NPO法人の広報物は、作ることより届けることが難しいものです。
立派なチラシを作っても、置く場所がなければ届きません。
逆に、簡素な紙でも配り方次第で人は来ます。
この記事では、紙の広報物の作り方と配り方を解説します。
紙はまだ有効か
電子の時代でも、紙の広報物は有効です。
第一に、届く相手が違います。
高齢の方には、紙のほうが確実です。
第二に、手元に残ります。
冷蔵庫に貼ってもらえる可能性があります。
第三に、人から人へ渡せます。
第四に、公共の施設に置けます。
検索されなくても、目に触れます。
電子と紙は、届く相手が重なりません。
両方を、使い分けましょう。
作る前に配り先を決める
いちばん多い失敗が、この順序の逆転です。
チラシを作ってから、置き場所を探します。
そして、事務所に山積みになります。
先に、どこに何枚置くかを決めましょう。
公民館、図書館、支所、学校、店舗などです。
置いてもらえるかを、先に聞いておきます。
許可が要る場所も、あります。
合計の枚数が、印刷の部数になります。
余分に刷るのは、少しで十分です。
配り先の一覧が、そのまま計画になります。
| 配布先 | 許可の要否 | 向いている内容 |
|---|---|---|
| 公民館・図書館 | 要(申請の様式あり) | 講座・催しの案内 |
| 市区町村の窓口や支所 | 要 | 公共性の高い事業 |
| 学校 | 要(教育委員会の場合も) | 子ども向けの事業 |
| 店舗・医院 | 店ごとに相談 | 地域に密着した内容 |
| 会員への郵送 | 不要 | 総会・会報・寄付の案内 |
| 催しの会場での手渡し | 主催者に相談 | 関連する活動 |
誰に向けたものかを一行で
チラシで最も大事なのは、宛先です。
誰に向けたものかを、一行で示します。
一番上に、大きく書きましょう。
子育て中の方へ、といった形です。
自分に関係ないと思われたら、読まれません。
団体の名前を、一番大きくしないでください。
読む人は、団体を知りません。
知りたいのは、自分に関係あるかどうかです。
宛先が絞れているほど、届きます。
全員向けは、誰にも届きません。
載せる情報を絞る
書きたいことを、全部載せないでください。
文字が詰まったチラシは、読まれません。
第一に、日時と場所です。
第二に、対象と費用です。
第三に、申込の方法と締切です。
第四に、問い合わせ先です。
この4つがあれば、行動できます。
団体の理念や、沿革は不要です。
詳しくはウェブサイトへ、と誘導しましょう。
余白を、恐れないでください。
- 誰に向けたものか(一行)
- 日時
- 場所(地図か住所)
- 対象と定員
- 費用
- 申込の方法と締切
- 問い合わせ先(電話・電子メール)
- 団体名と、ウェブサイトの場所
- 本文の文字の大きさ(12ポイント以上が目安)
作る手間を減らす
毎回ゼロから作ると、続きません。
型を、一つ作っておきましょう。
色や書体を、決めておきます。
団体のロゴの位置も、固定します。
次からは、中身を差し替えるだけです。
作る時間が、大きく減ります。
見た目もそろい、団体らしさが出ます。
無料で使える作成の道具も、あります。
凝ったものを作る必要は、ありません。
読める、分かる、で十分です。
印刷の方法を選ぶ
印刷の方法は、部数で決めます。
100枚程度なら、手元の印刷機で足ります。
中間支援組織の印刷機を、使う方法もあります。
低額で、大量に刷れます。
1000枚を超えるなら、印刷の業者が安くなります。
色数を減らすと、費用が下がります。
紙の質も、費用に響きます。
締切から逆算して、発注しましょう。
刷り直しはできないため、校正は複数人で行います。
日付と電話番号は、必ず二人以上で確認します。
置いてもらう頼み方
配布先には、丁寧に頼みます。
第一に、団体の説明を簡潔にします。
第二に、置かせてほしい期間を伝えます。
第三に、枚数を伝えます。
第四に、なくなったら補充するかを伝えます。
第五に、終わったら回収する旨も伝えます。
置きっぱなしは、迷惑になります。
公共の施設は、申請の様式がある場合があります。
事前に、確認しておきましょう。
断られても、次の機会があります。
会報という形
チラシとは別に、会報という形もあります。
会員や支援者に、定期的に送るものです。
活動の報告が、中心になります。
写真を入れると、伝わりやすくなります。
A4で2枚から4枚が、現実的です。
年に4回程度が、続けやすい頻度です。
郵送の費用も、見込んでおきましょう。
電子で送る方法も、併用できます。
希望を聞いて、分けると費用が下がります。
続けることが、いちばんの価値です。
団体案内を作る
もう一つ、常備しておきたいものがあります。
団体そのものを説明する、案内の紙です。
パンフレットや、リーフレットと呼ばれます。
第一に、何のための団体かを書きます。
第二に、何をしているかを書きます。
第三に、実績を数字で書きます。
第四に、関わり方を書きます。
会員、寄付、ボランティアの三つです。
第五に、連絡先を書きます。
相談や依頼の場面で、必ず使います。
写真の扱い
広報物にも、写真の権利の問題があります。
写っている人の許可を、必ず得ます。
子どもなら、保護者の意向を聞きます。
許可の範囲も、確認します。
チラシに使ってよいか、ウェブに載せてよいかです。
他人が撮った写真を、無断で使わないでください。
検索して出てきた画像も、同じです。
自由に使える素材を、探しましょう。
利用の条件を、必ず確認します。
許可の記録も、残しておきます。
効果を確かめる
