収支予算書とは?一般社団法人に作成義務はある?NPO法人の「活動予算書」・公益法人の収支予算書との違いを条文で整理

一般社団法人法
「収支予算書を出してください」と言われても、法人格によって、そもそも義務があるのか、名前は何なのかが違います。まず自分の法人がどこに当たるのかを確かめましょう。

結論から申し上げます。一般社団法人と一般財団法人には、収支予算書を作成しなければならないという条文はありません。一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下「一般法人法」)には「予算」という語が一度も出てきません。毎事業年度に作るのは計算書類と事業報告です(一般法人法123条2項)。

いっぽうで、公益社団法人・公益財団法人は、毎事業年度が始まる前日までに収支予算書を作り、行政庁へ提出する義務があります(公益認定法21条1項・22条1項)。そしてNPO法人の法律上の名前は「収支予算書」ではなく「活動予算書」で、必要になるのは設立の認証申請と、一部の定款変更の申請のときです(NPO法10条1項8号・25条4項)。

この記事では、収支予算書とは何かという話から始めて、法人格ごとの義務の有無、NPO法人で名前が変わった経緯、公益法人の収支予算書の区分と罰則、誰が閲覧できるのか、補助金の申請で求められる収支予算書との違いまでを、条文に沿って順に整理します。

収支予算書とは ― その事業年度に「いくら入り、いくら使う見込みか」を事業計画と対にして示す書類

収支予算書は、これから始まる事業年度について、法人がどれだけの収入を見込み、どの事業にどれだけの支出を予定しているかを、項目ごとに数字で示す書類です。会費収入、事業収入、補助金収入、寄付金収入といった入りの見込みと、事業費、管理費といった出の見込みを並べ、差し引きでどうなるかを示します。

収支予算書は単独で読む書類ではありません。事業計画書で「今年はこの事業を、この規模で行う」と書いた内容を、お金の面から裏づけるのが収支予算書の役割です。計画書に書いた事業が予算書に一行も出てこなかったり、予算書にだけ大きな支出があったりすると、どちらかが間違っていることになります。

決算書との関係で言えば、収支予算書は年度が始まる前に作る「見込み」、損益計算書(正味財産増減計算書)や活動計算書は年度が終わってから作る「実績」です。年度末に予算と実績を並べて差を説明できるようにしておくのが、予算書を作る実務上の意味です。

POINT 同じ「予算の書類」でも、一般社団・財団法人は法律上の義務なし、NPO法人は活動予算書という名前で設立時と一部の定款変更時、公益法人は毎事業年度の義務、と三者三様です。

法人格ごとの義務を先に一覧で見る

細かい説明に入る前に、全体像を表にまとめます。「作らなければならないか」「いつ作るか」「誰が見られるか」が、法人格によってまったく違うことが分かります。

一般社団法人・一般財団法人 NPO法人 公益社団法人・公益財団法人
法律上の名前 (規定なし) 活動予算書 収支予算書
作成義務 なし(定款で定めれば法人内部のルールになる) 設立認証の申請時・一部の定款変更の認証申請時 毎事業年度
何年度分か その年度と翌年度の2年分 当該事業年度分
期限 申請書に添付 事業年度開始の日の前日まで
行政への提出 所轄庁へ(申請書の添付書類) 行政庁へ提出(理事会等の承認を証する書類も添付)
見られる相手 縦覧(2週間)・社員その他の利害関係人・所轄庁での閲覧 何人も閲覧可・行政庁が公表
根拠 一般法人法123条(予算の規定なし) NPO法10条1項8号・10条2項・25条4項・28条3項 公益認定法21条1項・22条・施行規則45条・48条・56条

一般社団法人・一般財団法人に収支予算書の作成義務はない

一般法人法が毎事業年度の作成を求めているのは、計算書類(貸借対照表と損益計算書)、事業報告、そしてそれらの附属明細書です(123条2項)。一般財団法人も199条で同じ規定が準用されます。この法律の本則のどこにも「予算」「予算書」という語はありません。つまり、法律の側から収支予算書の作成や提出を求められることはありません。

