各地域に、NPOを支える中間支援組織があります。
設立の相談から、運営の悩みまで受けてくれます。
多くは、無料または低額で利用できます。
この記事では、その使い方を解説します。
中間支援組織とは
中間支援組織は、市民活動を支える団体です。
NPO支援センターや、市民活動センターと呼ばれます。
自治体が設置し、運営を委託している例が多くあります。
民間の団体が、独自に運営している場合もあります。
支援する側も、NPO法人であることが少なくありません。
団体と行政の間に立つ役割を、担っています。
相談、情報提供、場所の提供が主な機能です。
研修や、交流の機会も設けています。
地域によって、名称も規模も違います。
どこにあるか
まず、自分の地域にあるかを調べましょう。
都道府県に、一つ以上あるのが普通です。
政令指定都市にも、設置されています。
市区町村が、独自に持っている場合もあります。
自治体のウェブサイトで、市民活動の項目を探します。
所轄庁に聞けば、教えてもらえます。
公民館や図書館に、案内が置かれていることもあります。
複数ある場合は、近い場所から当たりましょう。
広域の団体と、地元の団体で役割が違います。
| 受けられる支援 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 設立の相談 | 手続きの流れ、書類の作り方 | 無料が多い |
| 運営の相談 | 会計、労務、組織の悩み | 無料または低額 |
| 助成金の情報 | 公募の一覧、申請の助言 | 無料が多い |
| 場所の提供 | 会議室、印刷機、事務の設備 | 低額 |
| 研修 | 会計、広報、資金調達の講座 | 低額 |
| 交流の場 | 他団体とのつながり | 無料または低額 |
設立前に使う
いちばん効果が大きいのは、設立の前です。
所轄庁の事前相談と、あわせて使いましょう。
所轄庁は、法律の要件を見ます。
中間支援組織は、実務の勘所を教えてくれます。
定款の書き方で、あとから困る点も指摘してくれます。
他団体の事例を、知っているためです。
社員10人が集まらないという相談にも、応じてくれます。
そもそも法人化すべきかの相談も、できます。
手続きの前に、方針を整理する場になります。
運営の悩みを相談する
設立後も、相談できます。
会計の処理、職員の雇用、会員の減少といった悩みです。
専門的な内容は、専門家につないでくれることもあります。
無料の相談日を設けている組織もあります。
同じ悩みを抱えた団体の、経験も聞けます。
一人で抱え込むより、はるかに早く解決します。
相談すること自体に、遠慮は要りません。
そのために設置されている場所だからです。
予約が必要かどうかを、先に確認しましょう。
- 法人化すべきかどうかの判断
- 設立の手続きと書類の作り方
- 定款の書き方で困りやすい点
- 助成金や補助金の公募の情報
- 会計や労務の基本的な考え方
- 会員や担い手の集め方
- 他団体とのつながり
- 行政の担当課への相談の仕方
- 企業や大学との橋渡し
- 研修や交流会の予定
助成金の情報を得る
助成金の公募は、探すのが大変です。
中間支援組織は、情報をまとめてくれます。
一覧や、メールでの案内を出している組織もあります。
登録しておけば、自動的に届きます。
締切の直前に知る、という失敗が減ります。
申請書の書き方を、見てもらえることもあります。
採択された団体の事例を、聞ける場合もあります。
自分たちに合う公募かの判断も、相談できます。
応募して落ちた経験も、次に生きます。
場所と設備を借りる
事務所を持たない団体には、場所の提供が助かります。
会議室を、低額で借りられます。
印刷機や、紙折り機を使える場所もあります。
会報を作るときに、費用が大きく変わります。
郵便物の受け取りに、対応している組織もあります。
事務用の机を、貸し出している例もあります。
利用には、登録が必要なことが多いものです。
団体として登録しておきましょう。
設立の前でも、任意団体として登録できる場合があります。
他団体とつながる
中間支援組織の価値は、つながりにもあります。
同じ分野の団体と、知り合えます。
交流会や、研修の場で顔を合わせます。
悩みを共有できる相手ができます。
協働で事業を行う話に、発展することもあります。
会員や担い手を、紹介し合う関係も生まれます。
一団体だけでできることには、限りがあります。
地域の中で、位置づけを得ることにもなります。
行政も、そうしたつながりを見ています。
研修を活用する
中間支援組織は、研修も開いています。
会計、広報、資金調達、労務などが題材です。
低額で、実務に沿った内容が多いものです。
新しく担当になった人に、受けてもらいましょう。
基礎を学ぶ機会が、団体の中には少ないためです。
複数人で参加すると、共通の言葉ができます。
会議での議論が、かみ合いやすくなります。
年間の予定を、確認しておきましょう。
費用は、研修費として予算に入れておきます。
平時から関係を作る
困ってから駆け込むのでは、間に合いません。
平時から、顔を出しておきましょう。
交流会に、年に一度でも参加します。
担当者の名前を、覚えてもらいます。
活動報告を、届けておくのも有効です。
団体の内容を知っていれば、相談も早く進みます。
助成金の相談があったときに、声がかかることもあります。
関係は、一度の相談では作れません。
継続した接点が、いざというときに効きます。
限界を知っておく
中間支援組織にも、できないことがあります。
第一に、資金を直接くれるわけではありません。
第二に、代わりに事業を行ってはくれません。