配ったら、効果を確かめましょう。
申込のときに、何で知ったかを聞きます。
一行の欄を、申込書に設けるだけです。
どの配布先から来たかが、分かります。
効果のない配布先は、次から外せます。
効果のある場所には、枚数を増やします。
数回続ければ、精度が上がります。
感覚ではなく、数字で判断しましょう。
印刷の費用を、減らすこともできます。
作らないという選択
すべての事業に、チラシが要るわけではありません。
会員だけが対象なら、案内の手紙で足ります。
定員がすぐ埋まる催しも、同じです。
費用と手間を、かける意味がありません。
電子だけで届く相手なら、それで十分です。
作ること自体が、目的にならないよう注意します。
前回作ったから今回も、という判断は避けましょう。
誰に届けたいかから、逆算してください。
手段は、目的に従います。
配る時期を考える
いつ配るかも、効果を左右します。
早すぎると、忘れられます。
遅すぎると、予定が埋まっています。
1か月前から2週間前が、目安です。
公共の施設は、置ける期間が決まっている場合があります。
確認してから、時期を決めましょう。
学校を通す場合は、さらに早く動きます。
配布の依頼から実際に届くまで、日数がかかるためです。
締切から逆算して、印刷の日を決めます。
余裕を見ておくと、刷り直しにも対応できます。
手渡しがいちばん強い
置くだけでなく、手渡す機会も作りましょう。
関連する催しの会場が、その場です。
主催者に、あらかじめ相談します。
一言添えて渡すと、記憶に残ります。
会員に配ってもらう方法も、有効です。
知り合いから渡されたチラシは、読まれます。
総会や理事会で、数枚ずつ渡しましょう。
配る側も、活動を説明する機会になります。
置くだけの何倍もの効果が、あります。
人の手を、通してください。
残った在庫の扱い
刷りすぎたチラシが、必ず残ります。
日付が入っていれば、次には使えません。
第一に、刷る枚数を抑えます。
第二に、日付を入れない版も作る方法があります。
団体案内なら、何年でも使えます。
第三に、残った分は資源として処分します。
個人情報は入っていないはずですが、確認します。
第四に、次回の枚数の参考にします。
何枚余ったかを、記録しておきましょう。
毎回の記録が、精度を上げます。
掲示板と広報紙を使う
自分で配る以外の道も、あります。
第一に、自治会の回覧板です。
地域に、確実に届きます。
自治会長に、相談してみましょう。
第二に、市区町村の広報紙です。
市民活動の欄を、設けている自治体があります。
掲載の締切は、発行の1か月以上前です。
第三に、公共施設の掲示板です。
第四に、地域の情報紙です。
無料で載せてもらえる枠が、意外にあります。
文字の大きさに気を配る
読み手の年齢を、考えましょう。
高齢の方が対象なら、文字を大きくします。
本文で、12ポイント以上が目安です。
細い書体は、読みにくくなります。
背景に色を敷くと、文字が沈みます。
白地に黒が、いちばん読めます。
色で情報を分ける場合も、注意が要ります。
色の違いが分かりにくい人も、います。
形や位置でも、区別できるようにしましょう。
読めないチラシは、届いていないのと同じです。
問い合わせを受ける準備
チラシを配ると、問い合わせが来ます。
受ける準備を、先にしておきましょう。
第一に、電話に出られる人と時間を決めます。
第二に、よくある質問への答えを用意します。
第三に、申込を受けたときの手順を決めます。
第四に、記録の様式を用意します。
第五に、定員に達した場合の対応を決めます。
準備がないまま配ると、対応が滞ります。
最初の問い合わせで、印象が決まります。
配る前日までに、整えておきましょう。
チラシと広報物のまとめ
紙の広報物は、電子とは届く相手が違います。
作る前に、どこに何枚置くかを決めてください。
配布先が決まっていない印刷は、費用の無駄になります。
一番上に、誰に向けたものかを一行で書きます。
載せる情報は、日時・場所・対象と費用・申込に絞ります。
型を一つ作れば、次から中身の差し替えで済みます。
日付と電話番号は、必ず二人以上で確認しましょう。
申込書に「何で知ったか」の欄を設けて、効果を測ってください。
配る時期は、1か月前から2週間前が目安です。
置くだけでなく手渡す機会を作ると、効果は何倍にもなります。
自治会の回覧板や市区町村の広報紙も、使える枠です。
高齢の方が対象なら、本文は12ポイント以上にしましょう。
配る前日までに、問い合わせを受ける準備を整えてください。
よくある質問
A. 多くの場合、配り方が原因です。作る前にどこへ何枚置くかを決めていないと、事務所に山積みになります。配布先の一覧が、そのまま計画になります。
A. 誰に向けたものかを一行で示すことです。一番上に大きく書きます。団体名を最も大きくしないでください。読む人が知りたいのは、自分に関係あるかどうかです。
A. 日時、場所、対象と費用、申込の方法と締切、問い合わせ先です。この4つがあれば行動できます。理念や沿革は不要で、詳しくはウェブサイトへ誘導しましょう。
A. 部数で決めます。100枚程度なら手元の印刷機、中間支援組織の印刷機なら低額で大量に刷れます。1000枚を超えるなら業者が安くなります。
A. 期間と枚数、補充と回収の有無を伝えて丁寧に頼みます。公共の施設は申請の様式がある場合があるため、事前に確認してください。
A. 申込書に「何で知ったか」の欄を一行設けます。どの配布先から来たかが分かり、効果のない場所は次から外せます。感覚でなく数字で判断してください。
📖 参考にした公的機関の情報


