一般社団法人の会員規約の作り方|盛り込む項目とポイント

一般社団法人設立
会員規約は、書き方を間違えると「書いてあるのに効力がない」条文が生まれます。定款との分担、誰が決めるか、条文例、変更のしかたまで、そのまま作業に使える形で説明します。

結論から申し上げます。

会員規約は、定款の委任を受けて、会員の実務ルールを細かく定める文書です。

法律で作成が義務づけられた文書ではありません。

ただし、社員(多くは正会員)の会費・退会・資格の得喪は、一般法人法が「定款で定める」としています。

そのため、こうした事項を規約だけに書いても、社員に対しては効力が生じないおそれがあります。

作り方の順番は、①定款に骨格と委任の条文を置く、②規約で金額や手続を決める、③変更と周知の方法を決める、の3段階です。

POINT 会員規約づくりの要点は3つです。①社員に関する事項は定款に根拠を置く、②規約を決める機関を定款で指定する、③変更したら効力発生日を決めて周知する。

会員規約とは|定款・細則との関係

一般社団法人のルールは、法律、定款、規約・規程・細則の順に重なっています。

定款は、目的や名称など法律が記載を求める事項を定めた根本規則です(一般法人法11条1項)。

設立時の定款は、公証人の認証を受けなければ効力を生じません(13条)。

会員規約は、定款の下で、入会の申込方法や会費の金額など、運営の細部を定めます。

理事は、法令と定款と社員総会の決議を守って職務を行う義務を負います(83条)。

したがって、理事会などが定款に反する内容の規約を作ることはできません。

「会員規約」「会員規程」「入会規則」など名前は法人ごとに違いますが、法律上の扱いは名前で変わりません。

文書 主な内容 決める機関の例 変更の手続
定款 目的・名称・社員の資格の得喪・機関設計など 設立時社員(公証人の認証が必要) 社員総会の特別決議(146条・49条2項4号)
会員規約 会員の種別ごとの入会手続・会費の額・退会の届出・特典など 定款で指定した機関(理事会・社員総会など) 規約に定めた手続
細則・内規 申込書の様式、振込先、事務の分担など 理事会・代表理事など 規約や細則に定めた手続

定款の変更には特別決議が必要なので、金額のように変わりやすい事項は規約に置くのが一般的です。

細則と規程の違いは細則とは?会則・規約・規程・規則との違いで説明しています。

定款に書かないと効力がない事項

定款に書かないと効力がない事項
図:定款に書かないと効力がない事項

一般法人法12条は、「この法律の規定により定款の定めがなければその効力を生じない事項」を定款に書けるとしています。

会員規約で特に注意したいのが、社員(正会員)に関する次の4つです。

1つ目は、社員の資格の得喪です。定款に必ず書く事項とされています(11条1項5号)。

2つ目は、会費です。社員は「定款で定めるところにより」経費を支払う義務を負います(27条)。

3つ目は、退会の予告期間などの制限です。社員はいつでも退社できるのが原則で、別段の定めは定款でします(28条1項)。

4つ目は、会費の滞納などを理由とする当然退会です。法律上の退社事由は「定款で定めた事由の発生」です(29条1号)。

これらを規約だけに書くと、社員から「定款に根拠がない」と争われる余地が残ります。

事項 定款に必要なこと 規約に任せられること 根拠
社員の資格の得喪 誰が社員か、どうすれば社員でなくなるかの骨格 入会申込書の様式・承認の手順 11条1項5号
会費(経費の負担) 社員が経費を負担すること、額を決める機関 金額・口数・納期・納付方法 27条
退会の予告期間 「〇か月前に予告」などの制限 退会届の様式・提出先 28条1項
当然退会(みなし退会) 「会費を〇年滞納したとき退会」などの事由 督促の回数・通知の方法 29条1号
除名 正当な事由があるとき社員総会の決議で行うこと(法律の定め) 除名事由の例示・事前の注意の手順 30条1項

