NPO法人の会費の決め方|額・種類・未納の扱い

一般社団法人法
会費をいくらにするか。安くすればよい、という話ではありません。

NPO法人の会費の設定は、悩ましい問題です。

高いと入ってもらえず、安いと運営が回りません。

一度決めると、変えにくい面もあります。

この記事では、会費の決め方を解説します。

POINT 結論:会費は、何に使うかを説明できる額にすることが要点です。安ければ人が集まるわけではなく、関わりの薄い会員が増えるだけの場合があります。種類ごとに額を分け、徴収の仕組みと未納の扱いを先に決めてください。

会費は何のためにあるか

会費の意味を、まず整理します。

第一に、運営の費用をまかなうためです。

第二に、関わる意思を示すためです。

第三に、団体の独立性を保つためです。

助成金だけに頼ると、方針が縛られます。

第四に、会員としての権利の対価でもあります。

総会での議決権や、会報の送付です。

単なる集金ではない、という点が大切です。

意味を説明できる額に、しましょう。

会員の種類ごとに分ける

会費は、種類ごとに額を分けます。

第一に、正会員です。

議決権を持ち、運営に関わる人です。

第二に、賛助会員です。

応援する立場で、議決権は通常ありません。

第三に、団体としての会員です。

個人より高い額にする形が一般的です。

第四に、学生の会員を設ける団体もあります。

第五に、利用者の会員という区分もあります。

定款で、種類と会費の定めを確認しましょう。

区分 額の考え方 議決権
正会員(個人) 運営に関わる人の標準 あり
賛助会員(個人) 正会員と同額か少し低め 通常なし
正会員(団体) 個人の2倍から5倍 あり
賛助会員(団体) 一口いくらで複数口も可 通常なし
学生 低めに設定する例が多い 定款による
利用者 事業の利用料と分けて考える 定款による

額をどう決めるか

額の決め方には、いくつかの考え方があります。

第一に、必要な費用から逆算する方法です。

年間の運営費を、見込みの会員数で割ります。

第二に、似た団体の額を参考にする方法です。

第三に、負担できる額から考える方法です。

対象とする人の状況によります。

第四に、月あたりで示す方法もあります。

年3,000円より、月250円のほうが伝わります。

第五に、複数の考え方を組み合わせます。

根拠を持って決めることが、大切です。

会費を決めるときの確認

  • 何に使うかを説明できるか
  • 会員の種類ごとに分けたか
  • 定款の定めと合っているか
  • 年間の運営費から逆算したか
  • 対象とする人が負担できる額か
  • 納める時期と方法を決めたか
  • 年度の途中で入会した場合の扱い
  • 未納が続いた場合の扱い
  • 免除の仕組みを設けるか
  • 変更する場合の手続き

