一般社団法人で高齢者の居場所・サロンを運営する方法とメリットを解説

一般社団法人法
お茶を飲みながら話せる場所、体操や趣味の集まりを、地域の高齢者のために続けたい。そのときに知っておきたい市町村の支援の仕組みと、法人にする意味を説明します。

結論から申し上げます。

高齢者の居場所・サロンは、許可なしで始められる住民の活動です。

一方で、市町村は介護保険法の地域支援事業として、こうした通いの場を補助や委託で支える仕組みを持っています(介護保険法115条の45)。

厚生労働省の調査では、令和6年度の通いの場は全国で162,946か所あり、主な運営主体の69.1%が住民団体でした。

一般社団法人にすると、会場の契約や市町村との委託契約、補助金の受け皿を法人の名義で持てます。

POINT 始めるのに許可は不要です。ただし、食事を出すとき(食品衛生法)と料金を取って送迎するとき(道路運送法)は別の手続が関係します。市町村の補助を受けるなら、要綱の条件を先に確かめます。

国の調査で見る「通いの場」の実態

厚生労働省は、介護予防に資する住民主体の通いの場を毎年調べています。

調査の対象は、体操や趣味活動などを行い、住民が主体的に取り組み、月1回以上活動している場です。

運営主体は住民に限らず、市町村の財政的支援を受けていない場も含みます。

令和6年度は162,946か所で、高齢者人口に対する参加率は6.9%でした。

主な活動は体操(運動)が54.2%で最も多く、趣味活動19.7%、茶話会13.1%と続きます。

主な活動場所は、公民館・自治会館・集会所が81.5%を占めます。

開催頻度は「週1回以上」が39.0%で最も多くなっています。

1か所1回あたりの参加者は「1〜20人」が81.9%で、小さな集まりが中心です。

項目 令和6年度の調査結果
通いの場の数 162,946か所
参加率(参加者実人数÷65歳以上人口) 6.9%
主な活動内容 体操(運動)54.2%、趣味活動19.7%、茶話会13.1%、認知症予防3.5%、会食2.6%
主な運営主体 住民団体69.1%、住民個人19.0%、社会福祉協議会4.4%
主な活動場所 公民館・自治会館・集会所81.5%
開催頻度 週1回以上39.0%が最多
1回あたりの参加者 1〜20人が81.9%

出典は厚生労働省「介護予防・日常生活支援総合事業等(地域支援事業)の実施状況(令和6年度実施分)に関する調査結果(概要)」です。

法人が運営する居場所は少数派です。

法人化は、規模が大きくなった団体や、委託・補助を継続して受けたい団体の選択肢といえます。

介護保険の「地域支援事業」と居場所の関係

市町村は、介護保険法にもとづき介護予防・日常生活支援総合事業を行います(115条の45第1項)。

この総合事業は大きく2つに分かれます。

1つは、要支援者などを対象に、訪問・通所・生活支援を行う事業です(同項1号。「第1号事業」と呼ばれます)。

もう1つは、65歳以上の第1号被保険者全体を対象に介護予防を進める事業です(同項2号)。

ガイドラインでは「一般介護予防事業」と呼ばれています。

住民の通いの場は、主にこの一般介護予防事業の中で支援されてきました。

市町村は、地域の支え合いの体制を整える事業も行います(115条の45第2項5号)。

生活支援コーディネーターや協議体は、この事業の中で置かれます。

認知症の人への総合的な支援を行う事業もあります(同項6号)。

地域支援事業の区分 対象 居場所との関係 条文
第1号事業(サービス・活動事業) 要支援者など 住民主体の通いの場を補助・委託で位置づけることがある 115条の45第1項1号
一般介護予防事業 第1号被保険者(65歳以上) 通いの場の立ち上げ・運営の支援 同項2号
生活支援体制整備事業 被保険者 生活支援コーディネーターが地域の資源をつなぐ 同条2項5号
認知症総合支援事業 認知症の人とその家族など 認知症の人や家族が集う場づくりとの連携 同条2項6号

