結論から申し上げます。
一般社団法人が法律で作成を義務づけられているのは「社員名簿」です(一般法人法31条)。
法定の記載事項は、社員の氏名又は名称と住所の2つだけです。
名簿は主たる事務所に備え置き、社員から閲覧や謄写を求められたら原則として応じます(32条)。
賛助会員などを含めた「会員名簿」には、法律上の作成義務はありません。
ただし名簿を持つ法人は、個人情報保護法の個人情報取扱事業者に当たります(同法16条2項)。
利用目的の明示、安全管理、第三者に渡すときの同意、漏えい時の報告といったルールが、名簿全体にかかります。
一般社団法人が作る名簿は2種類

一般社団法人の名簿には、法律上の性格が違う2つのものがあります。
1つ目は、一般法人法31条が作成を求める社員名簿です。
ここでいう社員は従業員ではなく、社員総会で議決権を持つ構成員のことです。
2つ目は、賛助会員や連絡先なども含めて団体が独自に作る会員名簿です。
会員名簿には一般法人法の定めがなく、作るかどうかも項目も団体が決めます。
誰が社員になるかは、定款の「社員の資格の得喪に関する規定」で決まります(11条1項5号)。
「正会員をもって法律上の社員とする」と定款にあれば、社員名簿に載せるのは正会員だけです。
| 項目 | 社員名簿 | 会員名簿(運営用) |
|---|---|---|
| 根拠 | 一般法人法31条 | 法律上の定めなし |
| 作成義務 | あり | なし |
| 載せる人 | 定款上の社員 | 正会員・賛助会員など団体が決める |
| 必須の項目 | 氏名又は名称・住所 | 団体が決める |
| 備置き | 主たる事務所(32条1項) | 定めなし |
| 社員からの閲覧・謄写 | 請求できる(32条2項) | 法律上の請求権はない |
| 個人情報保護法 | 対象 | 対象 |
正会員と賛助会員の違いそのものは、賛助会員とは?正会員との違いで説明しています。
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社員名簿の記載事項と、加えておくと役立つ項目
31条が求める記載事項は、社員の氏名又は名称及び住所です。
「名称」とあるのは、法人や団体が社員になる場合があるためです。
法人が社員なら、代表者の個人名ではなく法人の名称と住所を書きます。
様式の定めはなく、紙の台帳でも表計算ソフトのデータでも作れます。
31条は「記載し、又は記録した名簿」と書いており、電磁的記録で作ることも予定されています。
法定の2項目だけでは、総会の運営や退社の確認に足りない場面があります。
実務では、次のような任意項目を加えておくと後で調べ直す手間が減ります。
| 項目 | 法定か任意か | 入れておく理由 |
|---|---|---|
| 氏名又は名称 | 法定(31条) | 社員の特定 |
| 住所 | 法定(31条) | 通知・催告の宛先になる(33条1項) |
| 社員番号 | 任意 | 同姓同名や改姓に対応する |
| 入社年月日 | 任意 | いつから議決権を持つかの確認 |
| 退社年月日・退社事由 | 任意 | 任意退社・除名・死亡などの区別(28条・29条) |
| 通知を受ける別の場所・連絡先 | 任意 | 社員から届出があれば宛先になる(33条1項かっこ書き) |
| 電磁的方法による通知の承諾の有無 | 任意 | 書面通知をメールに代えるには承諾が必要(39条3項) |
| 議決権の数 | 任意 | 定款で1人1個と違う定めをした場合(48条1項ただし書) |
列見出し:社員番号/氏名又は名称/住所/入社年月日/退社年月日/退社事由/通知先(届出があれば)/電子通知の承諾
記入例1:001/甲野太郎/〇〇県〇〇市〇〇町1-2-3/2025年4月1日/―/―/―/承諾あり(2025年4月1日)
記入例2:002/株式会社〇〇/〇〇県〇〇市〇〇町4-5-6(本店)/2025年6月1日/―/―/総務部あて/なし
記入例3:003/乙野花子/〇〇県〇〇市〇〇町7-8-9/2025年4月1日/2026年3月31日/任意退社/―/―
氏名又は名称と住所が法定の記載事項です。ほかの列は管理のための任意項目です。退社した社員は行を消さずに退社日を入れておくと、過去の総会の出席者や定足数を後から確かめられます。
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名簿を作る手順
