NPO法人の設立前にやること|書類より先に固める4つ

一般社団法人法
設立の書類を書き始める前に、やっておくことがあります。

NPO法人を作ろうと決めたら、すぐ書類に取りかかりたくなるものです。

しかし、その前に固めておくことがあります。

ここを飛ばすと、後で作り直しになります。

この記事では、設立前の準備を解説します。

POINT 結論:設立の前に固めるのは、目的・仲間・事業・お金の見通しの4つです。社員10人と役員4人が必要なため、人を集めることが最初の関門になります。所轄庁への事前の相談も、書類を書き始める前に済ませてください。

書類より先に決めること

設立の書類は、決めたことを写す作業です。

決まっていなければ、書けません。

第一に、何のための団体かです。

第二に、誰と一緒にやるかです。

第三に、何を事業として行うかです。

第四に、お金の見通しです。

この4つが、書類のすべての土台になります。

書きながら考えると、矛盾が生じます。

先に決めて、それから書きましょう。

目的を一文にする

まず、団体の目的を一文にします。

誰の、どんな課題に、どう取り組むかです。

長い文章は、要りません。

一文で言えないなら、まだ固まっていません。

この一文が、定款の目的の条項になります。

設立趣旨書の、芯にもなります。

仲間を誘うときの、説明にもなります。

助成金の申請でも、同じ一文を使います。

時間をかけて、練りましょう。

決めること 内容 書類での使い先
目的 誰のどんな課題に取り組むか 定款・設立趣旨書
仲間 社員10人以上 社員名簿
役員 理事3人以上・監事1人以上 役員名簿・就任承諾書
事業 20分野のどれに当たるか 定款・事業計画書
活動地域 どこで活動するか 所轄庁の決定
お金 初年度の収入と支出の見込み 活動予算書

人を集める

いちばんの関門が、人です。

社員が、10人以上必要になります。

ここでいう社員は、総会で議決権を持つ人です。

働く人という意味では、ありません。

さらに、理事が3人以上要ります。

監事も、1人以上必要です。

理事と監事は、兼ねられません。

親族の制限も、あります。

名前だけ借りる形は、避けましょう。

総会が成立しなくなり、運営が止まります。

仲間の集め方

10人は、意外に高い壁です。

第一に、活動の趣旨を説明する場を作ります。

第二に、既に関わっている人から声をかけます。

第三に、中間支援組織に相談します。

第四に、同じ分野の団体に紹介を頼みます。

第五に、地域の集まりで話します。

説明の資料を、一枚作っておきましょう。

目的、事業、必要な人数、求める関わり方です。

口頭だけだと、伝わり方がばらつきます。

断られることも、前提にしてください。

設立前に固めること

  • 目的を一文で言えるか
  • 社員が10人以上集まっているか
  • 理事3人以上・監事1人以上がいるか
  • 理事と監事を兼ねていないか
  • 事業が20分野のどれに当たるか
  • 活動する地域
  • 事務所をどこに置くか
  • 初年度の収入と支出の見込み
  • 事業年度をいつからいつまでにするか
  • 所轄庁に事前に相談したか