第三に、法律上の判断を確定させる立場でもありません。
所轄庁の見解が必要な場面では、そちらへ回されます。
第四に、登記や税務の手続きは扱いません。
それぞれの専門家の業務範囲だからです。
相談の入口として使い、必要に応じてつないでもらいます。
万能ではないと理解して、使いましょう。
相談の準備をしていく
相談は、準備の量で得られるものが変わります。
第一に、活動の内容を一枚にまとめます。
誰に、何を、どこで行うかを書きます。
第二に、現在の状況を整理します。
任意団体なのか、これからなのかです。
第三に、聞きたいことを箇条書きにします。
第四に、関係する書類を持参します。
会則や、名簿の下書きがあれば持っていきます。
手ぶらで行くと、一般的な説明で終わります。
具体的な材料があるほど、具体的な助言が返ってきます。
担当者との付き合い方
中間支援組織の担当者も、人です。
関係の作り方で、得られる情報が変わります。
第一に、相談したあとに結果を報告します。
助言に従ってどうなったかを、伝えます。
第二に、感謝を言葉にします。
第三に、無理な依頼はしません。
代わりに書類を作ってほしい、といった頼み方です。
第四に、他団体の悪口を持ち込みません。
中立の立場に、置いてはいけません。
誠実に付き合えば、長く支えてもらえます。
自分たちが支える側になる
支援を受けるだけの関係で、終わる必要はありません。
経験を重ねれば、支える側にも回れます。
設立を考えている団体の相談に、乗ることができます。
交流会で、自分たちの経験を話す機会もあります。
失敗した経験ほど、他団体の役に立ちます。
中間支援組織から、依頼が来ることもあります。
地域の中で、位置づけが変わっていきます。
結果として、自分たちの信用も高まります。
受けた支援を、次の団体へ回す形になります。
企業や大学との橋渡し
中間支援組織は、行政以外ともつなげてくれます。
地域の企業が、社会貢献の相手を探していることがあります。
大学が、実習の受け入れ先を探している場合もあります。
そうした情報は、個々の団体には届きにくいものです。
中間支援組織には、集まります。
登録しておけば、候補として名前が挙がります。
団体の内容が伝わっていることが、前提になります。
活動報告を届けておく意味は、ここにもあります。
受け入れの条件を、あらかじめ整理しておきましょう。
急に話が来ても、動けるようにしておきます。
複数の組織を使い分ける
中間支援組織は、一つとは限りません。
都道府県のものと、市区町村のものがあります。
分野に特化した組織も、存在します。
福祉、環境、国際協力といった分野です。
広域の組織は、制度や助成金の情報に強いものです。
地元の組織は、地域の人や場所に詳しくなります。
分野の組織は、その領域の実務に通じています。
相談の内容によって、使い分けましょう。
一つで答えが出なくても、諦めないでください。
別の組織なら、答えを持っていることがあります。
見つからない地域もある
どの地域にも、充実した組織があるとは限りません。
人口の少ない地域では、専任の担当がいない場合もあります。
窓口が、役場の一部署だけということもあります。
その場合は、都道府県の組織を使いましょう。
電話や電子メールでの相談に、応じてくれます。
出張の相談会を、開いている組織もあります。
近隣の市の組織を、利用できる場合もあります。
在住や在勤の要件を、確認してください。
近くにないことを、諦める理由にしないでください。
中間支援組織の使い方のまとめ
中間支援組織は、相談・情報・場所・つながりを提供します。
多くは無料または低額で利用できます。
設立の前に使うと、効果がいちばん大きくなります。
所轄庁は法律の要件、中間支援組織は実務の勘所を見てくれます。
助成金の情報は、登録しておけば自動的に届きます。
会議室や印刷機を借りれば、費用が大きく変わります。
困ってから探すのではなく、平時から関係を作りましょう。
登記や税務の手続きは扱わないため、必要に応じてつないでもらいます。
相談は、活動の内容を一枚にまとめて持参すると密度が上がります。
手ぶらで行くと、一般的な説明で終わってしまいます。
広域・地元・分野別の組織を、相談の内容で使い分けましょう。
経験を重ねれば、自分たちが支える側に回ることもできます。
近くに組織がなくても、都道府県の組織が電話や電子メールで応じます。
近くにないことを、諦める理由にしないでください。
よくある質問
A. 都道府県に一つ以上あるのが普通で、政令指定都市や市区町村が独自に持つ場合もあります。自治体のウェブサイトで市民活動の項目を探すか、所轄庁に聞いてください。近くになければ、都道府県の組織が電話でも応じます。
A. 相談や情報提供は無料が多く、会議室や研修は低額です。利用に団体としての登録が必要なことが多いため、先に確認してください。
A. できます。むしろ設立前がいちばん効果的です。所轄庁が法律の要件を見るのに対し、中間支援組織は実務の勘所や他団体の事例を教えてくれます。
A. 法人化すべきかの判断、設立の手続き、定款で困りやすい点、助成金の情報、会員や担い手の集め方などです。
A. 資金を直接くれるわけではなく、代わりに事業を行うこともありません。登記や税務の手続きも扱わないため、必要に応じて専門家につないでもらいます。
A. 困ってからでは間に合いません。平時から交流会に顔を出し、活動報告を届けておくと、いざというときに相談が早く進みます。
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