NPO法人が講座を開くとき、中身の作り方で悩みます。
会場や告知の話は、よく語られます。
一方、何をどの順で扱うかは手探りになりがちです。
この記事では、講座の組み立て方を解説します。
伝えたいことから作らない
いちばん多い失敗から、始めます。
第一に、伝えたいことを並べてしまいます。
第二に、量が増えます。
第三に、話す時間が長くなります。
第四に、聞くだけの時間になります。
第五に、翌日には忘れられます。
専門的な内容ほど、この形になりがちです。
第六に、順序を逆にしましょう。
相手が持ち帰るものから、逆算します。
そこから、扱う内容が決まります。
持ち帰るものを一文で決める
企画の起点になる作業です。
第一に、終わったときの状態を書きます。
第二に、何ができるようになるかです。
第三に、何が分かるようになるか、でも構いません。
第四に、一文でまとめます。
第五に、欲張らないでください。
一回の講座で持ち帰れるのは、一つか二つです。
第六に、この一文を案内にも書きます。
参加する人が、期待を持てます。
来る前と後の差が、講座の価値です。
| 時間の使い方 | 割合の目安 | 効果 |
|---|---|---|
| 話を聞く | 半分以下 | 知識は入るが残りにくい |
| 手を動かす | 3割ほど | 体で覚える |
| 話し合う | 2割ほど | 自分の言葉になる |
| 質問の時間 | 1割ほど | 疑問が解ける |
| まとめと持ち帰り | 最後の10分 | 定着する |
| 休憩 | 90分に一度 | 集中が戻る |
話す時間を減らす
設計で、最も効く工夫です。
第一に、話す時間を半分以下にします。
第二に、残りを手を動かす時間にします。
第三に、話し合う時間も入れます。
第四に、聞くだけの90分は、長すぎます。
第五に、20分ごとに区切ります。
話す、書く、話し合うの順です。
第六に、講師にも事前に伝えます。
一方的に話す形を、想定している場合があります。
進め方を、先に相談しましょう。
- 持ち帰るものを一文で決めたか
- 対象を絞ったか
- 話す時間が半分以下か
- 手を動かす時間を入れたか
- 話し合う時間を入れたか
- 20分ごとに区切ったか
- 持ち帰る紙を用意したか
- 最初に全体の流れを伝えるか
- 質問の時間を確保したか
- 感想を書いてもらう時間があるか
対象を絞る
内容の前に、決めることです。
第一に、誰に向けた講座かを決めます。
第二に、初めての人か、経験のある人かです。
第三に、両方を対象にすると、どちらにも合いません。
第四に、案内にも明記します。
第五に、前提となる知識も書きます。
第六に、絞るほど、内容が具体的になります。
誰でもどうぞ、では設計できません。
一人の顔を思い浮かべて、作りましょう。
その人に届けば、似た人にも届きます。
最初に全体を伝える
始まりの5分の使い方です。
第一に、今日の流れを伝えます。
第二に、終わる時間も伝えます。
第三に、持ち帰るものを伝えます。
第四に、質問はいつでも、と伝えます。
第五に、休憩の時期も伝えます。
第六に、参加する人の緊張が下がります。
見通しがあると、集中できます。
第七に、紙にも書いて配ります。
口頭だけでは、覚えていられません。
手を動かす時間
知識を、自分のものにする時間です。
第一に、書く作業を入れます。
第二に、自分の団体に当てはめてもらいます。
第三に、様式を用意します。
空欄を埋める形が、いちばん取り組みやすい形です。
第四に、時間を区切ります。
5分から10分で、十分です。
第五に、書けなくてもよいと伝えます。
第六に、書いたものは持ち帰ってもらいます。
手を動かした内容は、記憶に残ります。
聞くだけの時間との差は、大きいものです。
話し合う時間
定着に、最も効く時間です。
第一に、2人か3人で話してもらいます。
第二に、全体での発表は求めません。
発表があると、話しにくくなります。
第三に、話す内容を指定します。
自分の団体ではどうか、といった形です。
第四に、5分で区切ります。
第五に、進行役が回ります。
第六に、出た話を全体に一つ二つ紹介します。
人に説明すると、自分の言葉になります。
これが、いちばん残ります。
持ち帰る紙を用意する
終わった後に、効いてくる工夫です。
第一に、要点をまとめた紙を配ります。
第二に、A4で1枚から2枚です。
第三に、書き込める余白を残します。
第四に、その日に書いたものも持ち帰ってもらいます。
第五に、次に何をするかの欄を作ります。
第六に、連絡先も入れます。
後で質問が来る場合があります。
第七に、団体案内も添えます。
紙が残れば、講座も残ります。
質問を出しやすくする
質問は、放っておくと出ません。
第一に、途中で区切って聞きます。
最後にまとめて、では出にくくなります。
第二に、紙に書いてもらう方法もあります。
第三に、隣の人と話してから聞く形も有効です。
第四に、よくある質問を先に紹介します。
聞いてよい範囲が、伝わります。
第五に、どんな質問も否定しません。
第六に、その場で答えられないものは持ち帰ります。
後日、回答を送る形にします。
正直に答えるほうが、信用されます。
時間を守る
当たり前ですが、守られないことが多い点です。
第一に、終わる時間を必ず守ります。
第二に、そのために内容を減らします。
第三に、盛り込みすぎが、いちばんの原因です。
第四に、時間を見る担当を置きます。
講師に、合図を送る役です。
第五に、押した場合は後半を削ります。
第六に、まとめの時間だけは必ず残します。
最後の10分が、いちばん定着する時間です。