やむを得ない事由があれば、定款で予告期間を定めていても、社員はいつでも退社できます(28条2項)。

除名は社員総会の決議が必要で、規約で理事会の権限にすることはできません(30条1項)。

一方、社員ではない賛助会員などは、これらの条文の対象ではありません。

賛助会員との関係は、入会のときの合意と規約で決まります。

会員の種類と社員との関係は賛助会員とは?正会員との違いで整理しています。

会員規約を決める機関と、定款の委任条項

規約を誰が決めるかは、機関設計と定款の書き方で決まります。

理事会を置く法人では、業務執行の決定は理事会の職務です(90条2項1号)。

理事会設置法人の社員総会は、法律と定款で定めた事項に限り決議できます(35条2項)。

そのため、規約を社員総会で決めたいなら、定款にその旨を書いておく必要があります。

理事会を置かない法人では、業務は理事の過半数で決めるのが原則です(76条2項)。

この場合の社員総会は、法人に関する一切の事項を決議できます(35条1項)。

どの機関に決めさせるかを定款に明記しておくと、規約の有効性を説明しやすくなります。

機関設計 規約を決める機関の例 定款の書き方の例
理事会設置法人・規約は理事会 理事会 「会員に関し必要な事項は、理事会の決議により別に定める」
理事会設置法人・規約は社員総会 社員総会 「会員規約は、社員総会の決議により定める」(35条2項のため定款に必要)
理事会設置法人・会費額だけ総会 会費額は社員総会、その他は理事会 「会費の額は社員総会で定め、その他の事項は理事会が別に定める」
理事会非設置法人 理事の過半数または社員総会 「会員に関し必要な事項は、理事の過半数をもって別に定める」
定款の委任条項の記載例(理事会設置法人)

第〇条(会員の種別)当法人の会員は、次の2種とし、正会員をもって一般社団法人及び一般財団法人に関する法律上の社員とする。(1)正会員(2)賛助会員

第〇条(経費の負担)正会員は、当法人の事業活動に経常的に生じる費用に充てるため、社員総会において別に定める額を支払う義務を負う。

第〇条(任意退会)正会員は、理事会が別に定める退会届を提出することにより、任意にいつでも退会することができる。

第〇条(会員資格の喪失)正会員が次のいずれかに該当するときは、その資格を喪失する。(1)会費の支払義務を2年以上履行しなかったとき(2)総正会員が同意したとき(3)死亡し、又は解散したとき

第〇条(会員規約)この定款に定めるもののほか、会員に関し必要な事項は、理事会の決議により別に定める会員規約による。

※一般的な書き方の一例です。会費の額を理事会に任せる、予告期間を設けるなど、法人の方針に合わせて調整します。

会員規約の構成|章立てと各条の役割

会員規約は、次の順番で条文を並べると読み手が迷いません。

最初に目的と定義を置き、定款のどの条文にもとづく規約かを示します。

次に、入会、会費、権利と義務、退会と資格喪失、個人情報、変更の順に並べます。

最後に附則で、施行日と、既存会員への適用関係を書きます。

会員の種別ごとにルールが違う箇所は、同じ条の中で「正会員は〜、賛助会員は〜」と書き分けます。

章・条 書く内容 注意点
目的・定義 規約の目的、定款の根拠条文、用語の定義 「会員」「正会員」「社員」の関係を定款と一致させる
会員の種別 種別と入会資格(個人・団体) 種別そのものは定款と同じ区分にする
入会 申込方法、承認する機関、承認の通知 承認しない場合の通知の有無も決める
会費 種別ごとの額・口数、納期、方法、途中入会、返金 社員の会費は定款の根拠が前提
権利・特典 会報、催しへの参加、名簿掲載など 社員の法律上の権利を規約で狭めない
義務・禁止事項 規約の遵守、届出事項の変更の届出、禁止行為 禁止行為は具体的に書く
退会・資格喪失 退会届、当然退会の事由、除名 社員分は定款と同じ内容にする
個人情報 利用目的、第三者提供、管理 個人情報保護法に沿わせる
規約の変更 変更する機関、周知の方法、効力発生日 定型約款の変更ルールも意識する
附則 施行日、経過措置 既存会員への適用を明記する

会員規約のひな形(条文例)

理事会設置法人で、正会員を社員とし、賛助会員を社員としない一般的な形を前提にした例です。

金額・期間・口数は、法人の実情に合わせて決めてください。

社員に関する部分は、上の定款例と同じ内容にそろえています。

一般社団法人〇〇会 会員規約(例)