ただし、義務がないことと作らなくてよいことは別です。多くの一般社団法人は、定款や理事会規程で「事業計画及び収支予算は、代表理事が作成し、理事会の承認を受ける」「社員総会の承認を受ける」といった定めを置いています。定款にこうした定めがあれば、それは法人内部のルールとして守らなければならず、承認を受けないまま支出を進めれば、定款違反の問題になり得ます。

自分の法人に作成の義務があるかどうかは、法律ではなく定款と規程を開いて確かめるのが正解です。予算の立て方そのもの(収入と支出の見積もり方、予備費の置き方など)は一般社団法人の予算の立て方で、事業計画書との組み合わせは一般社団法人の事業計画書の書き方で解説しています。

一般社団法人でも収支予算書が必要になる3つの場面

法律上の義務がなくても、外から収支予算書を求められる場面があります。一つめは公益認定の申請です。公益認定を受けようとする一般社団法人・一般財団法人は、申請書に定款とともに「事業計画書及び収支予算書」を添付しなければなりません(公益認定法7条2項2号)。さらに施行規則7条2項3号は、公益目的事業を行うのに必要な経理的基礎を示す書類として「事業計画書及び収支予算書に記載された予算の基礎となる事実を明らかにする書類」を挙げています。数字だけでなく、その数字の根拠まで説明を求められるということです。

二つめは補助金・助成金の申請です。交付元が事業ごとの収支予算書の提出を求めるのが一般的で、様式も交付元ごとに決まっています(後述)。三つめは金融機関からの借入れや、自治体・企業からの業務の受託です。法人に継続して事業を回す力があるかを確かめるために、事業計画とセットで予算の見込みを求められることがあります。

公益認定を目指すなら、公益法人になった瞬間から毎年の作成と提出が義務になります。一般社団法人の段階から、公益法人の収支予算書と同じ区分(後述の施行規則48条)で作っておくと、移行後の切り替えが楽になります。公益認定の全体像は一般社団法人から公益社団法人への移行一般財団法人が公益財団法人になるにはにまとめています。

NPO法人の法律上の名前は「活動予算書」 ― 設立時に2年分

NPO法人を設立するときは、設立認証の申請書に添付する書類をNPO法10条1項が1号から8号まで並べています。その7号が「設立当初の事業年度及び翌事業年度の事業計画書」、8号が「設立当初の事業年度及び翌事業年度の活動予算書」です(NPO法10条1項)。8号はかっこ書きで活動予算書を「その行う活動に係る事業の収益及び費用の見込みを記載した書類」と定義しています。

条文の言葉は「収入と支出」ではなく「収益と費用」です。お金の出入りそのものではなく、その年度の活動で生じる収益と費用の見込みを示す書類として位置づけられています。決算で作る活動計算書と同じ考え方で予算を組む、という設計です。

申請を受けた所轄庁は、申請のあった年月日などを公表するとともに、定款、役員名簿(住所又は居所の部分を除く)、設立趣旨書、事業計画書、活動予算書を、申請書を受理した日から2週間、公衆の縦覧に供します(NPO法10条2項)。設立時の活動予算書は、認証が出る前から一般の人の目に触れる書類だということです。書き方と2年分のそろえ方はNPO法人の事業計画書と活動予算書の書き方で、縦覧の流れはNPO法人の縦覧と認証審査で扱っています。

NPO法人は設立後も「活動の種類」を変える定款変更で2年分を出し直す

NPO法人の定款変更のうち、特定非営利活動の種類や事業の種類、目的、名称など一定の事項に係るものは、所轄庁の認証を受けなければ効力を生じません(NPO法25条3項)。