名簿は、表を作る前に「誰を載せるか」と「何に使うか」を決めると、後から作り直さずに済みます。
社員の範囲は定款で決まるので、まず定款の社員資格の条文を読みます。
次に、名簿を使う目的を書き出し、その目的に必要な項目だけを選びます。
個人情報保護法は、利用目的をできる限り特定することを求めています(17条1項)。
目的に関係のない項目を集めると、守るべき情報が増えるだけになります。
誰が法律上の社員かを確かめる(一般法人法11条1項5号)
総会の招集通知、会費の請求、会報の送付など(個人情報保護法17条1項)
法定の氏名(名称)・住所に、目的に必要な任意項目を加える
書面で本人から直接集めるときは、あらかじめ明示する(同法21条2項)
社員は社員名簿へ、賛助会員などは会員名簿へ分ける
社員名簿は備置きが義務(一般法人法32条1項)
更新の手順、閲覧の権限、保管場所、廃棄の時期を決める(同法23条)
設立のときは、設立時社員の氏名又は名称及び住所が定款の記載事項です(11条1項4号)。
設立時社員は成立後の最初の社員になるので、定款の記載をもとに最初の社員名簿を作れます。
入会申込書で集める情報と利用目的の伝え方
名簿の情報は、多くの団体で入会申込書から集めます。
本人から書面で直接取得するときは、あらかじめ利用目的を明示しなければなりません(個人情報保護法21条2項)。
入会申込書の下に利用目的を印刷しておけば、この明示を記入の前に済ませられます。
偽りや不正の手段で個人情報を集めることは禁止されています(20条1項)。
病歴などの要配慮個人情報は、法令に基づく場合などを除き、本人の同意なしに取得できません(2条3項・20条2項)。
障害者支援や患者会のように、活動の性質上こうした情報を扱う団体は、申込書で同意を得る欄を設けます。
特定した目的の範囲を超えて使うときは、原則として本人の同意が必要です(18条1項)。
【個人情報の利用目的】ご記入いただいた個人情報は、次の目的に利用します。
(1)社員名簿・会員名簿の作成及び管理 (2)社員総会の招集通知その他の当法人からの通知 (3)会費の請求及び入金の確認 (4)会報・行事案内の送付
当法人は、法令に基づく場合を除き、ご本人の同意なく個人情報を第三者に提供しません。
会員名簿を会員間で配布する場合は、掲載する項目を示して別にご同意をいただきます。
電子メールによる総会招集通知を希望する方は、次の欄に承諾の旨をご記入ください。□承諾する メールアドレス:
利用目的は団体の実情に合わせて書き換えます。総会の通知をメールで送るには社員の承諾が必要なので(一般法人法39条3項)、申込書で一緒に確認しておくと手間が省けます。
名簿を最新に保つ更新のルール
名簿は、作った後の更新で正確さが決まります。
個人情報保護法は、利用目的に必要な範囲で個人データを正確かつ最新の内容に保つよう努めることを求めています(22条)。
一般法人法でも、名簿の住所が古いと通知の宛先が実態とずれます。
法人の通知は名簿の住所あてに発すれば足り、通常到達すべき時に到達したとみなされます(33条1項・2項)。
社員が住所を変えたのに届け出ないと、本人に届かないまま通知が済んだ扱いになり得ます。
そのため、入会時に「住所や連絡先が変わったら届け出る」ことを案内しておくのが大切です。
| こんなとき | 名簿の処理 | 根拠 |
|---|---|---|
| 入会(社員資格の取得) | 社員名簿に追加し入社日を記入 | 定款(11条1項5号) |
| 住所・連絡先の変更届 | 住所欄を更新し変更日を記録 | 31条・33条1項 |
| 任意退社 | 退社日と事由を記入。行は残す | 28条 |
| 定款で定めた事由(会費滞納など) | 事由が生じた日で退社処理 | 29条1号 |
| 死亡・法人の解散 | 退社日と事由を記入 | 29条3号 |
| 除名 | 総会決議と本人への通知を確認して記入 | 29条4号・30条 |
| 通知が5年以上続けて届かない | 以後の通知・催告を省略できる旨を記録 | 34条1項 |
退社の手続そのものは、社員の入会・退会ルールと社員の除名で説明しています。
社員総会の運営で名簿をどう使うか

社員名簿がいちばん働くのは、社員総会の準備のときです。
招集通知は、総会の日の1週間前までに社員に発します(39条1項)。
理事会設置法人は、通知を書面で出さなければなりません(39条2項2号)。
書面に代えてメールで送れるのは、社員の承諾を得た場合です(39条3項)。