第1条(目的)この規約は、定款第〇条の規定にもとづき、当法人の会員の入会、会費、退会その他会員に関し必要な事項を定める。

第2条(会員の種別)当法人の会員は、定款第〇条に定める正会員及び賛助会員とする。2 正会員は、定款の定めにより一般社団法人及び一般財団法人に関する法律上の社員とする。

第3条(入会)会員になろうとする者は、所定の入会申込書を提出し、理事会の承認を受けなければならない。2 当法人は、承認の可否を申込者に書面又は電子メールで通知する。

第4条(会費)会費の年額は次のとおりとする。(1)正会員 社員総会で定める額(2)賛助会員 1口〇円とし、個人は1口以上、団体は〇口以上

2 会費の年度は当法人の事業年度と同じとし、会員は年度の初めから〇か月以内に一括して納める。

3 年度の途中で入会した者の当該年度の会費は、〇〇とする。(例:全額/入会月から月割り)

4 既に納めた会費は、退会その他の理由で会員資格を失った場合でも返還しない。ただし、理事会が特に認めた場合はこの限りでない。

第5条(会員の特典)会員は、当法人の会報の送付を受け、当法人が主催する催しに会員料金で参加することができる。

第6条(届出)会員は、氏名、住所、連絡先その他入会時に届け出た事項に変更があったときは、遅滞なく当法人に届け出なければならない。

第7条(禁止事項)会員は、当法人の名称を許可なく営業活動に使用する行為その他当法人の信用を傷つける行為をしてはならない。

第8条(退会)会員は、所定の退会届を提出して任意に退会することができる。

第9条(資格の喪失)正会員の資格の喪失は、定款第〇条の定めによる。2 賛助会員が会費を2年以上納めなかったときは、その資格を失う。

第10条(除名)正会員の除名は、定款及び法律の定めるところにより、社員総会の決議による。2 賛助会員が第7条に違反したときは、理事会の決議により除名することができる。この場合、事前に弁明の機会を与える。

第11条(個人情報)当法人は、会員の個人情報を、会員管理、会費の請求、会報の送付及び事業の案内に利用し、法令に定める場合を除き、本人の同意なく第三者に提供しない。

第12条(規約の変更)この規約の変更は、理事会の決議による。2 当法人は、変更の内容及び効力発生日を、効力発生日の〇日前までに当法人のウェブサイトへの掲載その他適切な方法で会員に周知する。

附則 この規約は、令和〇年〇月〇日から施行する。施行前に入会した会員にも適用する。

※あくまで一般的な条文例です。第4条4項の返還しない定めは、次の節で説明する消費者契約法との関係を確認してから使ってください。

会費の条文で決めておくこと

会費の条文は、問い合わせとトラブルがもっとも多い部分です。

金額だけでなく、いつ、どの期間の分を、どう払うかまで書いておくと運用がぶれません。

正会員の会費は、定款で額を決める機関を指定したうえで、その機関の決定を規約に書き写す形にします(27条)。

賛助会費は、口数制にしておくと、個人と団体で金額を変えやすくなります。

支払いが遅れたときの扱いは、督促の回数と、資格を失う時点をセットで書きます。

未納への具体的な対応は、会費を払わない会員への対処法で扱っています。

会費の条文に入れる項目

  • 種別ごとの年額(正会員は社員総会などの決定に従う旨)
  • 会費の対象期間(事業年度と同じか、入会日から1年か)
  • 納期と納付方法(振込・口座振替・カード決済など)
  • 年度途中で入会した場合の扱い(全額・月割りなど)
  • 退会や資格喪失のときに返金するかどうか
  • 会費を値上げ・値下げするときの手続と周知の時期
  • 滞納したときの督促と、資格を失う時点

