NPO法人の事業で、必要な人に届かないという壁があります。
案内は出している。それでも来ません。
来る人は、既に情報を得られる人です。
この記事では、届かない原因と対策を解説します。
来る人と来ない人
まず、事実を確かめます。
来ている人は、どういう人でしょうか。
第一に、情報を探せる人です。
第二に、動ける余裕がある人です。
第三に、既につながりがある人です。
第四に、助けを求められる人です。
いずれも、大切な力を持っています。
一方、それがない人は来られません。
本当に困っている人ほど、この4つを欠きます。
来ないことを、関心がないと読まないでください。
届かない5つの理由
届かない理由を、分けて考えます。
第一に、情報が目に入らない場合です。
第二に、目に入っても自分事と思わない場合です。
第三に、思っても行けない場合です。
時間、距離、費用、体調です。
第四に、行けても言い出せない場合です。
恥ずかしさや、迷惑をかける気持ちです。
第五に、過去に嫌な経験がある場合です。
窓口で断られた記憶などです。
どの段階で止まっているかで、対策が変わります。
まとめて考えると、外します。
| 止まっている段階 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 目に入らない | 経路が違う | 相手が接する場所に置く |
| 自分事にならない | 呼びかけが一般的すぎる | 対象を具体的に書く |
| 行けない | 時間・距離・費用・体調 | 出向く・時間帯を変える |
| 言い出せない | 恥ずかしさ・遠慮 | 相談の形を変える |
| 過去の経験 | 断られた記憶 | 関係のある人から声をかける |
経路を変える
いちばん効くのが、経路の変更です。
団体の案内を、探す人はいません。
第一に、その人が既に行く場所を考えます。
医療機関、薬局、学校、商店などです。
第二に、その場所に置かせてもらいます。
第三に、そこの人にも説明します。
相談を受けたときに、思い出してもらうためです。
第四に、行政の窓口にも置きます。
第五に、他団体にも紹介を頼みます。
待つのではなく、置きに行きましょう。
つなぐ人を増やす
本人に届かなくても、周りには届きます。
第一に、家族です。
第二に、近所の人です。
第三に、仕事で関わる人です。
医療、福祉、教育の現場の人です。
第四に、商店や、地域の集まりの人です。
第五に、行政の担当者です。
こうした人に知ってもらうと、つないでもらえます。
本人が動けなくても、誰かが動きます。
広報の相手を、本人だけに絞らないことです。
- どの段階で止まっているか
- 対象の人が、普段どこに行くか
- そこに情報を置けるか
- 呼びかけの言葉が具体的か
- 費用がかかると書いていないか
- 時間帯が合っているか
- 申し込みの方法が多すぎないか
- 一度で断らない形になっているか
- つなぐ人に説明しているか
- 来なかった人の理由を聞いたか
呼びかけの言葉を変える
言葉一つで、届き方が変わります。
第一に、対象を具体的に書きます。
第二に、困りごとの言葉で書きます。
制度の名前では、自分事になりません。
第三に、支援という言葉を避ける場合もあります。
受ける側と思われたくない人が、います。
第四に、誰でもどうぞ、を控えます。
絞るほど、当てはまる人に届きます。
第五に、実際に来た人の言葉を使います。
同じ立場の言葉が、いちばん響きます。
行きやすさを整える
行こうと思っても、行けない場合があります。
第一に、時間帯を見直します。
平日の昼は、働く人が来られません。
第二に、場所を見直します。
交通の便と、段差です。
第三に、費用の有無を明示します。
いくらかかるか分からないと、来られません。
第四に、託児や送迎の有無を書きます。
第五に、途中で帰ってよいと伝えます。
第六に、一人で来てよいと書きます。
不安の一つずつを、先に消します。
こちらから出向く
来てもらうのが難しいなら、出向きます。
第一に、既にある集まりに出ます。
地域の会合、他団体の催しなどです。
第二に、そこで短い時間をもらいます。
第三に、相談の場を出張で開きます。
第四に、訪問という形もあります。
第五に、電話で受ける形も用意します。
第六に、書面でのやり取りも認めます。
来られる人だけを対象にすると、届く範囲が狭くなります。
出向くほうが、結果的に効率的な場合があります。
言い出しやすい形にする
相談の形も、工夫できます。
第一に、相談という名前を使わない方法があります。
お茶の会、集まりといった形です。
第二に、他の用件と合わせます。
物を受け取りに来るついで、などです。
第三に、匿名で聞ける窓口を作ります。
第四に、電話や文字でも受けます。
対面が、いちばん重い場合があります。
第五に、待たずに済む形にします。
第六に、一度で終わらせず、次を用意します。
入口を軽くすることが、いちばん効きます。
一度で断らない
来た人を、逃さない工夫も要ります。
第一に、対象外でも話を聞きます。
第二に、つなぎ先を必ず示します。
第三に、また来てよいと伝えます。
第四に、断る場合も理由を丁寧に説明します。
第五に、断られた記憶は長く残ります。
一度断られた人は、二度と来ません。
第六に、他の団体を紹介できるようにします。
つなぐ先の一覧を、用意しておきましょう。
断り方が、団体の評判を作ります。
来なかった人を追う
申し込んで来なかった人も、情報です。
第一に、人数を記録します。
第二に、可能なら理由を聞きます。