名簿に承諾の有無と日付を入れておけば、誰にメールで送れるかがすぐにわかります。
総会の普通決議は、原則として総社員の議決権の過半数を持つ社員の出席が必要です(49条1項)。
「総社員」を数える基準になるのが社員名簿なので、退社者が残っていると定足数を誤ります。
委任状などの代理権を証明する書面は、総会の日から3か月間、主たる事務所に備え置きます(50条1項・5項)。
- 退社・死亡・除名の処理が、総会の基準となる日までに反映されているか
- 住所変更の届出が、すべて名簿に入っているか
- メールで通知する社員について、承諾の記録があるか(39条3項)
- 別の通知先を届け出た社員について、その宛先を使っているか(33条1項)
- 賛助会員など議決権のない会員が、出席者の数に混ざっていないか
- 定款で議決権の数を別に定めている場合、その数が名簿でわかるか(48条1項)
招集通知の書き方は社員総会の招集通知、委任状は社員総会の委任状で説明しています。
社員から閲覧・謄写を求められたとき
社員は、業務時間内いつでも、理由を明らかにして社員名簿の閲覧や謄写を請求できます(32条2項)。
名簿がデータで作られている場合は、画面や紙に表示したものを見せる方法になります(同項2号)。
法人が断れるのは、32条3項が定める4つの場合に限られます。
正当な理由なく閲覧や謄写を拒んだ理事などは、100万円以下の過料の対象です(342条4号)。
| 拒める場合(32条3項) | 具体的な場面の例 |
|---|---|
| 1号 権利の確保・行使に関する調査以外の目的 | 名簿を商品の勧誘先リストに使おうとしている |
| 2号 業務の遂行を妨げる・社員の共同の利益を害する目的 | 嫌がらせのために全社員へ連絡しようとしている |
| 3号 知った事実を利益を得て第三者に通報するため | 名簿業者に売る目的がある |
| 4号 過去2年以内に3号の行為をしたことがある | 以前に名簿を売ったことがある社員からの請求 |
総会の招集を求める仲間を集めるといった、社員の権利の行使のための請求は、原則として拒めません。
社員の閲覧は一般法人法に基づく請求です。
個人情報保護法の「法令に基づく場合」に当たり、他の社員の同意は要りません(27条1項1号)。
一方、賛助会員だけを載せた会員名簿には、32条の閲覧請求権は及びません。
社員名簿と会員名簿を1つの表にしていると、見せてよい範囲を切り分ける作業が毎回生じます。
請求の受け方や記録の残し方は、一般社団法人の社員名簿とはでも扱っています。
会員名簿を配る・外部に渡すときのルール
名簿を会員全員に配ったり、外部の業者に渡したりする場面では、個人情報保護法の第三者提供のルールがかかります。
個人データを第三者に渡すには、原則としてあらかじめ本人の同意が必要です(27条1項)。
会員同士の名簿配布も、本人以外の人に情報を渡すので、この同意の対象と考えて準備します。
掲載する項目(氏名だけか、住所や電話番号も載せるか)を示して同意を取り、同意しない人は載せないか項目を減らします。
同意を得て第三者に提供したときは、提供の記録を作り、原則3年間保存します(29条1項・2項、施行規則21条3号)。
会報の発送や会費の引落しを業者に任せるのは「委託」で、委託先は第三者に当たりません(27条5項1号)。
その代わり、法人は委託先に対して必要かつ適切な監督をしなければなりません(25条)。
| 場面 | 本人の同意 | 法人がすること |
|---|---|---|
| 社員が32条に基づき社員名簿を閲覧 | 不要(法令に基づく場合) | 32条3項の拒絶事由に当たらないかを確認 |
| 会員名簿を会員全員に配る | 必要 | 掲載項目を示して同意を取り、提供の記録を残す |
| 発送代行・会費収納代行の業者に渡す | 不要(委託) | 契約で取扱いを定め、委託先を監督する(25条) |
| 協賛企業に名簿を渡して案内を送らせる | 必要 | 利用目的の範囲外なら別に同意を取る(18条1項) |
| 災害時に安否確認のため救助機関に伝える | 困難なら不要の場合あり | 生命・身体の保護のための例外(27条1項2号) |
個人情報保護法には、第三者提供や漏えい時の本人通知の規定を一部変える改正があります。
e-Govの改正履歴では、2028年7月16日の施行予定です。
名簿の配布方針を決めるときは、その時点の条文を確認してください。