会費の額の決め方そのものは、一般社団法人の会費の決め方で説明しています。

規約の変更手続と周知のしかた

規約の変更手続と周知のしかた
図:規約の変更手続と周知のしかた

会員規約を変更するときは、規約自身に定めた手続に従います。

会費の額を社員総会で決めている場合は、規約を変える前に社員総会の決議が必要です。

多くの会員に同じ内容で適用する規約は、民法の「定型約款」に当たる場合があります。

定型約款とは、不特定多数を相手に画一的に行う取引のために準備された条項の総体です(民法548条の2第1項)。

定型約款に当たる場合、会員の同意を個別に取らずに変更できるのは、次のどちらかのときに限られます(548条の4第1項)。

1つは、変更が相手方の一般の利益に適合するときです(同項1号)。会費の値下げや特典の追加がこれに当たります。

もう1つは、変更が契約の目的に反せず、必要性・内容の相当性・変更条項の有無などに照らして合理的なときです(同項2号)。

どちらの場合も、効力発生時期を定め、変更の内容と時期をインターネットなどで周知します(548条の4第2項)。

2号による変更は、効力発生時期までに周知しなければ効力を生じません(同条3項)。

1
変更案を作る
どの条文を、なぜ変えるのかを理由とともに整理する
▼
2
定款と照らし合わせる
社員の会費や退会の事由なら、先に定款変更が要るか確認する
▼
3
規約で定めた機関で決議する
理事会・社員総会など。議事録に変更後の全文を添付する
▼
4
効力発生日を決める
会員が準備できる期間をとる
▼
5
会員に周知する
ウェブサイト掲載・メール・会報など。変更前と変更後を対照で示す
▼
6
効力発生日から運用する
申込書・案内文・ウェブサイトの文面も差し替える

会員規約が定型約款に当たるかは、会員との関係の実態で判断されます。

当たらない場合でも、変更の手続と周知の方法を規約に書いておけば、会員に説明しやすくなります。

消費者契約法で無効になり得る条項

消費者契約法は、法人その他の団体を「事業者」としています(2条2項)。

事業と関係なく入会する個人との会員契約は、消費者契約に当たり得ます(2条1項・3項)。

賛助会員や、催しへの参加を目的とする個人会員の規約では、次の条項に注意します。

法人の債務不履行や不法行為による損害の賠償責任を、全部免除する条項は無効です(8条1項1号・3号)。

故意・重大な過失による損害について、責任の一部を免除する条項も無効です(同項2号・4号)。

解除に伴う損害賠償の予定や違約金が、同種の契約で生じる平均的な損害を超えるときは、超える部分が無効です(9条1項1号)。

支払遅延の損害金は、年14.6%を超える部分が無効です(9条1項2号)。

さらに、消費者の権利を制限し、信義則に反して消費者の利益を一方的に害する条項は無効です(10条)。

条項の例 問題になり得る条文 書き方の工夫
「当法人はいかなる損害も一切責任を負わない」 8条1項1号・3号 「当法人の故意又は重大な過失による場合を除き」などと範囲を限る
「退会しても会費は理由を問わず返還しない」 9条1項1号(損害賠償の予定・違約金と評価される場合) 返還しない理由と範囲を説明できるようにし、例外の手続も書く
「滞納した会費には年20%の遅延損害金」 9条1項2号 年14.6%以内にする
「会員から異議がなければ自動で上位会員に移行する」 10条(不作為による申込みのみなし) 本人の申込みを取ってから移行する

正会員(社員)の会費のように、団体の構成員としての関係にもとづく定めは、消費者契約法の適用関係が一律ではありません。

規約の個別の条項が無効になるかどうかの判断は、弁護士に確認してください。

個人情報の条項の書き方

会員名簿を検索できるように整理して事業に使っている一般社団法人は、個人情報取扱事業者に当たります(個人情報保護法16条1項・2項)。

個人情報を扱うときは、利用目的をできる限り特定しなければなりません(17条1項)。

入会申込書のように、本人から書面で直接取得するときは、あらかじめ利用目的を明示します(21条2項)。

利用目的を会員規約に書き、入会申込書にもその利用目的を記載しておくと、明示の方法になります。

会員名簿を他の会員や協力団体に渡すことは、原則として本人の同意が必要な第三者提供です(27条1項)。

名簿を会員同士で共有するなら、その旨と範囲を規約と申込書に書いておきます。

個人情報の条項で確認すること

  • 利用目的を具体的に列挙しているか(会員管理・会費請求・会報送付など)
  • 入会申込書で利用目的を明示しているか
  • 会員名簿を会員に配る場合、掲載項目と本人の同意の取り方を決めているか
  • 外部の業者(発送代行・決済代行など)に預ける場合の管理を決めているか
  • 退会した会員の情報をいつまで保管し、どう消去するかを決めているか