どの事業でどう支援するかは市町村ごとに違います。

まず市町村の介護保険担当課か地域包括支援センターに、地域の通いの場の支援制度を尋ねます。

市町村が住民の活動を支える4つの方法

厚生労働省の総合事業のガイドラインは、サービス・活動事業の実施方法を4つ示しています。

①市町村の直接実施、②指定事業者による実施、③委託による実施、④補助・助成による実施です。

指定事業者の制度は、介護保険法115条の45の3にもとづきます。

委託については、市町村は基準に適合する者に総合事業の実施を委託できます(115条の47第5項)。

住民主体の活動では、その自主性を損なわないよう、補助・助成の方法も使えるとされています。

ガイドラインは、市町村が住民主体の支援に一部運営費補助を行うなど、住民主体の活動を積極的に支援することが望ましいとしています。

実施方法 しくみ 居場所の運営団体から見ると
①市町村の直接実施 市町村の職員が直接支援する 運営団体の関与は少ない
②指定事業者による実施 市町村長が指定した事業者のサービス利用に支給費を出す(115条の45の3) 基準を満たし指定を受ける必要がある
③委託による実施 市町村が事業の実施を委託する(115条の47第5項) 委託契約を結び、市町村の仕様に沿って実施する
④補助・助成による実施 市町村が活動の経費に補助金・助成金を出す 自主性を保ちながら運営費の一部を受けられる

補助・助成の対象経費について、ガイドラインは活動に係る間接経費の範囲内で市町村が定めるものとしています。

直接経費は対象にできず、施設整備の費用も対象外とされています。

補助の額や対象経費の細目は、市町村の補助要綱で決まります。申請前に要綱を取り寄せて読み込みます。

任意団体のままか、一般社団法人にするか

任意団体のままか、一般社団法人にするか
図:任意団体のままか、一般社団法人にするか

住民の集まりとして始め、任意団体のまま続ける居場所が大多数です。

法人化を考えるのは、次のような場面です。

空き家や空き店舗を借りて常設の居場所にする場合、賃貸借契約が代表者個人の名義になると、代表者の交代で契約が宙に浮きます。

市町村と委託契約を結ぶ場合、相手方として法人格を求められることがあります。

補助金や寄付が増えると、お金の管理を個人の口座から切り離す必要が出てきます。

一般社団法人は、社員2人以上で定款を作り、公証人の認証と登記で設立できます(一般法人法10条1項・13条・22条)。

NPO法人も選べます。「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」はNPO法の別表1号に挙がっています。

公益社団法人を目指す場合は、「高齢者の福祉の増進を目的とする事業」が公益目的事業の種類に入っています(公益認定法別表4号)。

比較項目 任意団体 一般社団法人 NPO法人
設立手続 不要 定款認証+登記 所轄庁の認証+登記
必要な人数 決まりなし 社員2人以上・理事1人以上 社員10人以上・理事3人以上・監事1人以上
設立の法定費用 0円 定款認証5万円+登録免許税6万円 0円
設立までの期間の目安 すぐ 認証と登記の準備がそろえば短期間 認証の審査に数か月
契約・口座の名義 代表者個人になりがち 法人名義 法人名義
毎年の公開・報告 規約しだい 貸借対照表の公告 事業報告書等の所轄庁への提出

任意団体からの移行は任意団体を一般社団法人にするにはで、NPO法人との比較は一般社団法人とNPO法人どっちを選ぶ?で説明しています。

一般社団法人の設立の流れと費用

一般社団法人の設立の流れと費用
図:一般社団法人の設立の流れと費用

設立時社員が共同して定款を作り、全員が署名または記名押印します(一般法人法10条1項)。

定款には、目的・名称・主たる事務所の所在地・設立時社員の氏名と住所・社員の資格の得喪・公告方法・事業年度を必ず書きます(11条1項)。

定款は公証人の認証を受けて効力を生じます(13条)。手数料は5万円です(公証人手数料令35条3号)。

設立登記の登録免許税は1件6万円です(登録免許税法別表第一24号(一)ロ)。

法人は、主たる事務所の所在地で設立の登記をした日に成立します(一般法人法22条)。

名称には「一般社団法人」の文字を入れます(5条1項)。

1
中心メンバーと役割を決める
設立時社員2人以上、理事1人以上(一般法人法10条1項・60条1項)
▼
2
市町村の支援制度を確かめる
補助要綱・委託の条件・法人格の要否を聞いておく
▼
3
定款を作る
目的に居場所の運営・介護予防・生活支援の事業を書く(11条1項)
▼
4
公証役場で定款の認証を受ける
手数料5万円(公証人手数料令35条3号)
▼
5
法務局に設立登記を申請する
登録免許税6万円。登記の日に成立(22条)
▼
6
口座開設・会場の契約を法人名義に切り替える
任意団体時代の備品や預金を法人へ移す記録を残す
定款の目的の記載例(抜粋)