名簿の保管と安全管理
名簿を持つ法人は、個人データの漏えい・滅失・毀損を防ぐために必要かつ適切な措置を講じなければなりません(23条)。
個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、営利・非営利の別や、扱う人数の多い少ないを問わず義務がかかるとしています。
ガイドラインの別添は、講ずべき措置を基本方針・取扱規律・組織的・人的・物理的・技術的措置・外的環境の把握に分けています。
役員や事務局員に名簿を扱わせるときは、その人たちを監督する義務もあります(24条)。
小さな団体でも、次の点を決めておけば対応の土台になります。
- 名簿を扱う担当者と、閲覧できる役員の範囲
- 紙の名簿の保管場所(施錠できる棚など)と持ち出しのルール
- データの保存先、パスワード、アクセス権限の設定
- クラウドサービスを使う場合の、共有リンクの公開範囲の確認
- メールで名簿を送らないこと、送る必要があるときの方法
- 担当者が交代するときの引継ぎと、前任者の権限の削除
- 古い版の名簿やコピーの廃棄方法(シュレッダー・データの完全削除)
名簿を不正な利益のために持ち出した役員や事務局員は、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象です(179条)。
この場合、法人にも1億円以下の罰金が科され得ます(184条1項1号)。
名簿が漏えいしたときの対応
名簿の漏えいがすべて委員会への報告対象になるわけではありません。
報告が義務になるのは、個人の権利利益を害するおそれが大きい4つの類型です(26条1項、施行規則7条)。
報告対象になる場合は、本人への通知も必要です(26条2項)。
委員会への報告は、まず知った後速やかに行い、原則30日以内に詳しい内容を報告します(施行規則8条1項・2項)。
不正の目的による漏えい(3号)の場合は、詳しい報告の期限が60日以内です。
| 報告対象の類型(施行規則7条) | 名簿で起こり得る例 |
|---|---|
| 1号 要配慮個人情報を含む | 病歴を記載した患者会の会員名簿の流出 |
| 2号 不正利用で財産的被害のおそれ | 会費引落し用の口座番号を含む名簿の流出 |
| 3号 不正の目的によるおそれ | 不正アクセスによる会員データの持ち出し |
| 4号 本人の数が1,000人を超える | 会員1,000人超の名簿ファイルの誤送信 |
誤送信先への削除依頼、共有リンクの停止、パスワードの変更
施行規則7条の4類型に当たるかを判断する
電子の報告フォームで行う(施行規則8条3項1号)
概要、漏えいした項目、原因、二次被害のおそれなどを伝える(施行規則10条)
原因と再発防止策をまとめる(施行規則8条2項)
4類型に当たらない小さな誤送信でも、本人へのお詫びと再発防止策の整理はしておくのが通常です。
退会者の情報はいつまで残すか
一般法人法には、社員名簿の記載をいつまで残すかの定めはありません。
一方、個人情報保護法は、利用する必要がなくなった個人データを遅滞なく消去するよう努めることを求めています(22条)。
この2つを両立させるには、名簿の行と付随情報を分けて考えるのが実務的です。
退社した社員の氏名・入社日・退社日・事由は、過去の総会の定足数や決議の有効性を確かめる資料になります。
一方、メールアドレスや電話番号などの連絡先は、退社後に使う予定がなければ消去の対象になります。
会費の未納分の請求など、退社後も必要な情報は、必要な間だけ残します。
本人から、利用する必要がなくなった情報の利用停止や消去を求められることもあります(35条5項)。
| 情報 | 残す理由 | 扱いの目安 |
|---|---|---|
| 氏名・入社日・退社日・退社事由 | 過去の総会の定足数や決議の確認 | 社員名簿の履歴として残す |
| 住所 | 退社者への通知は通常不要 | 必要がなくなれば消去を検討 |
| メール・電話番号 | 退社後は通常使わない | 退社処理と同時に消去を検討 |
| 会費の未納額・請求の記録 | 未納分の請求 | 請求が終わるまで残す |
| 名簿配布の同意・提供の記録 | 第三者提供の記録の保存義務 | 原則3年(施行規則21条3号) |
本人は、自分の保有個人データの開示や訂正を請求することもできます(33条1項・34条1項)。
請求の受付窓口と手続は、本人の知り得る状態に置いておく事項です(32条1項3号)。