分野を確かめる

事業が、20分野のどれに当たるかを確かめます。

当たらない活動は、主たる事業にできません。

第一に、内閣府の一覧で確認します。

第二に、複数の分野にまたがっても構いません。

第三に、定款には分野の文言をそのまま書きます。

第四に、その他の事業を行う場合は分けて書きます。

第五に、迷ったら所轄庁に聞きましょう。

分野の当てはめは、審査で必ず見られます。

実際にやることと、ずれないようにします。

所轄庁に事前に相談する

書類を書き始める前に、相談に行きましょう。

所轄庁は、都道府県か指定都市です。

事務所の場所で、決まります。

第一に、様式と手引きをもらいます。

第二に、分野の当てはめを確認します。

第三に、受付の時期と流れを聞きます。

第四に、よくある不備を教えてもらいます。

第五に、認証までの期間を確認します。

相談してから書くほうが、結果的に早く済みます。

書いた後で全面的に直すのは、大きな負担です。

任意団体として試す

いきなり法人にしなくても、構いません。

任意団体として、活動を始める道があります。

第一に、実績ができます。

第二に、仲間が集まりやすくなります。

第三に、事業の中身が固まります。

第四に、続けられるかが分かります。

第五に、設立の書類が具体的に書けます。

法人にしてから活動を考えると、順序が逆です。

1年ほど動いてから、判断する形も有効です。

中間支援組織にも、任意団体で登録できる場合があります。

法人にする必要があるか

そもそも、法人にする必要を確かめましょう。

第一に、契約の主体になれます。

事務所を借りる、口座を作るといった場面です。

第二に、信用が高まります。

第三に、助成金の対象になる場合があります。

第四に、行政との協働で求められることがあります。

一方、負担も生じます。

毎年の報告、登記、事務の手間です。

必要がないなら、任意団体のままでも構いません。

目的から、判断しましょう。

お金の見通しを立てる

初年度の見通しを、立てておきます。

第一に、収入の見込みです。

会費、寄付、事業の収入、助成金です。

第二に、支出の見込みです。

場所、通信、印刷、交通、保険などです。

第三に、当面の運転資金です。

収入が入るまでの間を、持ちこたえる必要があります。

第四に、誰が立て替えるかを決めます。

第五に、返す方法も決めておきます。

曖昧なまま始めると、後で必ずもめます。

事業年度と設立の時期

事業年度を、いつからにするかを決めます。

4月から3月とする団体が、多く見られます。

第一に、活動の周期に合わせる考え方があります。

第二に、行政の年度に合わせる考え方もあります。

助成金の周期と、合わせやすくなります。

第三に、設立の時期も影響します。

認証には、申請から3か月ほどかかります。

縦覧の期間も、含まれます。

認証書が届いてから、2週間以内に登記します。

逆算して、動き出す時期を決めましょう。

名称を考える

名称も、早めに考えておきます。

第一に、特定非営利活動法人という文字を入れます。

第二に、他の法人と紛らわしい名称は避けます。

第三に、何をする団体か分かる名称が有利です。

第四に、読み方が難しい名称は広まりません。

第五に、同じ名称の団体がないか調べます。

登記や、検索で確認できます。

商標の登録の有無も、確認しておきましょう。

後から変えるには、定款変更と登記が必要です。

最初に、時間をかけて決めることです。

事務所をどこに置くか

事務所の場所も、先に決めます。

所轄庁が、この場所で決まるためです。

第一に、代表者の自宅にする形が多く見られます。

第二に、賃貸なら契約の確認が要ります。

第三に、住所が公開される点に注意します。

第四に、郵便を確実に受け取れるかを見ます。

第五に、書類を備え置ける場所かを確かめます。

複数の都道府県に事務所を置くと、所轄庁が変わります。

最初は、一か所で始めるのが簡単です。

役割を決めておく

誰が何をするかも、先に話しておきます。

第一に、代表になる人を決めます。

第二に、事務を担う人を決めます。

第三に、お金を扱う人を決めます。

第四に、記録を残す人を決めます。

第五に、対外的な窓口を決めます。

一人に集中すると、必ず続かなくなります。

設立の作業自体も、分担しましょう。

書類、人集め、相談、資金の4つに分けられます。

進み具合を共有する場も、決めておきます。

設立総会に向けて

準備が整ったら、設立総会を開きます。

第一に、日程と場所を決めます。

第二に、社員になる人全員に案内します。

第三に、議案を用意します。

定款、事業計画、活動予算、役員の選任です。

第四に、議事録を作る人を決めます。

第五に、就任承諾書を当日に集めます。

この総会の議事録が、申請の書類になります。

内容と、日付を正確に残しましょう。

ここから、申請の手続きが始まります。

準備にかかる期間

準備には、時間がかかります。

第一に、人を集めるのに数か月かかります。

第二に、事業の中身を固めるのに数か月です。

第三に、書類を作るのに1か月ほどです。

第四に、認証の審査に3か月ほどかかります。

第五に、登記に2週間の期限があります。

合わせて、半年から1年を見込みましょう。

急ぐと、どこかで無理が生じます。

始めたい時期から、逆算して動き出すことです。

やらないほうがよいこと

準備の段階で、避けたいことがあります。

第一に、頭数のためだけに社員を集めることです。

第二に、実態のない事業を定款に書くことです。

第三に、費用を一人が全部立て替えることです。

第四に、口約束で役割を決めることです。

第五に、所轄庁に相談せずに書き上げることです。

いずれも、後で必ず問題になります。

設立の時に手を抜いた点は、数年後に表面化します。

面倒でも、順序どおり進めましょう。

設立の費用を見込む

設立そのものにも、費用がかかります。

第一に、登記の費用です。

NPO法人は、登記の登録免許税がかかりません。

第二に、書類を集める費用です。

住民票などを、役員の分だけ取ります。

第三に、印鑑を作る費用です。

第四に、通信と交通の費用です。

所轄庁へ何度か足を運ぶことになります。

第五に、専門家に頼む場合の費用です。

自分で進めれば、少額で済みます。

誰が立て替えるかを、先に決めておきましょう。

設立前にやることのまとめ

書類を書く前に、目的・仲間・事業・お金を固めましょう。

目的は、一文で言える形にします。

社員10人以上、理事3人以上、監事1人以上が必要です。

理事と監事は兼ねられず、親族の制限もあります。

事業が20分野のどれに当たるかを確かめてください。

書類を書き始める前に、所轄庁に相談しましょう。

任意団体として1年ほど試してから判断する道もあります。

初年度の収入と支出、当面の運転資金を見通しておきます。

事務所の場所で、所轄庁が決まります。

設立の費用は少額で済みますが、誰が立て替えるかを先に決めましょう。

準備から登記まで、半年から1年を見込んでください。

よくある質問

Q. 設立前に何を決めればいい?

A. 目的、仲間、事業、お金の見通しの4つです。この4つが書類のすべての土台になります。決まっていないまま書き始めると、矛盾が生じます。

Q. 何人必要?

A. 社員が10人以上、理事が3人以上、監事が1人以上です。理事と監事は兼ねられません。親族の制限もあります。

Q. 社員とは働く人のこと?

A. 違います。総会で議決権を持つ人のことです。雇われて働く人という意味ではありません。

Q. 所轄庁への相談は必要?

A. 書類を書き始める前に行きましょう。様式と手引き、分野の当てはめ、受付の流れ、よくある不備を教えてもらえます。書いた後で全面的に直すより早く済みます。

Q. いきなり法人にすべき?

A. 任意団体として1年ほど活動してから判断する道もあります。実績ができ、仲間が集まりやすくなり、設立の書類も具体的に書けるようになります。

Q. どれくらい時間がかかる?

A. 人集めと事業を固めるのに数か月、書類の作成に1か月、認証の審査に3か月ほどです。登記は認証書が届いてから2週間以内です。半年から1年を見込んでください。

Q. 事務所はどこでもいい?

A. 事務所の場所で所轄庁が決まります。代表者の自宅にする団体が多く見られますが、住所が公開される点、郵便を受け取れるか、書類を備え置けるかを確認してください。


この記事の位置づけ

本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。

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