NPO法人の会員名簿の管理|更新・区別・個人情報

一般社団法人法
名簿が古いと、総会が開けなくなります。地味ですが要です。

NPO法人にとって、会員名簿は運営の土台です。

総会の招集も、定足数の計算も、ここから始まります。

ところが、更新が止まっている団体が多くあります。

この記事では、名簿の作り方と管理を解説します。

POINT 結論:名簿が古いと、招集の通知が届かず、定足数の計算も狂います。年に一度は必ず更新し、退会と資格喪失の手続きも整えてください。個人情報を含むため、見られる人と保管の場所を決めておく必要があります。

名簿が要る場面

名簿は、いくつもの場面で使います。

第一に、総会の招集の通知を送るときです。

第二に、定足数を計算するときです。

社員の総数が、基準になります。

第三に、会費の徴収と確認のときです。

第四に、会報や案内を送るときです。

第五に、所轄庁への提出書類でも使います。

第六に、役員を選ぶときの候補の把握です。

運営の、あらゆる場面に関わります。

古いままだと、すべてが狂います。

古い名簿が招く問題

更新しないと、何が起こるでしょうか。

第一に、招集の通知が届きません。

第二に、届いていない社員がいると決議が争われます。

第三に、社員の総数が実態と合いません。

第四に、定足数の計算が狂います。

第五に、4分の3の議決が成立しなくなります。

活動していない社員が、分母に残るためです。

第六に、会報の郵送の費用が無駄になります。

一つの綻びが、総会の運営全体に響きます。

名簿の整理は、総会の準備の一部です。

項目 必ず入れる 注意
氏名 入れる 読み方も記録する
住所 入れる 郵送に使う・変更が多い
連絡先 入れる 電話と電子の両方
会員の種類 入れる 正会員か賛助会員か
入会の日 入れる 会費の計算に使う
会費の納付 入れる 年度ごとに残す
案内の希望 入れる 紙か電子か
退会の日 該当時 記録として残す

社員と会員を区別する

名簿で、いちばん大切な区別です。

社員は、総会で議決権を持つ人です。

会員は、団体が定めた区分です。

第一に、正会員が社員に当たる団体が多く見られます。

第二に、賛助会員は議決権を持たない形が一般的です。

第三に、これは定款の書き方によります。

第四に、名簿に種類の欄を必ず設けます。

第五に、社員の人数をすぐ出せる形にします。

第六に、定足数の計算に直結します。

ここが曖昧だと、総会の運営が揺らぎます。

名簿に必要な仕組み

  • 社員と賛助会員を区別する欄
  • 入会の日と退会の日
  • 会費の納付の状況
  • 案内を紙で送るか電子か
  • 住所と連絡先の変更を受ける仕組み
  • 年に一度の更新の時期
  • 返送された郵便を反映する手順
  • 見られる人の範囲
  • 保管の場所と方法
  • 担当が交代するときの引き継ぎ