そのうえで、定款の変更が「その行う特定非営利活動の種類及び当該特定非営利活動に係る事業の種類」(11条1項3号)か「その他の事業」(同項11号)に係るものであるときは、変更の日の属する事業年度と翌事業年度の事業計画書と活動予算書を、認証申請書に併せて添付しなければなりません(25条4項)。新しい事業を始めるための定款変更では、設立時と同じように2年分の活動予算書を作り直すことになります。

名称の変更や、所轄庁の変更を伴わない事務所の移転など、事業の中身に関わらない変更では活動予算書は要りません。どの変更が認証を要し、どれが届出で済むのかはNPO法人の定款変更の手続きで、事業を追加するときの判断はNPO法人の事業の追加で解説しています。

場面 活動予算書 根拠
設立の認証申請 設立当初の事業年度と翌事業年度の2年分を添付 NPO法10条1項8号
申請後の縦覧 受理の日から2週間、公衆の縦覧に供される 同10条2項
活動の種類・事業の種類・その他の事業に係る定款変更 変更の日の属する事業年度と翌事業年度の2年分を添付 同25条4項
設立後、最初の事業報告書等ができるまで 社員その他の利害関係人の閲覧対象(所轄庁での閲覧も同じ扱い) 同28条3項1号・30条
毎事業年度 法律上の作成義務はない(定款の定めによる) 同28条1項に予算書の定めなし

NPO法人に「毎年の活動予算書」の義務はあるのか

NPO法人が毎事業年度初めの3か月以内に作る「事業報告書等」は、前事業年度の事業報告書、計算書類、財産目録、年間役員名簿、社員のうち10人以上の者の名簿です(NPO法28条1項)。ここに予算書は入っていません。所轄庁へ毎年提出するのも、この事業報告書等です(29条)。つまりNPO法人にも、毎年の活動予算書を作って所轄庁へ出すという法律上の義務はありません

ただし、設立してから最初の事業報告書等ができるまでの間は、設立時に出した事業計画書と活動予算書が、事業報告書等の代わりに閲覧の対象になります(28条3項1号のかっこ書き)。この扱いは所轄庁での閲覧・謄写(30条)にも及びます。設立1年目の法人にとっては、活動予算書が法人の顔として外から見られる書類になっているわけです。

毎年の予算については、多くのNPO法人が定款で「事業計画及び活動予算は、理事長が作成し、総会の議決を経なければならない」といった定めを置いています。定款にこの定めがあれば、年度が始まる前に総会(定款によっては理事会)の議決を得る必要があります。総会の資料の組み方はNPO法人の総会資料の作り方を参照してください。

なぜNPO法人だけ「活動予算書」なのか ― 2012年4月1日施行の改正で名前が変わった

NPO法人の予算書は、もともと「収支予算書」という名前でした。平成23年法律第70号による改正(2012年4月1日施行)で、NPO法10条1項8号の書類が「活動予算書」に改められ、決算の側でも収支計算書が「活動計算書」に改められました。お金の出入りを並べる形から、その年度の活動の収益と費用を示す形へ、予算と決算をそろえて切り替えた改正です。

この改正の附則には経過措置があります。当分の間、NPO法人は、活動予算書に代えて、改正前の法律の「収支予算書」を添付することができ、その収支予算書は活動予算書とみなされます(平成23年法律第70号附則3条2項・3項)。決算の側も同じで、当分の間は活動計算書に代えて収支計算書を作成し備え置くことができ、活動計算書とみなされます(同附則6条2項・3項)。

つまり、NPO法人が「収支予算書」という名前の様式で申請しても、それだけで法律違反になるわけではありません。ただし、所轄庁の多くは現在の手引きと様式を活動予算書で作っており、決算の活動計算書と区分をそろえたほうが、翌年以降の比較もしやすくなります。どちらの様式を使うかは、提出先の所轄庁の手引きに合わせるのが確実です。NPO法人の決算書類についてはNPO法人の会計と帳簿で扱っています。

