NPO法人の活動を伝えるとき、数字が要ります。
報告書、助成金の申請、行政への提案でです。
ところが、数えていないと後から作れません。
この記事では、数字の作り方を解説します。
数字が要る場面
どこで、数字が求められるでしょうか。
第一に、事業報告書です。
第二に、助成金の申請と報告です。
第三に、行政への提案です。
第四に、総会の資料です。
第五に、会報や広報物です。
第六に、他団体との連携の話です。
第七に、会員を誘うときの説明です。
あらゆる場面で、根拠として使われます。
感想だけでは、判断してもらえません。
最初に数える2つ
すべてを数える必要は、ありません。
第一に、実施の回数です。
年に何回、行ったかです。
第二に、参加した人数です。
延べで数える形が、現実的です。
この2つで、報告の大半は書けます。
第三に、受付で正の字を書くだけで足ります。
第四に、その日のうちに記録します。
第五に、翌日には忘れます。
完璧を目指さず、まず数え始めましょう。
| 数字 | 数え方 | 使い先 |
|---|---|---|
| 実施の回数 | 実施のたびに1つ | 報告書・申請書 |
| 参加した人数 | 受付で数える | 報告書・申請書 |
| 対応した件数 | 相談や問い合わせ | 課題の提示 |
| 配った数 | 配布のたびに記録 | 実績の証明 |
| 初めての人の割合 | 受付で聞く | 広がりの確認 |
| 続けて来る人の数 | 名簿と突き合わせ | 関係の深さ |
数える単位を決める
数え方を、統一します。
第一に、延べか実人数かを決めます。
第二に、両方を書く形もあります。
延べ200人、実人数50人という書き方です。
第三に、途中から変えないでください。
前年と比べられなくなります。
第四に、子どもと大人を分けるかも決めます。
第五に、関わる側の人数も数えます。
ボランティアの延べ人数です。
第六に、様式に書いておきます。
書いてあれば、誰が数えても同じになります。
- 何を数えるか(回数・人数を最低限)
- 延べか実人数か
- 数える担当
- 数えるタイミング(当日中)
- 記録の様式
- 子どもと大人を分けるか
- 関わる側の人数も数えるか
- 集計する時期
- 前年と比べられる形か
- 公表するときの見せ方
後から作れないもの
いちばん伝えたい点です。
数字は、後から作れません。
第一に、記憶では正確に思い出せません。
第二に、大まかに書くと根拠が弱くなります。
第三に、助成金の報告では確認されます。
第四に、写真から数えるのも限界があります。
第五に、当日の10秒が、後の1時間を救います。
第六に、様式があれば負担はごくわずかです。
数えていない団体は、実績があっても示せません。
活動の価値が、伝わらないままになります。
もったいないことです。
質を示す数字
回数と人数の次の段階です。
第一に、満足したかを聞きます。
感想の用紙に、選択式で入れる形です。
第二に、また参加したいかを聞きます。
第三に、続けて来る人の割合を見ます。
第四に、初めての人の割合も見ます。
広がっているかが、分かります。
第五に、紹介で来た人の数も数えます。
第六に、無理に細かくしないでください。
集計しきれない数字は、意味がありません。
使う分だけ、数えましょう。
変化を示す
数字は、並べると力を持ちます。
第一に、前年と比べます。
第二に、3年分を並べます。
第三に、増えた理由を書き添えます。
第四に、減った場合も正直に書きます。
第五に、理由の分析も添えます。
第六に、単年の数字より説得力があります。
同じ数え方を続けることが、前提です。
途中で変えると、比べられません。
様式を変えないことが、いちばん大切です。
数字にならないもの
一方で、数えられないこともあります。
第一に、その人の気持ちの変化です。
第二に、地域の雰囲気です。
第三に、関係が深まったことです。
第四に、防げた問題です。
起きなかったことは、数えられません。
第五に、こうしたものは言葉で示します。
参加した人の声を、そのまま載せます。
第六に、数字と言葉を組にします。
数字だけでも、言葉だけでも足りません。
両方あって、はじめて伝わります。
見せ方を工夫する
数字は、示し方で伝わり方が変わります。
第一に、大きな数字を先に出します。
第二に、単位をそろえます。
第三に、比較の対象を添えます。
延べ200人は、多いのか少ないのかです。
第四に、簡単な図にします。
第五に、色を使いすぎないでください。
第六に、出典と期間を必ず書きます。
いつからいつまでの数字かです。
期間がないと、数字は意味を持ちません。
一枚にまとめる形が、いちばん使われます。
誇張しない
数字を、大きく見せたくなります。
第一に、延べを実人数のように書かないでください。
第二に、都合のよい期間だけを切り取らないでください。
第三に、母数を隠さないでください。
9割が満足、は10人中9人かもしれません。
第四に、根拠のない推計を混ぜないでください。
第五に、一度でも疑われると、次から信用されません。
第六に、正確に書くほうが、結果的に強くなります。
小さな数字でも、正直に書きましょう。
続けている事実そのものが、価値です。
助成金の申請で使う
申請書での使い方です。
第一に、地域の課題を統計で示します。
第二に、自分たちの実績を数字で示します。
第三に、今回の事業の目標も数字にします。
何人に、何回という形です。
第四に、達成をどう測るかも書きます。
第五に、報告の段階で同じ項目を使います。
第六に、申請と報告で数え方を変えないでください。
目標が数字なら、報告も数字で答えます。
