NPO法人の総会の定足数と議決権|4分の3の数え方

一般社団法人法
総会が成立しない。この事故は、定足数の理解不足から起きます。

NPO法人の総会には、定足数と議決の要件があります。

ここを外すと、決めたことが無効になりかねません。

普通の議決と、重い議決の違いも押さえる必要があります。

この記事では、定足数と議決権を解説します。

POINT 結論:総会の定足数は法律で決まっておらず、定款で定めます。一方、定款変更・解散・合併は、定款に特別の定めがある場合を除き社員総数の4分の3以上の多数が必要です。まず自分の団体の定款を開いて、何と書いてあるかを確かめてください。

まず定款を開く

定足数の話は、定款から始まります。

法律は、細かく決めていないためです。

第一に、総会の成立の要件を探します。

社員の何分の1以上の出席、という書き方です。

第二に、議決の要件を探します。

出席した社員の過半数、といった形です。

第三に、可否同数のときの扱いを見ます。

議長が決する、と書く定款もあります。

団体ごとに違うため、他団体の例は当てになりません。

自分の定款を、必ず確かめましょう。

議決権は一人一個

社員の議決権は、平等が原則です。

一人につき、一個です。

会費を多く払っても、増えません。

在籍が長くても、変わりません。

ここが、株式会社と大きく違う点です。

出資の額で、発言力が変わる仕組みではありません。

この平等が、NPO法人の性格を表しています。

賛助会員は、通常は議決権を持ちません。

定款で、どの会員が社員かを確かめましょう。

議決の種類 必要な多数 対象
通常の議決 定款による(出席者の過半数など) 事業報告・決算・計画・予算
役員の選任 定款による 理事・監事の選任
定款変更 社員総数の4分の3以上 定款の条項の変更
解散 社員総数の4分の3以上 法人の解散
合併 社員総数の4分の3以上 他法人との合併

重い議決は4分の3

特に重い議決には、法律の定めがあります。

定款変更、解散、合併の3つです。

社員総数の4分の3以上の多数が必要です。

定款に特別の定めがある場合は、それによります。

注意すべきは、出席者ではない点です。

社員の総数が、基準になります。

欠席した社員も、分母に入ります。

社員が20人なら、15人以上の賛成が要ります。

出席が少ないと、成立しません。

重い議案の日は、特に出席を呼びかけましょう。

総会の前に確かめること

  • 定款の、総会の成立の要件
  • 定款の、議決の要件
  • 社員の総数(現在の正確な人数)
  • 議案ごとに必要な多数
  • 書面表決と委任状の定めがあるか
  • 出席の見込みと、必要な数
  • 特別の利害関係がある社員がいるか
  • 議長の選び方
  • 出席簿の様式
  • 定足数を満たさない場合の対応