公益法人は毎事業年度、開始の前日までに収支予算書を作って備え置く

公益社団法人・公益財団法人は、毎事業年度開始の日の前日までに、当該事業年度の事業計画書、収支予算書その他の内閣府令で定める書類を作成し、その事業年度の末日までの間、主たる事務所に、その写しを従たる事務所に備え置かなければなりません(公益認定法21条1項)。公益認定を受けた日の属する事業年度については、認定を受けた後遅滞なく作成します(同項かっこ書き)。

この「内閣府令で定める書類」は施行規則45条に4つ並んでいます。事業計画書、収支予算書、資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類、そして事業年度開始の日における公益目的事業の種類・内容と収益事業等の内容を記載した書類です。収支予算書はこの4点セットの一つとして扱われます。

作ったら行政庁へ提出します。期限は同じく事業年度開始の日の前日までです(22条1項)。提出は様式第四号の提出書に書類を添付して行い、その書類について理事会(社員総会や評議員会の承認を受けた場合はその機関)の承認を受けたことを証する書類も併せて添付します(施行規則56条)。3月決算の法人なら、3月中に理事会で翌年度の収支予算書を承認し、3月31日までに提出するのが年間の型です。定期提出の全体は公益法人の定期提出書類にまとめています。

書類(施行規則45条) 中身
① 事業計画書 当該事業年度に行う公益目的事業・収益事業等の計画
収支予算書 当該事業年度の予算。区分は施行規則48条で決まっている
③ 資金調達及び設備投資の見込みを記載した書類 借入れの予定や大きな設備投資の見込み
④ 事業年度開始の日における事業の種類・内容を記載した書類 公益目的事業の種類と内容、収益事業等の内容(認定法7条1項3号・4号の事項)

公益法人の収支予算書の区分は施行規則48条で決まっている

一般社団法人やNPO法人の予算書は様式が法定されていませんが、公益法人の収支予算書は区分が内閣府令で決められています。施行規則48条1項は、収支予算書に「経常収益」「事業費」「管理費」「経常外収益」「経常外費用」の区分を設けて表示しなければならないとしています。

事業費の区分には、「公益目的事業に係る事業費」と「収益事業等に係る事業費」の項目を設けなければなりません(同条2項)。さらに経常収益、経常外収益、経常外費用の区分については、公益目的事業に係る額を明らかにしなければなりません(同条3項)。各項目には内容を示す適当な名称を付けます(同条5項)。

そして同条6項は、公益法人が毎年作る損益計算書についても、この区分の例によるとしています。予算と決算が同じ物差しで並ぶように作られているということです。年度末に収支予算書と損益計算書を横に並べれば、公益目的事業にいくら使う予定で、実際にいくら使ったかがそのまま比べられます。なお、収益事業等を行わない一定の法人(公益認定法19条1項ただし書の適用を受ける法人)は、事業費の内訳の項目を設ける規定などの適用が外れます(施行規則48条6項ただし書)。

区分(施行規則48条1項) 設けるべき項目・表示のルール
一 経常収益 公益目的事業に係る額を明らかにする(3項)
二 事業費 「公益目的事業に係る事業費」「収益事業等に係る事業費」の項目を設ける(2項)
三 管理費 適当な項目に細分できる(1項後段)
四 経常外収益 公益目的事業に係る額を明らかにする(3項)。適当な名称を付けられる(4項)
五 経常外費用 公益目的事業に係る額を明らかにする(3項)。適当な名称を付けられる(4項)

公益法人の数字の見方は2025年4月の改正で大きく変わっています。年度をまたいだ収支の考え方は公益法人の中期的収支均衡で解説しています。

公益法人の収支予算書は「何人も」閲覧でき、行政庁が公表する

公益法人の収支予算書は内部資料ではありません。何人も、公益法人の業務時間内はいつでも、21条1項の書類(収支予算書を含む)、財産目録、定款、社員名簿、計算書類等の閲覧を請求でき、公益法人は正当な理由がないのにこれを拒んではなりません(公益認定法21条5項)。社員でも寄付者でもない第三者からの請求にも応じる義務があります。