安くすればよいわけではない

安くすれば人が集まる、とは限りません。

第一に、額が低いと関わりも薄くなります。

第二に、活動に来ない会員が増えます。

第三に、名簿だけが膨らみます。

社員の総数が増えると、定足数も上がります。

第四に、会報の送付の費用が負担になります。

会費より、送る費用が高い状態も起こります。

第五に、団体の価値を安く見せる面もあります。

額は、活動の重みを表す面もあります。

人数より、関わりの質で考えましょう。

納める時期と方法

徴収の仕組みも、先に決めます。

第一に、年度の初めにまとめて納める形が一般的です。

第二に、納める方法を複数用意します。

振込、手渡し、催しの場での納付などです。

第三に、案内を送る時期を決めます。

第四に、納めた記録を残します。

第五に、領収の証しを渡します。

徴収の作業は、毎年の大きな手間になります。

手順を決めて、担当を置きましょう。

会計の具体的な処理は、専門家に相談してください。

年度の途中で入会したら

途中入会の扱いも、決めておきます。

第一に、全額とする形があります。

簡単ですが、不公平に感じられます。

第二に、月割りとする形もあります。

計算の手間が、増えます。

第三に、半期で分ける形もあります。

第四に、次年度分として扱う方法もあります。

第五に、時期による扱いを規程に書きます。

聞かれるたびに判断すると、ばらつきます。

書いておけば、誰が対応しても同じになります。

未納が続いたとき

会費が納められない会員も、出てきます。

第一に、まず案内を送ります。

忘れているだけの場合が、多くあります。

第二に、期間を置いて再度案内します。

第三に、事情を聞ける関係なら聞きます。

第四に、定款の定めを確認します。

一定期間の未納で資格を失う、という定めがあります。

第五に、手続きを踏んで整理します。

放置すると、社員の総数が実態と合わなくなります。

総会の定足数に、影響します。

免除の仕組み

払えない人を、排除しないための工夫です。

第一に、免除の定めを設ける方法があります。

第二に、条件を明確にします。

第三に、申し出の方法を決めます。

第四に、判断する人を決めます。

第五に、記録を残します。

個別に判断すると、不公平が生まれます。

仕組みにしておけば、頼みやすくなります。

当事者が関わる団体では、特に大切な配慮です。

会費を変えるとき

額を変える場面も、いずれ来ます。

第一に、定款に額を書いているかを確認します。

書いていれば、定款変更が必要になります。

第二に、総会での議決が要ります。

第三に、理由を丁寧に説明します。

費用が増えた、事業を広げたといった理由です。

第四に、いつから適用するかを示します。

第五に、退会が出ることも見込みます。

説明なしに上げると、離れる人が出ます。

数字の根拠を、示しましょう。

定款と規程の役割

会費は、どこに書くかも考えます。

第一に、定款に額まで書く方法があります。

変えるたびに、定款変更が必要になります。

第二に、定款には別に定めると書く方法があります。

額は、規程や総会の議決で決めます。

第三に、後者のほうが変えやすくなります。

第四に、既存の定款がどちらかを確認します。

第五に、変えにくいなら見直しも選択肢です。

設立の時点で、考えておきたい点です。

会費以外の関わり方

会費だけが、支える方法ではありません。

第一に、寄付という関わり方があります。

第二に、ボランティアとしての参加です。

第三に、物品での支援です。

第四に、場所や技術の提供です。

第五に、広めてもらうことです。

会費を払えない人にも、関わる道を示しましょう。

入口が一つだけだと、そこで止まります。

複数の入口を、用意することです。

会費の使いみちを示す

納めてもらったら、使いみちを示します。

第一に、決算で内訳を示します。

第二に、会報でも触れます。

第三に、具体的な例で伝えます。

会費が何に変わったかが、見える形です。

第四に、次年度の予定も示します。

第五に、感謝を伝えます。

何に使われたか分からない団体には、続けて納めません。

示すことが、翌年の継続につながります。

徴収の作業より、こちらのほうが大切です。

会費と寄付を区別する

会費と寄付は、性格が違います。

第一に、会費は会員としての立場に伴うものです。

第二に、寄付は任意の支援です。

第三に、記録も分けて残します。

第四に、案内の文面も分けます。

会費の案内に寄付をまぜると、伝わりにくくなります。

第五に、両方を受ける形は構いません。

会費に上乗せして納める人も、います。

受けたときに、区分を確かめましょう。

税務上の取扱いは、税理士や税務署に確認してください。

名簿と会費を結びつける

徴収の作業は、名簿と組で考えます。

第一に、名簿に納付の状況の欄を作ります。