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この記事のひな形を含む21書式を、条文の根拠つきでまとめました
議事録・招集通知・委任状・議決権行使書・書面決議(みなし決議)・社員名簿・会費督促・決算公告・役員変更の添付書類チェックリストまで。どの条文が根拠かと定款のどこを見るべきかを各書式に注記しています。一般社団法人とNPO法人は根拠法が違うため、章を分けて収録しました。
¥3,980(税込)/買い切り/全21書式のWordファイル付き ※一般的なひな形集です。個別事案の判断や登記代行は含みません。
公益社団法人になると名簿の扱いが変わる
公益認定を受けた公益社団法人では、社員名簿の公開範囲が広がります。
公益法人の社員名簿は、何人も業務時間内に閲覧を請求できる書類に含まれます(公益認定法21条5項)。
社員以外の人から請求があったときは、個人の住所の部分を除いて閲覧させることができます(同条6項)。
社員名簿は行政庁への提出書類にも含まれ、行政庁は個人の住所を除いて公表します(22条1項・2項)。
そのため、公益法人の社員名簿は、住所とそれ以外の項目を分けて出せる形にしておくと対応が楽です。
| 一般社団法人 | 公益社団法人 | |
|---|---|---|
| 閲覧できる人 | 社員(一般法人法32条2項) | 何人も(公益認定法21条5項) |
| 理由の明示 | 必要 | 条文上の要件なし |
| 住所の扱い | 社員の請求には全部見せるのが原則 | 社員以外には住所を除ける(21条6項) |
| 行政庁への提出 | なし | あり。住所を除いて公表(22条) |
公益法人の閲覧対応は、公益法人の情報公開と閲覧請求で詳しく説明しています。
よくある誤解
誤解1:会員全員を社員名簿に載せなければならない。
社員名簿に載せるのは定款上の社員です。
議決権のない賛助会員は、通常は社員名簿に載りません(31条・11条1項5号)。
誤解2:名簿には決まった様式がある。法定の記載事項は氏名又は名称と住所だけで、様式の定めはありません。
誤解3:小さな団体は個人情報保護法の対象外。
扱う人数の多い少ないにかかわらず、名簿を事業に使えば個人情報取扱事業者に当たります。
誤解4:個人情報だから社員の閲覧を断れる。社員の閲覧は法令に基づく請求なので、32条3項の場合を除き拒めません。
誤解5:会員名簿は会員同士なら自由に配れる。
他の会員に配るのも本人以外への提供なので、掲載項目を示して同意を得ておきます(27条1項)。
誤解6:退会したらすぐ全部消すべき。過去の総会の確認に必要な履歴は残し、使わない連絡先から消すのが実務的です(22条)。
あわせて読みたい
一般社団法人の会員名簿についてよくある質問
A. ありません。社員の氏名又は名称と住所が記載・記録されていれば足ります(一般法人法31条)。表計算ソフトの一覧表でも作れます。
A. 定款で賛助会員を社員としていなければ載せません。社員名簿は定款上の社員の名簿です(一般法人法31条・11条1項5号)。賛助会員は別の会員名簿で管理すると、閲覧請求への対応が分けやすくなります。
A. 主たる事務所に備え置きます(一般法人法32条1項)。備え置かなかった理事などは100万円以下の過料の対象です(342条8号)。
A. 理由を明らかにした請求には原則として応じます(32条2項)。拒めるのは、権利の確保や行使に関する調査以外の目的である場合など、32条3項の4つの場合に限られます。
A. 個人データを第三者に提供するには、原則としてあらかじめ本人の同意が必要です(個人情報保護法27条1項)。掲載する項目を示して同意を得て、同意しない人は載せないなどの対応をします。
A. 理事会設置法人など書面通知が必要な場合でも、社員の承諾を得ればメールで送れます(一般法人法39条2項・3項)。承諾の有無を名簿に記録しておくと便利です。
A. 報告が義務になるのは、要配慮個人情報を含む場合や本人の数が1,000人を超える場合など、施行規則7条の4類型に当たるときです(個人情報保護法26条1項)。その場合は本人への通知も必要です(同条2項)。
A. 一般法人法に社員名簿の保存期間の定めはありません。個人情報保護法は不要になった個人データの消去を努力義務としているので(22条)、総会の確認に必要な履歴は残し、使わない連絡先から消去する方法があります。
📖 参考にした公的機関の情報