さらに行政庁は、公益法人から提出を受けた財産目録等を、内閣府令で定めるところにより公表します(22条2項)。収支予算書は提出書類の一つなので、この公表の対象です。

この点がNPO法人との大きな違いです。NPO法人の活動予算書を法人に対して閲覧請求できるのは「社員その他の利害関係人」(NPO法28条3項)ですが、公益法人の収支予算書は請求できる人に限定がありません。閲覧請求への対応の実務は公益法人の情報公開と閲覧請求を参照してください。

公益法人が収支予算書を備え置かない・出さないとどうなるか

公益認定法には、収支予算書に関わる罰則が二段階で置かれています。まず備置きです。21条1項又は2項の規定に違反して、書類を備え置かず、記載すべき事項を記載せず、又は虚偽の記載をしたときは、30万円以下の罰金です(64条3号)。行為者を罰するほか、法人にも罰金刑が科されます(65条1項)。

次に提出です。22条1項の規定に違反して財産目録等を提出せず、又は虚偽の記載をして提出したときは、公益法人の理事、監事又は清算人が50万円以下の過料に処されます(66条2号)。

罰則以前に、提出が遅れれば行政庁の報告徴収や勧告の対象になり得ます。公益法人の監督の流れは公益法人の立入検査と勧告で解説しています。

違反 罰則 根拠
収支予算書を備え置かない・記載すべき事項を記載しない・虚偽の記載 30万円以下の罰金(行為者+法人) 公益認定法64条3号・65条1項
行政庁へ提出しない・虚偽の記載をして提出 理事・監事・清算人に50万円以下の過料 同66条2号

補助金・助成金の「収支予算書」は、法人格の書類とは別物

ここまで説明してきたのは、法律が法人に作成を求める書類としての収支予算書です。これとは別に、補助金や助成金の申請書類にも「収支予算書」「事業収支予算書」という名前の書類がよく出てきます。

こちらは法人全体の予算ではなく、申請する事業ひとつについて、収入(補助金・助成金、自己資金、参加費など)と支出(謝金、旅費、会場費、消耗品費など)の見込みを示すものです。様式、費目の区分、対象になる経費と対象外の経費は、交付元ごとの募集要項で決まっています。法人の年度予算の費目をそのまま流用すると、対象外経費が混ざって差し戻しの原因になります。

どちらの収支予算書を求められているのかは、提出先と様式を見れば分かります。行政庁や所轄庁に出すなら法人全体の予算書、交付元に出すなら事業単位の予算書です。助成金の申請書全体の組み方はNPO法人の助成金の申請書で、一般社団法人が使える補助金・助成金は一般社団法人は補助金・助成金を受けられる?で扱っています。

収支予算書を作るときの手順

どの法人格でも、収支予算書は次の順で作ると事業計画書と矛盾しにくくなります。まず、その年度に行う事業を事業計画書の単位で洗い出します。NPO法人なら定款に書いた事業の種類、公益法人なら公益目的事業と収益事業等の区分がそのまま予算の単位になります。

次に、事業ごとに収入と支出を見積もります。会費は会員数×会費額、事業収入は参加者数×単価のように、計算の根拠を残しておきます。公益認定の申請で「予算の基礎となる事実を明らかにする書類」を求められるのは、この根拠の部分です。

そのうえで、事務所の賃料や事務局の人件費など、事業に直接結びつかない費用を管理費としてまとめ、年度全体の差し引きを確認します。最後に、定款で定めた機関(理事会・社員総会・評議員会)の承認を、年度が始まる前に得ます。公益法人は承認を受けたことを証する書類を提出に添えるので、議事録の日付が事業年度開始の日の前日より前になっているかを必ず確かめてください。