個人情報保護法の対応は一般社団法人・NPO法人の個人情報の取扱いでくわしく扱っています。

会員規約を作る手順

会員規約は、定款を確認するところから始めます。

定款に会員の種別や委任の条文がなければ、規約より先に定款変更が必要です。

定款変更は社員総会の特別決議で行います(146条・49条2項4号)。設立後の定款変更には、公証人の認証は要りません。

規約の案ができたら、入会申込書・退会届・会費の案内など、規約を引用する書式もそろえて作ります。

1
定款を読む
会員の種別、社員の範囲、会費・退会・資格喪失の定め、規約を決める機関を確認する
▼
2
定款の不足を直す
委任条項や当然退会の事由がなければ、社員総会の特別決議で定款を変更する
▼
3
規約の案を作る
この記事の条文例を土台に、金額・期間・特典を法人の実情に合わせる
▼
4
関係する書式を作る
入会申込書・退会届・会費請求書に、規約への同意欄と利用目的を入れる
▼
5
定款で指定した機関で決議する
議事録に規約の全文を添付して保存する
▼
6
施行日を決めて周知する
既存会員への適用関係を附則に書き、ウェブサイトなどで公開する

入会申込書・退会届の様式は団体の書式テンプレート集に載せています。

よくある誤解

誤解1:会員規約は公証人の認証が必要。認証が必要なのは設立時の定款です(13条)。会員規約に認証の手続はありません。

誤解2:規約に書けば正会員の会費も退会事由も決められる。

社員の会費は「定款で定めるところにより」負担し(27条)、退社事由も「定款で定めた事由」です(29条1号)。

誤解3:規約で理事会が正会員を除名できる。社員の除名は、正当な事由があるときに社員総会の決議で行います(30条1項)。

誤解4:規約は理事会がいつでも自由に変えられる。

規約に定めた手続に従う必要があり、定型約款に当たれば民法548条の4の要件と周知も求められます。

誤解5:「一切責任を負わない」と書いておけば安心。

消費者との契約では、責任の全部免除の条項は無効です(消費者契約法8条1項)。

誤解6:ひな形の数字をそのまま使えばよい。会費の額や滞納の期間は、定款の定めと一致していなければ運用できません。

一般社団法人の会員規約についてよくある質問

Q. 一般社団法人に会員規約は必須ですか?

A. 法律上の作成義務はありません。ただし社員の会費や退会事由は定款に根拠が必要なので(一般法人法27条・29条1号)、定款の委任を受けて実務の細部を規約で定める形が一般的です。

Q. 会員規約は誰が決めますか?

A. 定款で指定した機関です。理事会設置法人の業務執行は理事会が決め(90条2項1号)、社員総会で決めるなら定款への記載が必要です(35条2項)。

Q. 正会員の会費の額を規約だけで決めてよいですか?

A. 社員は「定款で定めるところにより」経費を負担します(27条)。定款で額を決める機関を指定し、その決定を規約に書く形にします。

Q. 会費を滞納した正会員を自動的に退会扱いにできますか?

A. 定款に「会費を〇年滞納したとき資格を失う」などの事由を書けば、退社事由になります(一般法人法29条1号)。規約だけでは足りません。

Q. 会員規約を変えたら全員の同意が必要ですか?

A. 規約に定めた手続によります。定型約款に当たる場合は、会員の一般の利益に適合するか合理的な変更であれば、周知のうえ個別の同意なく変更できます(民法548条の4)。

Q. 「退会時に会費は返還しない」と書いても有効ですか?

A. 消費者との契約で損害賠償の予定や違約金と評価されると、平均的な損害を超える部分は無効です(消費者契約法9条1項1号)。返還しない理由を説明できるようにしておきます。

Q. 会員名簿を他の会員に配ってもよいですか?

A. 原則として本人の同意が必要な第三者提供に当たります(個人情報保護法27条1項)。規約と入会申込書で掲載項目と同意を取っておきます。

Q. 会員規約の変更に登記は必要ですか?

A. 会員規約は登記事項ではないため、規約の変更だけで登記は要りません。定款の変更を伴っても、登記事項が変わらなければ登記は不要です(一般法人法301条2項)。

【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、正確性・最新性に配慮していますが、内容の完全性・正確性を保証するものではありません。法令・制度・税制は改正される場合があり、個別の事情により取り扱いが異なることもあります。本記事の情報を利用して行われた一切の行為およびその結果について、当サイトおよび筆者は責任を負いかねます。実際のお手続きや判断にあたっては、必ず公的機関の最新情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。