ここを削ると、講座全体が薄くなります。
連続の講座にする場合
複数回に分ける形もあります。
第一に、回ごとの目標を決めます。
第二に、前回の振り返りから始めます。
第三に、宿題を出す方法もあります。
重すぎない範囲にします。
第四に、途中から来る人も想定します。
第五に、休んだ人に資料を送ります。
第六に、最終回にまとめの時間を厚く取ります。
第七に、終わった後のつながりも用意します。
連続にすると、関係が深まります。
会員になってもらえる場面も、増えます。
講師に伝えること
外部に頼む場合の、事前の相談です。
第一に、対象を伝えます。
第二に、持ち帰ってほしいものを伝えます。
第三に、話す時間の目安も伝えます。
第四に、手を動かす時間を入れたい旨を伝えます。
第五に、資料の提出の期限を伝えます。
第六に、当日の進行も共有します。
第七に、参加する人の予備知識も伝えます。
任せきりにすると、想定と違う講座になります。
事前の1時間が、当日を決めます。
相談は、早いほど良いものです。
振り返って次に生かす
終わった後の作業です。
第一に、感想の用紙をその場で集めます。
第二に、持ち帰るものが伝わったかを見ます。
第三に、時間の配分が適切だったかを見ます。
第四に、進行した側の実感も記録します。
第五に、講師にも感想を伝えます。
第六に、次回の設計に反映します。
第七に、資料と様式は保管します。
一度作った講座は、何度でも使えます。
型ができれば、次からの負担が減ります。
記録を、残しておきましょう。
自分たちで話す場合
外部に頼まず、自分たちで話す形もあります。
第一に、現場の経験がいちばんの材料です。
第二に、具体的な事例を軸にします。
第三に、一般論より、実際にあった話が届きます。
第四に、ただし個人が特定される形は避けます。
第五に、複数の事例をまとめる方法もあります。
第六に、専門的な判断には踏み込みません。
制度の解釈や、法律の判断です。
第七に、必要なら専門家につなぎます。
経験を語ることと、判断を示すことは違います。
その線引きだけは、守りましょう。
参加する人の様子を見る
当日、進めながら確かめることです。
第一に、顔を上げているかを見ます。
第二に、手が動いているかを見ます。
第三に、うなずきが減ったら、内容が難しすぎます。
第四に、その場で言い換えます。
第五に、進む速さも調整します。
第六に、休憩を早める判断もあります。
第七に、予定どおり進めることが目的ではありません。
伝わることが、目的です。
台本を作ったうえで、外れる勇気も要ります。
相手を見ながら、進めましょう。
費用と参加費
お金の面も、決めておきます。
第一に、会場と講師の費用を出します。
第二に、資料の印刷の費用も加えます。
第三に、合計から参加費を考えます。
第四に、無料にするなら財源を決めます。
会費、寄付、助成金などです。
第五に、参加費があると、欠席が減る面もあります。
第六に、一方で来にくくなる人もいます。
第七に、対象によって判断します。
免除の仕組みを、用意する方法もあります。
会計や税務の取扱いは、専門家に確認してください。
講座の中身を作るまとめ
講座は、伝えたいことではなく持ち帰るものから逆算します。
終わったときに何ができるようになるか、を一文で決めてください。
一回で持ち帰れるのは、一つか二つです。欲張らないでください。
対象を絞りましょう。誰でもどうぞ、では設計できません。
話す時間を半分以下にし、手を動かす時間と話し合う時間を入れます。
20分ごとに、話す・書く・話し合うで区切ります。
話し合いは2人か3人で。全体での発表は求めないでください。
要点をまとめた紙を配り、書き込める余白を残します。
質問は途中で区切って聞き、答えられないものは後日返します。
終わる時間を守るために、内容を減らしてください。
自分たちで話すなら、現場の事例が最大の材料です。ただし判断には踏み込みません。
当日はうなずきが減ったら難しすぎる合図です。台本から外れる勇気も要ります。
費用を合計してから参加費を決め、無料にするなら財源を先に決めましょう。
まとめの最後の10分だけは、必ず残しましょう。
よくある質問
A. 持ち帰るものを一文で決めてください。終わったときに何ができるようになるかです。伝えたいことから並べると、量が増えて聞くだけの時間になります。
A. 一回で持ち帰れるのは、一つか二つです。盛り込みすぎが、時間が押すいちばんの原因になります。
A. 半分以下です。残りを手を動かす時間と話し合う時間にします。聞くだけの90分は長すぎます。20分ごとに、話す・書く・話し合うで区切りましょう。
A. 2人か3人で、5分区切りです。全体での発表は求めないでください。発表があると話しにくくなります。出た話を、進行役が一つ二つ全体に紹介します。
A. 最後にまとめて聞くと出ません。途中で区切る、紙に書いてもらう、隣の人と話してから聞く。よくある質問を先に紹介すると、聞いてよい範囲が伝わります。
A. 内容を減らしてください。時間を見る担当を置き、押したら後半を削ります。ただし、まとめの最後の10分だけは必ず残します。いちばん定着する時間です。
A. 対象、持ち帰ってほしいもの、話す時間の目安、手を動かす時間を入れたい旨を事前に伝えます。任せきりにすると、想定と違う講座になります。
本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。
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