第三に、当日の連絡がしやすい形にします。
第四に、来られなかった人に次の案内を送ります。
第五に、理由に傾向があるかを見ます。
時間帯、場所、費用に集中するはずです。
第六に、次回の設計に反映します。
来た人だけを見ていると、改善できません。
来なかった理由に、答えがあります。
信頼は時間で作る
届くようになるには、時間がかかります。
第一に、続けていることが信用になります。
第二に、地域に顔が知られると変わります。
第三に、一度関わった人が、次の人を連れてきます。
第四に、つないでくれる人との関係が育ちます。
第五に、実績が紹介の材料になります。
一年目で届かないのは、当たり前です。
第六に、やめないことが、いちばんの対策です。
短期で判断せず、続けましょう。
数年かけて、届くようになります。
届いたかを確かめる
効果は、数字で確かめます。
第一に、参加した人数を記録します。
第二に、何で知ったかを聞きます。
第三に、初めての人の割合を見ます。
同じ人ばかりなら、広がっていません。
第四に、経路ごとの人数を比べます。
第五に、効かない経路は次からやめます。
第六に、効いた経路を厚くします。
感覚ではなく、数字で判断しましょう。
申込書の一行が、その材料になります。
できないことも認める
すべての人には、届きません。
第一に、一団体の力には限りがあります。
第二に、届かない層があると認めます。
第三に、その層に届く団体を探します。
第四に、つなぐ関係を作ります。
第五に、行政に課題として伝えます。
第六に、自分たちの範囲を決めます。
全部を抱えると、担い手が倒れます。
できる範囲を守ることも、続けるための条件です。
届かない事実は、提言の材料にもなります。
紙の案内が効く相手
電子だけに頼ると、届かない層があります。
第一に、高齢の方には紙が確実です。
第二に、機器を持たない人もいます。
第三に、費用の面で使えない人もいます。
第四に、文字を読むのが難しい人もいます。
図や、大きな文字を使いましょう。
第五に、日本語が第一の言語でない人もいます。
第六に、やさしい言葉で書く工夫もあります。
届かない層を、想像してみてください。
自分と同じ条件の人だけを、思い浮かべないことです。
他団体と役割を分ける
一団体で、全部を担う必要はありません。
第一に、届く層が団体ごとに違います。
第二に、互いに紹介し合えます。
第三に、合同で案内を作る方法もあります。
一枚に複数の団体を載せる形です。
第四に、受け取る側の選択肢が増えます。
第五に、費用も分担できます。
第六に、中間支援組織に音頭を頼めます。
団体名を並べるより、困りごとで並べると届きます。
相手が探しているのは、団体ではありません。
必要な人に届かないときのまとめ
届かない原因の多くは、告知の量ではなく経路にあります。
来る人は、情報を探せて動ける人です。来ないことを無関心と読まないでください。
どの段階で止まっているかを、まず分けて考えます。
目に入らない、自分事にならない、行けない、言い出せない、過去の経験の5つです。
その人が既に行く場所へ、こちらから情報を置きに行きましょう。
本人に届かなくても、家族や周りの人には届きます。
呼びかけは、制度の名前でなく困りごとの言葉で書いてください。
時間帯、費用、段差、託児など、不安を一つずつ先に消します。
来てもらうのが難しいなら、こちらから出向く方法もあります。
一度断られた人は二度と来ません。断り方が団体の評判を作ります。
電子だけに頼らないでください。紙が確実な相手が、必ずいます。
他団体と合同で案内を作り、団体名でなく困りごとで並べると届きます。
来なかった人の理由に、次の答えがあります。
よくある質問
A. 原因の多くは量ではなく経路です。困っている人は団体の案内を探していません。その人が既に行く場所へ、こちらから情報を置きに行ってください。
A. 違います。来ている人は、情報を探せて、動ける余裕があって、つながりがあって、助けを求められる人です。本当に困っている人ほど、この4つを欠きます。
A. 対象の人が普段行く場所です。医療機関、薬局、学校、商店、行政の窓口などです。そこの人にも説明しておくと、相談を受けたときに思い出してもらえます。
A. 対象を具体的に、困りごとの言葉で書いてください。制度の名前では自分事になりません。誰でもどうぞ、は控えます。絞るほど、当てはまる人に届きます。
A. こちらから出向く方法があります。既にある集まりに出る、出張で相談の場を開く、訪問する、電話や書面でも受ける。来られる人だけを対象にすると、範囲が狭くなります。
A. 入口を軽くしてください。相談という名前を使わない、他の用件と合わせる、匿名で聞ける窓口を作る、電話や文字でも受ける。対面がいちばん重い場合があります。
A. 数年かかります。続けていることが信用になり、一度関わった人が次の人を連れてきます。一年目で届かないのは当たり前です。やめないことが、いちばんの対策です。
A. よくありません。高齢の方、機器を持たない人、費用の面で使えない人、文字を読むのが難しい人がいます。自分と同じ条件の人だけを思い浮かべないでください。
A. 参加した人数、何で知ったか、初めての人の割合を記録します。同じ人ばかりなら広がっていません。経路ごとの人数を比べ、効かない経路は次からやめましょう。
A. 一団体の力には限りがあります。届かない層があると認め、その層に届く団体を探してつなぎましょう。届かない事実は、行政への提言の材料にもなります。
📖 参考にした公的機関の情報