年に一度は更新する

更新の時期を、決めておきましょう。

第一に、総会の前が最も適しています。

招集の通知を送る、直前です。

第二に、会費の案内と合わせる方法もあります。

第三に、住所の変更を受ける欄を作ります。

第四に、返送された郵便を必ず反映します。

第五に、連絡が取れない会員を洗い出します。

第六に、年間の予定に入れておきます。

決めた時期にやらないと、必ず後回しになります。

担当も、あわせて決めましょう。

変更を受け取る仕組み

変更は、向こうから伝わってきません。

第一に、会報に変更の連絡先を載せます。

第二に、会費の案内にも一行入れます。

第三に、催しの受付でも確認します。

第四に、返送された郵便から気づきます。

第五に、他の会員から聞く場合もあります。

第六に、聞いたらその場で記録します。

後でやろうと思うと、忘れます。

変更を受ける窓口を、一本にしておきましょう。

ばらばらに聞くと、反映されません。

連絡が取れない会員

必ず出てくる問題です。

第一に、記録の連絡先すべてに試します。

第二に、書面で送ります。

第三に、送った記録を残します。

第四に、他の会員に心当たりを聞きます。

第五に、それでも取れない場合の扱いを定款で確認します。

会費の未納による資格の喪失などです。

第六に、手続きを踏んで整理します。

独断で名簿から外すことは、できません。

定款と、記録に基づいて進めましょう。

退会と資格喪失の記録

減る側の記録も、大切です。

第一に、退会の申し出は書面で受けます。

第二に、退会の日を記録します。

第三に、定款の手続きを確認します。

第四に、資格の喪失も同じく記録します。

第五に、理事会や総会に報告します。

第六に、名簿から外した日も残します。

過去に在籍していた事実は、消しません。

別の欄に移す形にしましょう。

後から確認を求められる場面があります。

個人情報として扱う

名簿は、個人情報の集まりです。

第一に、何に使うかを入会時に伝えます。

第二に、見られる人を限ります。

第三に、保管の場所を決めます。

第四に、持ち歩かないようにします。

紛失は、信用を大きく損ないます。

第五に、電子で持つ場合も管理を決めます。

個人の端末に置いたままにしないでください。

第六に、不要になった情報は処分します。

扱いの決まりを、文書にしておきましょう。

備え置きの対象ではない

誤解されやすい点を、整理します。

NPO法人には、書類の備え置きの義務があります。

事業報告書や、計算書類などです。

一方、会員名簿はこの対象ではありません。

第一に、閲覧に応じる義務もありません。

第二に、所轄庁へ提出する書類とも別です。

第三に、提出するのは役員名簿と、社員のうち10人以上の名簿です。

第四に、会員全員の名簿を出すわけではありません。

第五に、混同すると、不要な公開をしてしまいます。

提出と備え置きの範囲を、確認しておきましょう。

紙か電子か

名簿の持ち方も、考えます。

第一に、電子だと更新と検索が楽です。

第二に、集計もすぐできます。

第三に、共有の場所に置けば複数人が見られます。

一方、注意点もあります。

第四に、管理を決めないと流出の危険があります。

第五に、個人の端末に残らないようにします。

第六に、紙の控えも一部残す方法があります。

機器が使えない事態への、備えです。

どちらにしても、決まりを作ることが先です。

会費の記録と結びつける

名簿は、会費の記録と組で使います。

第一に、年度ごとの納付の欄を作ります。

第二に、いつ納められたかを記録します。

第三に、未納の会員が一目で分かる形にします。

第四に、案内を送る対象がすぐ出せます。

第五に、資格の喪失の判断にも使います。

第六に、担当以外も確認できる形にします。

別々に管理すると、突き合わせが大変になります。

一つの表で、両方を見られる形が現実的です。

引き継ぎを考えた形にする

名簿は、必ず誰かに引き継がれます。

第一に、担当以外も分かる形にします。

第二に、記録の様式を毎年変えないでください。

第三に、書き方の決まりを紙に残します。

第四に、保管の場所を共有します。

第五に、電子の入り口を団体の名義にします。

第六に、引き継ぎの一覧に必ず入れます。

名簿が失われると、団体は動けなくなります。

二重に保存しておきましょう。

個人情報のため、保存先の管理には注意します。

入会のときに整える

名簿の質は、入会の時点で決まります。

第一に、記入してもらう用紙を作ります。

第二に、必要な項目だけを聞きます。

第三に、読み方も書いてもらいます。

第四に、案内の希望を聞きます。

紙か電子か、どちらで受けたいかです。

第五に、使いみちを用紙に書いておきます。

第六に、その場で名簿に反映します。

後でまとめようとすると、抜けます。