第二に、いつ納められたかを記録します。

第三に、種類と額も記録します。

第四に、年度ごとに見られる形にします。

第五に、担当以外も分かる場所に置きます。

個人情報を含むため、扱いには注意します。

名簿が古いと、案内が届きません。

住所と連絡先も、あわせて更新しましょう。

総会の招集にも、同じ名簿を使います。

会費の案内の書き方

案内の文面にも、工夫が要ります。

第一に、額と納める期限を明記します。

第二に、納める方法を並べます。

第三に、前年度の活動を一言添えます。

第四に、今年度の予定も書きます。

第五に、問い合わせ先を書きます。

請求書のような文面は、避けましょう。

感謝と報告が先で、依頼が後です。

同じ紙で、総会の案内も兼ねられます。

一度の郵送で、複数の用件を伝えられます。

会費を決めるときのまとめ

会費は、何に使うかを説明できる額にしましょう。

安ければ人が集まるわけではありません。

額が低いと、関わりの薄い会員が増えるだけの場合があります。

正会員・賛助会員・団体会員など、種類ごとに額を分けます。

年間の運営費から逆算し、根拠を持って決めてください。

納める時期と方法、記録の残し方を先に決めます。

年度の途中で入会した場合の扱いを、規程に書いておきましょう。

未納が続いたら、定款の定めに従って整理します。

払えない人のために、免除の仕組みを用意する方法もあります。

定款に額まで書くと、変えるたびに定款変更が必要になります。

会費と寄付は性格が違うため、記録も案内の文面も分けます。

名簿に納付の状況の欄を作り、住所と連絡先も一緒に更新しましょう。

案内は請求書のような文面を避け、感謝と報告を先に置きます。

納めてもらったら、使いみちを必ず示してください。

よくある質問

Q. 会費はいくらにすべき?

A. 一律の正解はありません。年間の運営費を見込みの会員数で割る、似た団体を参考にする、対象とする人が負担できる額から考える、といった方法を組み合わせて根拠を持って決めてください。

Q. 安くしたほうが集まる?

A. 限りません。額が低いと関わりも薄くなり、活動に来ない会員が増えます。社員の総数が増えれば定足数も上がり、会報の送付費が会費を上回ることもあります。

Q. 会員の種類で分けるべき?

A. 分けてください。正会員、賛助会員、団体会員、学生などです。団体会員は個人の2倍から5倍とする例が多く見られます。定款の定めと合っているか確認しましょう。

Q. 途中で入会したら?

A. 全額、月割り、半期、次年度分として扱うなどの方法があります。聞かれるたびに判断するとばらつくため、規程に書いておきましょう。

Q. 未納が続いたら?

A. まず案内を送ります。忘れているだけの場合が多くあります。期間を置いて再度案内し、それでも続くなら定款の定め(一定期間の未納による資格喪失など)に従って整理してください。

Q. 会費を上げたい

A. 定款に額を書いているなら定款変更が必要です。総会での議決を経て、費用が増えた理由と数字の根拠を丁寧に説明し、いつから適用するかを示してください。

Q. 払えない人はどうする?

A. 免除の仕組みを設ける方法があります。条件、申し出の方法、判断する人、記録を決めておくと、頼みやすくなり不公平も生まれません。

Q. 会費と寄付はどう違う?

A. 会費は会員としての立場に伴うもの、寄付は任意の支援です。記録も案内の文面も分けてください。税務上の取扱いは、税理士や税務署に確認しましょう。

Q. 定款に額を書くべき?

A. 定款に額まで書くと、変えるたびに定款変更が必要になります。定款には別に定めると書き、額は規程や総会の議決で決める形のほうが変えやすくなります。

Q. 会費の案内はどう書く?

A. 額と期限、納める方法を明記し、前年度の活動と今年度の予定を一言添えます。請求書のような文面は避け、感謝と報告を先に置いてください。総会の案内と兼ねられます。


この記事の位置づけ

本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。

  • 税務の取扱いは、収入の性質や事業の実態によって結論が変わります。具体的な判定や税額の計算については、税理士または所轄の税務署へご確認ください。

【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、正確性・最新性に配慮していますが、内容の完全性・正確性を保証するものではありません。法令・制度・税制は改正される場合があり、個別の事情により取り扱いが異なることもあります。本記事の情報を利用して行われた一切の行為およびその結果について、当サイトおよび筆者は責任を負いかねます。実際のお手続きや判断にあたっては、必ず公的機関の最新情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。