作成前のチェックリスト

  • 自分の法人に作成義務があるか(公益法人=法律上の義務/一般社団・財団法人とNPO法人=定款・規程を確認)
  • 提出先の様式か(所轄庁の手引き・行政庁の様式・補助金の募集要項)
  • 事業計画書に書いた事業が、すべて予算の項目に出てくるか
  • NPO法人の申請なら2年分(その年度と翌年度)そろっているか
  • 公益法人なら施行規則48条の5区分と、公益目的事業に係る額の表示があるか
  • 承認の日付が事業年度開始の日の前日より前か

よくある間違いを4つ

一つめは「一般社団法人も毎年収支予算書を法務局や役所に出さなければならない」という思い込みです。一般法人法には予算書の作成義務も提出義務もありません。義務があるとすれば、それは定款や規程による法人内部のルールです。

二つめは、NPO法人の設立申請で予算書を1年分しか作らないことです。条文は「設立当初の事業年度及び翌事業年度」の2年分を求めています(NPO法10条1項8号)。定款変更で活動の種類を増やすときも同じく2年分です(25条4項)。

三つめは、公益法人が収支予算書を「年度が始まってから」理事会にかけることです。期限は事業年度開始の日の前日までで、提出には承認を受けたことを証する書類を添付します。四つめは、公益法人の収支予算書を内部資料だと考えて閲覧請求を断ることです。何人もの請求に応じる義務があり、正当な理由なく拒むことはできません(公益認定法21条5項)。

収支予算書についてよくある質問

Q. 一般社団法人に収支予算書の作成義務はありますか?

A. 法律上の義務はありません。一般法人法には予算書の規定がなく、毎事業年度に作成が義務づけられているのは計算書類・事業報告とその附属明細書です(123条2項)。ただし定款や規程で予算の作成と承認を定めていれば、そのルールに従う必要があります。

Q. NPO法人の活動予算書と収支予算書は何が違いますか?

A. 現行のNPO法で設立申請に添付する書類の名前は「活動予算書」で、事業の収益及び費用の見込みを記載した書類と定義されています(10条1項8号)。平成23年法律第70号の改正(2012年4月1日施行)で「収支予算書」から改められました。附則3条2項・3項により、当分の間は収支予算書を添付することもでき、その場合は活動予算書とみなされます。

Q. NPO法人は毎年、活動予算書を所轄庁に出す必要がありますか?

A. 法律上はありません。毎年所轄庁へ提出する事業報告書等(28条1項・29条)に予算書は含まれていません。必要になるのは設立の認証申請と、活動の種類や事業の種類に係る定款変更の認証申請のときです(10条1項8号・25条4項)。毎年の予算は定款の定めに従って総会等で議決します。

Q. 公益法人の収支予算書はいつまでに提出しますか?

A. 毎事業年度開始の日の前日までに作成し(公益認定法21条1項)、同じ期限までに行政庁へ提出します(22条1項)。3月決算なら3月31日までです。提出の際は理事会(社員総会・評議員会で承認した場合はその機関)の承認を受けたことを証する書類を添付します(施行規則56条)。

Q. 公益法人の収支予算書にはどんな区分が必要ですか?

A. 経常収益・事業費・管理費・経常外収益・経常外費用の5区分です(施行規則48条1項)。事業費には公益目的事業に係る事業費と収益事業等に係る事業費の項目を設け(同条2項)、経常収益・経常外収益・経常外費用は公益目的事業に係る額を明らかにします(同条3項)。

Q. 公益法人の収支予算書は誰が見られますか?

A. 何人も、業務時間内はいつでも閲覧を請求でき、公益法人は正当な理由がないのに拒めません(公益認定法21条5項)。行政庁に提出された書類は行政庁が公表します(22条2項)。

Q. 補助金の申請で求められる収支予算書は、法人の予算書と同じものでよいですか?

A. 別物と考えてください。補助金・助成金の収支予算書は申請する事業ひとつについての見込みで、様式や対象になる経費は交付元の募集要項で決まっています。法人全体の予算書をそのまま流用すると、対象外の経費が混ざる原因になります。

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