入会の手続きの中に、記録まで含めましょう。

名簿を使って声をかける

名簿は、管理するだけのものではありません。

第一に、活動に来ていない会員が分かります。

第二に、その人に個別に声をかけられます。

第三に、地域ごとに分けて案内できます。

第四に、関心のある分野で分ける方法もあります。

第五に、長く関わっている人に礼を伝えられます。

第六に、役員の候補も見えてきます。

一律の案内より、個別の声かけが効きます。

名簿は、そのための道具です。

眠らせておくのは、もったいないことです。

二重登録と表記の揺れ

名簿が育つと、細かい問題が出ます。

第一に、同じ人が二重に登録されます。

入会の窓口が複数あると、起こります。

第二に、氏名の表記が揺れます。

旧字や、姓の変更です。

第三に、住所の書き方も揺れます。

第四に、定期的に重複を確認します。

第五に、表記の決まりを作ります。

第六に、変更があった場合は履歴を残します。

別人と扱わないための、記録です。

会員名簿の管理のまとめ

名簿が古いと、招集の通知が届かず、定足数の計算も狂います。

届いていない社員がいると、決議が争われる原因になります。

社員と賛助会員を区別する欄を、必ず設けてください。

社員の人数を、すぐ出せる形にしておきましょう。

更新は年に一度、総会の前が最も適しています。

変更を受ける窓口を一本にし、聞いたその場で記録します。

返送された郵便は、必ず名簿に反映してください。

連絡が取れない会員を、独断で名簿から外すことはできません。

退会や資格喪失も、日付とともに記録に残します。

会員名簿は備え置きの対象ではなく、閲覧に応じる義務もありません。

名簿の質は入会の時点で決まります。手続きの中に記録まで含めましょう。

名簿は管理するだけでなく、来ていない会員へ個別に声をかける道具です。

二重登録と表記の揺れは、定期的に確認して決まりを作ってください。

個人情報として、見られる人と保管の場所を決めておきましょう。

よくある質問

Q. 名簿が古いと何が困る?

A. 招集の通知が届かず、届いていない社員がいると決議が争われます。社員の総数も実態と合わなくなり、定足数や4分の3の議決の計算が狂います。

Q. 何を記録する?

A. 氏名、住所、連絡先、会員の種類、入会の日、会費の納付、案内の希望です。退会した場合は、その日も記録に残します。

Q. 社員と会員の区別は?

A. 社員は総会で議決権を持つ人、会員は団体が定めた区分です。正会員が社員に当たる団体が多く見られますが、決めているのは定款です。名簿に必ず種類の欄を設けてください。

Q. いつ更新する?

A. 年に一度、総会の前が最も適しています。招集の通知を送る直前です。会費の案内と合わせる方法もあります。年間の予定に入れて、担当も決めましょう。

Q. 連絡が取れない会員は?

A. 記録の連絡先すべてに試し、書面でも送り、記録を残します。独断で名簿から外すことはできません。定款の定め(会費の未納による資格の喪失など)に従って整理してください。

Q. 名簿は公開する義務がある?

A. ありません。会員名簿は書類の備え置きの対象ではなく、閲覧に応じる義務もありません。所轄庁へ提出するのは役員名簿と、社員のうち10人以上の名簿です。

Q. 紙と電子どちらがいい?

A. 電子は更新と検索と集計が楽ですが、管理を決めないと流出の危険があります。個人の端末に残さず、共有の場所に置いてください。紙の控えを一部残す方法もあります。

Q. 入会のときに何を聞く?

A. 氏名と読み方、住所、連絡先、会員の種類、案内の希望(紙か電子か)です。使いみちを用紙に書いておき、その場で名簿に反映してください。後でまとめようとすると抜けます。

Q. 名簿は他に使える?

A. 活動に来ていない会員に個別に声をかける、地域や関心の分野で分けて案内する、長く関わっている人に礼を伝える、役員の候補を見つける。一律の案内より個別の声かけが効きます。

Q. 同じ人が二重に登録されている

A. 入会の窓口が複数あると起こります。定期的に重複を確認し、氏名や住所の表記の決まりを作ってください。姓の変更があった場合は履歴を残し、別人と扱わないようにします。

【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、正確性・最新性に配慮していますが、内容の完全性・正確性を保証するものではありません。法令・制度・税制は改正される場合があり、個別の事情により取り扱いが異なることもあります。本記事の情報を利用して行われた一切の行為およびその結果について、当サイトおよび筆者は責任を負いかねます。実際のお手続きや判断にあたっては、必ず公的機関の最新情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。