対応していないと、評価されません。
行政に伝えるときの数字
提案の場面でも、数字が効きます。
第一に、相談を受けた件数です。
第二に、断らざるを得なかった件数です。
第三に、待ってもらった期間です。
第四に、つないだ先とその後です。
第五に、同じ理由が繰り返される点です。
これらは、現場を持つ団体だけが持てます。
第六に、行政の統計にはない数字です。
だからこそ、価値があります。
日頃の記録が、そのまま材料になります。
会員と共有する
数字は、内側にも効きます。
第一に、総会の資料に載せます。
第二に、会報でも伝えます。
第三に、関わった人の実感につながります。
第四に、何が足りないかも見えます。
第五に、次の目標を立てられます。
第六に、寄付や会費の使いみちの説明にもなります。
がんばっています、では伝わりません。
延べ何人に届けた、と言えることです。
数字は、内と外の両方で働きます。
数える担当を決める
数字も、仕組みがないと残りません。
第一に、数える担当を決めます。
第二に、進行する人とは別にします。
進めながら数えるのは、無理があります。
第三に、受付の担当が兼ねる形が現実的です。
第四に、様式に欄を作っておきます。
第五に、その場で書ける形にします。
第六に、集める人も決めます。
出ていない記録に、声をかける役です。
意識に頼ると、必ず抜けます。
集計の時期を決める
ためると、大きな作業になります。
第一に、月に一度まとめます。
第二に、四半期ごとでも構いません。
第三に、年度末にまとめて数えないでください。
一年分を数えるのは、大変な作業です。
第四に、こまめに足すほうが楽です。
第五に、途中で傾向も見えます。
第六に、理事会でも共有できます。
年度末に慌てる団体が、多くあります。
毎月10分の作業に、変えましょう。
目標を数字にする
示すだけでなく、立てる側にも使えます。
第一に、今年度の目標を数字にします。
何回、何人という形です。
第二に、根拠も添えます。
前年の実績から、見込む形です。
第三に、高すぎる目標は立てないでください。
第四に、達成できないと士気が下がります。
第五に、途中で見直しても構いません。
第六に、事業計画書にも書きます。
目標があると、記録を取る意味が分かります。
数えることが、作業でなくなります。
数字を疑う目も持つ
示す側だからこそ、注意する点があります。
第一に、数字は一面しか表しません。
第二に、多いことが良いとは限りません。
一人に丁寧に関わる事業も、あります。
第三に、数を追うと質が落ちます。
第四に、数えやすいものだけを事業にしないでください。
第五に、目的から見て意味のある数字かを問います。
第六に、数字の裏の一人ひとりを忘れないことです。
延べ200人は、200回の関わりです。
道具として使い、目的にしないでください。
活動を数字で示すまとめ
数字は、実施の回数と参加した人数の2つから始めてください。
この2つだけで、報告書と申請書の大半は書けます。
受付で正の字を書くだけで足ります。その日のうちに記録しましょう。
数字は後から作れません。始める前に、数える形を決めておくことです。
延べか実人数かを決め、途中から変えないでください。
同じ数え方を続けることで、前年と比べられるようになります。
質を示すなら、続けて来る人と初めての人の割合を見ます。
数えられないことは、参加した人の声で示します。
数字と言葉は組です。どちらか一方では足りません。
期間と母数を必ず書き、誇張しないでください。
数える担当を、進行する人とは別に決めてください。意識に頼ると抜けます。
集計は月に一度。年度末にまとめて数えるのは、大変な作業になります。
目標も数字にすると、記録を取る意味が分かり、数えることが作業でなくなります。
数字は一面しか表しません。数を追って質を落とさないでください。
一度でも疑われると、次から信用されません。
よくある質問
A. 実施の回数と参加した人数の2つです。この2つで報告書と申請書の大半は書けます。受付で正の字を書くだけで足ります。
A. 数字は後から作れません。記憶では正確に思い出せず、大まかに書くと根拠が弱くなります。助成金の報告では確認されます。当日の10秒が、後の1時間を救います。
A. どちらでも構いませんが、途中から変えないでください。前年と比べられなくなります。延べ200人、実人数50人と両方書く形もあります。
A. 続けて来る人の割合と、初めての人の割合を見ます。感想の用紙で満足度や再参加の意向も聞けます。ただし集計しきれない数字は意味がありません。
A. 気持ちの変化、地域の雰囲気、関係の深まり、防げた問題は数えられません。参加した人の声をそのまま載せてください。数字と言葉は組です。
A. 誇張しないでください。延べを実人数のように書かない、都合のよい期間だけを切り取らない、母数を隠さない。一度疑われると、次から信用されません。
A. 地域の課題を統計で示し、自分たちの実績と今回の目標を数字にします。申請と報告で数え方を変えないでください。対応していないと評価されません。
A. 数える担当を、進行する人とは別に決めてください。進めながら数えるのは無理があります。受付の担当が兼ねる形が現実的で、様式に欄を作っておきます。
A. 月に一度、遅くとも四半期ごとです。年度末にまとめて一年分を数えるのは大変な作業になります。こまめに足すほうが楽で、途中の傾向も見えます。
A. してください。前年の実績から見込み、根拠も添えます。高すぎる目標は立てないこと。目標があると、記録を取る意味が分かり、数えることが作業でなくなります。
📖 参考にした公的機関の情報