第〇条(目的)当法人は、地域の高齢者が身近な場所で交流し、心身の健康を保ちながら暮らし続けられる地域づくりに寄与することを目的とし、その目的に資するため、次の事業を行う。

(1)高齢者の居場所及びサロンの設置運営

(2)体操、趣味活動、茶話会その他の介護予防及び交流のための事業

(3)高齢者の日常生活の支援に関する事業

(4)地方公共団体その他の関係機関から受託する事業

(5)その他当法人の目的を達成するために必要な事業

市町村からの委託を見込むなら、受託事業を目的に入れておくと範囲の説明がしやすくなります。実際の文言は事業計画に合わせて作ります。

設立の全体像は一般社団法人の設立の流れで説明しています。

この記事の位置づけ

本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。

  • 設立登記など登記申請の手続きは司法書士が取り扱う業務です。ご自身で法務局へ申請することもできます。

会場の確保と開催の頻度

国の調査では、通いの場の主な活動場所の81.5%が公民館・自治会館・集会所です。

公共施設は使用料が安い反面、予約の取り方や利用団体の登録が必要なことがあります。

法人名義で団体登録をしておくと、担当者が替わっても予約を続けやすくなります。

空き家や空き店舗を常設の居場所にする場合は、賃貸借契約の名義と、改修費や光熱費の負担を事前に決めます。

開催の頻度は、調査では週1回以上が最も多い区分です。

市町村の補助では、開催頻度や参加人数を交付の条件にしていることがあるため、要綱の条件に合わせて計画を立てます。

会場を決める前の確認

  • 高齢者が歩いて通える距離か、段差や階段はないか
  • トイレが使いやすく、車いすでも入れるか
  • お湯を沸かしたり、簡単な調理をしたりできる設備があるか
  • 体操ができる広さと、椅子の数が足りるか
  • 使用料・予約方法・団体登録の要否を確認したか
  • 緊急時に救急車が近くまで入れるか

お茶や食事を出すとき(食品衛生法)

食品衛生法の「営業」は、業として食品を調理・販売等することです(4条7項)。

飲食店営業など政令で定める営業は、都道府県知事の許可が必要です(54条・55条1項)。

許可の対象外の営業も、多くはあらかじめ届出が必要です(57条1項)。

営業以外でも、施設で継続的に不特定または多数の人に食品を出す場合は、施設基準(54条)や届出(57条)などの規定が準用されます(68条3項)。

ペットボトルのお茶や個包装の菓子を配る程度か、その場で調理した食事を出すかで、扱いが変わり得ます。

どれに当たるかは、管轄の保健所が提供の形や設備を聞いて判断します。会食を始める前に保健所へ相談します。

提供の形(例) 確認すること
市販のお茶・個包装の菓子を出す 保管の温度と賞味期限の管理
その場で調理した食事を出す(会食) 保健所に許可・届出の要否を相談する
参加者の持ち寄り 持ち寄りの範囲と保存方法をルール化する
弁当を取り寄せて配る 許可を受けた業者からの購入と、配るまでの保管

食事の衛生管理の考え方は一般社団法人で子ども食堂を運営する方法でも詳しく説明しています。

送迎をするとき(道路運送法)