社員の総数を正確に把握する

4分の3を数えるには、総数が要ります。

ここが、意外に曖昧な団体が多い点です。

第一に、名簿を最新にします。

第二に、退会した人を外します。

第三に、会費の未納者の扱いを決めます。

定款に、除名や資格喪失の定めがあります。

第四に、亡くなった方を外します。

第五に、総会の日の時点で確定させます。

総数が曖昧だと、議決の有効性が揺らぎます。

名簿の整理は、総会の準備の一部です。

書面表決と委任状

欠席する社員も、議決に参加できます。

第一に、書面による表決です。

議案ごとに、賛否を書いて提出する形です。

第二に、代理人による表決です。

他の社員に、委ねる形です。

第三に、電磁的方法による表決も可能です。

いずれも、定款の定めが前提になります。

定めがなければ、使えません。

これらを提出した社員は、出席として扱われます。

定足数の計算にも、含まれます。

定足数を満たさないとき

出席が足りない事態も、起こります。

そのときは、議決できません。

無理に決めても、効力が問題になります。

第一に、その場では議決を行いません。

第二に、報告と意見交換だけにします。

第三に、後日あらためて総会を開きます。

第四に、書面表決の回収に努めます。

第五に、定款に予備の定めがないか確かめます。

記録には、定足数に達しなかった旨を残します。

ごまかすと、後で大きな問題になります。

出席を増やす工夫

定足数は、事前の努力で満たします。

第一に、早めに日程を知らせます。

第二に、書面表決の用紙を必ず同封します。

第三に、締切の前に一度声をかけます。

第四に、議案の内容を事前に伝えます。

判断できないと、提出してもらえません。

第五に、重い議案の年は特に働きかけます。

当日の出席だけに頼らない仕組みが要ります。

毎年ぎりぎりなら、社員の構成を見直しましょう。

特別の利害関係

議決に加われない場合も、あります。

その議案に、特別の利害関係がある社員です。

第一に、自分との取引を決める議案です。

第二に、自分の責任を免除する議案です。

第三に、自分の除名を決める議案です。

その社員は、議決に加わりません。

議事録に、その旨を記録します。

判断に迷う場合は、慎重に扱いましょう。

加わってしまうと、決議が争われる原因になります。

議長の扱い

議長も、社員なら議決権を持ちます。

ただし、定款の定めによります。

第一に、議長は議決に加わらないとする定款があります。

第二に、可否同数のとき議長が決する定款もあります。

第三に、両方を定める場合もあります。

第四に、何も書いていない定款もあります。

自分の定款が、どの型かを確かめましょう。

当日に迷わないためです。

議事録にも、扱いを明記します。

議事録に何を書くか

議決の有効性は、議事録で示します。

第一に、社員の総数を書きます。

第二に、出席した社員の数を書きます。

第三に、書面表決と委任状の数を書きます。

第四に、定足数を満たした旨を書きます。

第五に、議案ごとの賛否の数を書きます。

可決か否決かも、明記します。

数字がないと、後から検証できません。

登記や届出でも、この議事録を使います。

正確に、書きましょう。

よくある誤解

第一が、4分の3を出席者で数える誤りです。

正しくは、社員の総数が基準です。

第二が、会費の額で議決権が変わるという誤解です。

第三が、賛助会員も議決できるという誤解です。

第四が、理事会で定款変更を決められるという誤解です。

定款変更は、総会の議決事項です。

第五が、定足数に達しなくても議長判断で決められるという誤解です。

いずれも、決議の効力に関わります。

定款と法律を、確かめてから進めましょう。

定款の見直しも考える

毎年、定足数で苦労するなら見直しも選択肢です。

第一に、成立の要件が実態に合っているかを見ます。

第二に、書面表決の定めがあるかを確かめます。

第三に、電磁的方法の定めを加える形もあります。

第四に、社員の範囲が広すぎないかを見ます。

活動していない社員が多いと、分母が膨らみます。

第五に、退会の手続きが機能しているかを確かめます。

ただし、定款変更には4分の3が要ります。

定足数を満たせるうちに、手をつけましょう。

所轄庁への手続きも、確認してください。

通常の議決の要件

重い議案以外は、定款で定めた要件によります。

出席した社員の過半数、とする定款が多く見られます。

第一に、事業報告と決算の承認です。

第二に、事業計画と活動予算の承認です。

第三に、役員の選任です。

第四に、規程の制定や改正です。

定款に定めがある場合に、限られます。

第五に、その他の重要な事項です。

いずれも、定款の議決の要件で判断します。

