれるか なれる なれない(65条1項1号)
定款への署名・記名押印 全員がする 定款作成者でなければしない
主な仕事 定款作成・役員の選任 設立手続の調査・登記の申請
成立後 社員 理事

この記事の位置づけ

本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。

  • 設立登記など登記申請の手続きは司法書士が取り扱う業務です。ご自身で法務局へ申請することもできます。

株式会社の発起人との違い

株式会社では、設立を企画して定款を作る人を発起人と呼びます(会社法26条1項)。

会社法26条1項は「発起人が定款を作成し」と定め、一般法人法10条1項のような「共同して」という文言がありません。

株式会社が発起人1人でも設立できるのに対し、一般社団法人は設立時社員2人以上が必要という違いは、この文言の差に表れています。

発起人は、設立に際して株式を1株以上引き受けなければなりません(会社法25条2項)。

設立時社員には、出資の義務がありません。一般社団法人には株式も資本金もないためです。

設立後、発起人は株主になり、設立時社員は社員になります。

株主は配当を受けられますが、社員は剰余金の分配を受けられません(一般法人法11条2項)。

比較 一般社団法人の設立時社員 株式会社の発起人
定款作成の条文 共同して作成(一般法人法10条1項) 発起人が作成(会社法26条1項)
必要な人数 2人以上 1人以上
出資 不要(基金は任意) 1株以上の引受けが必要(会社法25条2項)
定款認証の手数料 5万円 資本金の額などにより1万5千円〜5万円
定款の収入印紙 不要 書面の原本は4万円
設立後の立場 社員(剰余金の分配なし) 株主

株式会社の手続は株式会社の設立の流れで説明しています。

設立時社員が関わる書類の一覧

設立時社員が作成・署名する書類は、設立の段階ごとに決まっています。

誰の署名や押印が要るかを先に把握しておくと、設立時社員が遠方にいる場合も日程を組みやすくなります。

書類 設立時社員の関わり 根拠
定款 全員が署名または記名押印 一般法人法10条1項
実質的支配者となるべき者の申告書 認証の嘱託人として申告する 公証人法施行規則46条1項
設立時役員の選任を証する書面 過半数の一致を証する 一般法人法17条1項・318条3項
基金の募集事項の同意書(定める場合) 全員が同意する 一般法人法132条2項
未成年者の法定代理人の同意書(該当する場合) 法定代理人が同意する 民法5条1項
設立登記の申請書 作成しない(代表すべき者が申請) 一般法人法318条1項

設立時社員の人数と顔ぶれの決め方

法律が求めるのは2人以上という下限だけです。そのうえで、設立後の運営を考えて人数を決めます。

2人の場合は、手続は最も簡単です。ただし、議決権が同数で割れると何も決められません。

3人以上にすると、過半数による決定ができるようになります。

設立時社員は成立後そのまま社員になり、社員総会で役員の選任や定款変更を決めます。

そのため、設立後も社員総会に参加し続けられる人を選ぶことが大切です。

会員制の団体にする場合は、どの会員を法律上の社員にするかを定款で決めます(11条1項5号)。

会員の区分については賛助会員と正会員の違いで説明しています。

よくある誤解

誤解1:設立時社員は役員である。設立時社員は構成員で、役員ではありません。役員は設立時社員が選ぶ設立時理事・監事です。

誤解2:設立後も2人以上いないと解散する。解散するのは社員が0人になったときです(148条4号)。

誤解3:法人は設立時社員になれない。法人も設立時社員になれます。なれないのは理事・監事です(65条1項1号)。

誤解4:設立時社員の氏名は登記される。定款には書きますが、登記事項ではありません。

誤解5:設立時社員が設立登記を申請する。申請するのは法人を代表すべき者です(318条1項)。

誤解6:定款に収入印紙を貼る。

印紙税の課税対象は会社の設立時の定款で、一般社団法人の定款は対象外です(印紙税法別表第一第6号)。


一般社団法人の設立時社員についてよくある質問

Q. 設立時社員とは何ですか?

A. 一般社団法人の社員になろうとする者のことです。共同して定款を作成し、全員が署名または記名押印します(一般法人法10条1項)。

Q. 設立時社員は何人必要ですか?

A. 2人以上が必要です。設立後に1人になっても解散しませんが、0人になると解散します(一般法人法10条1項・148条4号、法務省Q&A)。

Q. 法人は設立時社員になれますか?

A. なれます。定款には設立時社員の「氏名又は名称及び住所」を書きます(一般法人法11条1項4号)。ただし法人は理事・監事にはなれません(65条1項1号)。

Q. 設立時社員と設立時理事は兼ねられますか?

A. 兼ねられます。禁止する規定はありません。理事会を置かない法人なら、設立時社員2人のうち1人が設立時理事を兼ねる形でも設立できます(60条1項)。

Q. 設立時理事はどうやって決めますか?

A. 定款で定めるか、定款で定めなかったときは定款の認証の後遅滞なく、設立時社員の議決権の過半数で選任します(一般法人法15条1項・17条1項)。

Q. 設立時社員はどんな責任を負いますか?

A. 任務を怠って法人に損害を与えたときの賠償責任、悪意・重過失による第三者への責任があり、連帯責任です(23条・24条)。法人が成立しなかったときは設立費用を負担します(26条)。

Q. 設立後、設立時社員はどうなりますか?

A. 法人の成立と同時に社員になり、社員総会で議決権を持ちます。社員はいつでも退社できます(一般法人法22条・28条)。

Q. 設立時社員の氏名は登記されますか?

A. 登記されません。定款に氏名又は名称及び住所が記載されます(一般法人法11条1項4号・301条2項)。

【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、正確性・最新性に配慮していますが、内容の完全性・正確性を保証するものではありません。法令・制度・税制は改正される場合があり、個別の事情により取り扱いが異なることもあります。本記事の情報を利用して行われた一切の行為およびその結果について、当サイトおよび筆者は責任を負いかねます。実際のお手続きや判断にあたっては、必ず公的機関の最新情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。