居場所への送迎は、参加の大きな助けになります。

ただし、自家用自動車は、法律の定める場合を除いて有償で運送に使ってはならないとされています(道路運送法78条)。

例外の一つが、市町村やNPO法人などが国土交通大臣の登録を受けて行う自家用有償旅客運送です(78条2号・79条)。

ガソリン代などの実費の範囲を超える謝礼を受け取る送迎は、有償の運送とみなされるおそれがあります。

無償で送迎する場合でも、事故の際の補償と運転者の確保の問題は残ります。

送迎を計画するときは、市町村の交通担当課や運輸支局に、どの形なら可能かを相談します。

登録制度の詳細は福祉有償運送はNPO法人・一般社団法人などの非営利団体しかできないで解説しています。

安全・保険・個人情報への備え

高齢者の集まりでは、転倒や体調の急変への備えが欠かせません。

参加者の緊急連絡先と、かかりつけ医などの情報を、本人の同意を得て把握しておきます。

体操を行う場合は、無理をしない声かけと、参加前の体調確認を習慣にします。

運営者やボランティアのけがと、参加者への賠償に備えて、ボランティア保険などへの加入を検討します。

参加者名簿は個人情報です。法人が名簿を事業に使えば、個人情報保護法のルールの対象になります。

名簿を見られる人、保管場所、写真をチラシやWebに載せるときの同意の取り方を決めておきます。

開催日ごとの安全確認

  • 参加者の体調確認(顔色・食欲・服薬の有無)をしたか
  • 床の水濡れ・コード類・段差など転倒の原因を取り除いたか
  • 最寄りのAEDの場所と、救急車を呼ぶ担当者を決めたか
  • 緊急連絡先の一覧を会場に持参したか
  • 参加者の出欠を記録したか(欠席が続く人への声かけに使う)

保険の選び方はボランティア保険とは、名簿の扱いは一般社団法人・NPO法人の個人情報の取扱いで説明しています。

運営資金:参加費・補助金・助成・寄付

居場所の運営費は、会場費、お茶や材料の費用、講師への謝礼、保険料、通信費などです。

収入は、参加費、会費、市町村の補助、民間の助成、寄付が中心です。

一般社団法人の社員は、定款で定めるところにより経費を支払う義務を負います(一般法人法27条)。

老人福祉法は、地方公共団体に、老人の福祉を増進する事業を行う者への適当な援助に努めるよう求めています(13条2項)。

市町村の補助は、立ち上げ時の備品や、運営費の一部を対象にするものがあります。対象経費と上限は要綱で決まります。

社会福祉協議会がサロン活動の相談や助成を行っている地域もあります。

補助と助成を組み合わせる場合は、同じ経費に二重に充てていないかを確かめます。

収入の種類 特徴 注意点
参加費 1回ごとに少額を集める 金額・使い道を参加者に示す
会費 年会費・月会費で安定する 定款か規約に決め方を定める(一般法人法27条)
市町村の補助 運営費の一部や立ち上げ費用が対象になり得る 補助要綱の対象経費・報告義務を守る
民間の助成 財団や共同募金などの公募 申請時期と実績報告の期限を管理する
寄付 個人・企業からの支援 受領の記録と使途の報告を残す