議案ごとに、必要な多数を確かめましょう。

社員と会員は同じではない

混同されやすいのが、社員と会員です。

社員は、総会で議決権を持つ人を指します。

会員は、団体が定めた区分です。

正会員が社員に当たる、とする団体が多く見られます。

賛助会員は、議決権を持たない形が一般的です。

ただし、これは定款の書き方によります。

法律が、一律に決めているわけではありません。

自分の定款で、どの会員が社員かを確かめます。

ここを取り違えると、定足数の計算が狂います。

名簿にも、区分を明記しておきましょう。

臨時総会を開く場合

総会は、年に一度とは限りません。

必要があれば、臨時に開きます。

第一に、役員が欠けたときです。

第二に、定款を変える必要が生じたときです。

第三に、事業を大きく変えるときです。

第四に、社員から請求があったときです。

定款で定めた数の社員が、請求できます。

第五に、監事が必要と認めたときです。

臨時総会でも、定足数と議決の要件は同じです。

招集の手続きも、通常の総会と同様に行います。

決議が争われる場面

手続きに不備があると、決議が争われます。

第一に、招集の通知が届いていない場合です。

第二に、通知の期間が足りない場合です。

第三に、議題に書いていない事項を決めた場合です。

第四に、定足数を満たしていない場合です。

第五に、必要な多数に達していない場合です。

いずれも、記録から検証されます。

議事録と、招集の記録を残しておきましょう。

登記や届出の場面でも、確認されます。

手続きを守ることが、いちばんの防御になります。

総会の定足数と議決権のまとめ

総会の定足数は、法律ではなく定款で定めます。

まず自分の団体の定款を開いて、確かめてください。

議決権は、一人につき一個で平等です。

会費の額でも、在籍の長さでも変わりません。

定款変更・解散・合併は、社員総数の4分の3以上の多数が必要です。

定款に特別の定めがある場合は、それによります。

この4分の3は、出席者ではなく社員の総数が基準です。

社員の名簿を最新にし、総数を正確に把握しましょう。

書面表決と委任状は、定款の定めがあってはじめて使えます。

定足数に達しないときは議決せず、後日あらためて開きます。

社員と会員は同じではなく、どの会員が社員かは定款で決まります。

臨時総会でも、定足数と議決の要件は同じです。

招集の不備や議題外の議決は、決議が争われる原因になります。

議事録には、総数・出席数・書面表決の数・賛否の数を書いてください。

よくある質問

Q. 定足数は法律で決まっている?

A. 総会の成立の要件は法律で一律には決まっておらず、定款で定めます。自分の団体の定款を開いて確かめてください。

Q. 議決権は会費で変わる?

A. 変わりません。社員の議決権は一人につき一個で平等です。出資の額で発言力が変わる株式会社とは、ここが大きく違います。

Q. 定款変更に必要な多数は?

A. 定款に特別の定めがある場合を除き、社員総数の4分の3以上の多数です。解散と合併も同じです。

Q. 4分の3は出席者で数える?

A. 違います。社員の総数が基準です。欠席した社員も分母に入ります。社員が20人なら15人以上の賛成が必要です。

Q. 賛助会員も議決できる?

A. 通常は議決権を持ちません。ただし定款でどの会員が社員に当たるかが決まるため、必ず自分の定款を確認してください。

Q. 定足数に達しなかったら?

A. 議決を行わず、報告と意見交換だけにします。後日あらためて総会を開いてください。議事録には、定足数に達しなかった旨を残します。

Q. 書面表決は出席に数える?

A. 書面や電磁的方法で表決した社員、代理人に委ねた社員は出席として扱われ、定足数の計算にも含まれます。ただし定款に定めがあることが前提です。

Q. 社員と会員は同じ?

A. 違います。社員は総会で議決権を持つ人、会員は団体が定めた区分です。正会員が社員に当たるとする団体が多く見られますが、決めているのは定款です。名簿にも区分を明記しておきましょう。

Q. 理事会で定款を変えられる?

A. できません。定款変更は総会の議決事項で、定款に特別の定めがある場合を除き社員総数の4分の3以上の多数が必要です。

Q. 臨時総会でも要件は同じ?

A. 同じです。定足数も議決の要件も、通常の総会と変わりません。招集の手続きも同様に行ってください。

Q. 決議が争われるのはどんなとき?

A. 招集の通知が届いていない、通知の期間が足りない、議題に書いていない事項を決めた、定足数を満たしていない、必要な多数に達していない場合です。議事録と招集の記録を残しておきましょう。

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