助成金の探し方は一般社団法人は補助金・助成金を受けられる?で解説しています。

税金の基本

一般社団法人には、法人税法上の「非営利型法人」の類型があります(法人税法2条9号の2)。

非営利型法人などの公益法人等は、収益事業を行う場合などに限って法人税の納税義務を負います(4条1項)。

収益事業は、販売業・製造業その他の政令で定める事業で、継続して事業場を設けて行われるものをいいます(2条13号)。

参加費、会食の代金、手作り品の販売、市町村からの委託料がどう扱われるかは、事業の内容と実態で判断が分かれます。

非営利型に当たらない一般社団法人は、株式会社と同じく全ての所得が課税の対象です。

非営利型になる要件は非営利型一般社団法人とはで説明しています。

この記事の位置づけ

本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。

  • 税務の取扱いは、収入の性質や事業の実態によって結論が変わります。具体的な判定や税額の計算については、税理士または所轄の税務署へご確認ください。

スタッフに謝礼を払う・人を雇うとき

居場所の運営は、多くがボランティアで支えられています。

交通費などの実費の支給にとどめるか、時間に応じた謝礼を払うかで、扱いが変わることがあります。

指揮命令を受けて働き、その対価として支払いを受けている実態があれば、労働者に当たる可能性があります。

労働者に当たると、最低賃金や労働保険などのルールがかかわります。

常設の居場所で職員を雇う場合は、雇用契約と社会保険の手続が必要になります。

この記事の位置づけ

本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。

  • 社会保険・労働保険の加入手続きは、社会保険労務士が取り扱う業務です。

法人化した後に毎年かかる事務

一般社団法人になると、法律で決まった事務が毎年発生します。

事業年度ごとに、貸借対照表・損益計算書と事業報告を作ります(一般法人法123条2項)。

定時社員総会は、毎事業年度の終了後一定の時期に招集します(36条1項)。

総会の後は、遅滞なく貸借対照表を公告します(128条1項)。

理事の任期は、選任後2年以内に終わる事業年度の定時社員総会の終結の時までです(66条)。

再任でも、理事の変更登記を2週間以内にする必要があります(303条)。

社員が1人もいなくなると、法人は解散します(148条4号)。

担い手の高齢化に備えて、社員と役員の世代交代を計画しておきます。

時期 事務 根拠
事業年度の終了後 計算書類・事業報告の作成 一般法人法123条2項
決算の後 定時社員総会の開催 36条1項
総会の後 貸借対照表の公告 128条1項
理事の任期満了ごと(最長約2年) 役員の選任と変更登記(2週間以内) 66条・303条
補助・委託を受けた年度 実績報告・収支報告の提出 市町村の補助要綱・委託契約

よくある誤解

誤解1:サロンを開くには市町村の許可が要る。

居場所の運営そのものに許可制度はありません。

補助を受けるときに、要綱にもとづく申請や登録が必要になります。

誤解2:法人でないと市町村の補助は受けられない。

国の調査でも、通いの場の運営主体の多くは住民団体や住民個人です。

法人格を求めるかは補助要綱しだいです。

誤解3:補助金は何にでも使える。

総合事業の補助・助成の対象経費は、活動に係る間接経費の範囲内で市町村が定めるものとされ、施設整備の費用は対象外です。

誤解4:お茶やお菓子を出すだけなら何も気にしなくてよい。

食品の提供の形によっては、保健所への許可や届出が問題になります。

迷ったら保健所に相談します。

誤解5:ガソリン代程度なら送迎でお金を受け取ってもよい。

実費の範囲を超える謝礼を受け取る送迎は、有償の運送とみなされるおそれがあります(道路運送法78条)。

誤解6:ボランティアなら謝礼をいくら払っても雇用にはならない。名目ではなく、働き方と支払いの実態で判断されます。

一般社団法人で高齢者の居場所・サロンを運営するときのよくある質問

Q. 高齢者のサロンを始めるのに届出は必要ですか?

A. 居場所やサロンの運営そのものに許可・届出の制度はありません。ただし食事を出す場合は保健所への許可・届出(食品衛生法55条1項・57条1項・68条3項)、料金を取る送迎は道路運送法の登録(78条・79条)が問題になります。

Q. 市町村の補助はどの法律にもとづいていますか?

A. 市町村は介護保険法115条の45にもとづき地域支援事業を行い、その中の総合事業で住民主体の活動を補助・助成の方法で支援できます。補助の対象や金額は、市町村ごとの補助要綱で決まります。

Q. 補助金で会場を改修できますか?

A. 総合事業のガイドラインは、補助・助成の対象経費を活動に係る間接経費の範囲内で市町村が定めるものとし、施設整備に係る費用は対象外としています。改修は、別の補助制度や民間助成を探します。

Q. 一般社団法人とNPO法人のどちらがよいですか?

A. 一般社団法人は社員2人以上で、定款認証と登記によって設立できます(一般法人法10条1項・13条・22条)。NPO法人は社員10人以上と所轄庁の認証が必要ですが、設立の法定費用はかかりません。委託や補助の条件も確かめて選びます。

Q. 設立にはいくらかかりますか?

A. 法定費用は、定款認証の手数料5万円(公証人手数料令35条3号)と、設立登記の登録免許税6万円(登録免許税法別表第一24号(一)ロ)です。専門家に依頼する場合はその報酬が加わります。

Q. 参加者を車で送迎してもよいですか?

A. 無償の送迎は道路運送法の登録の対象外ですが、自家用自動車を有償で運送に使うことは、登録を受けた自家用有償旅客運送などの場合を除き禁止されています(道路運送法78条・79条)。実費を超える謝礼は有償とみなされるおそれがあります。

Q. 参加費に税金はかかりますか?

A. 一般社団法人のうち非営利型法人は、収益事業を行う場合などに限って法人税の納税義務を負います(法人税法4条1項・2条9号の2)。参加費などが収益事業に当たるかは事業の実態で判断が分かれるため、税理士に確認してください。

Q. ボランティアに謝礼を払っても問題ありませんか?

A. 払うこと自体は可能ですが、指揮命令を受けて働き、その対価として支払いを受けている実態があれば、労働者に当たる可能性があります。その場合は最低賃金などのルールがかかわるため、社会保険労務士などに確認してください。

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