寄付の話を調べていると、特定公益増進法人という言葉に行き当たります。
長い名称で、意味がつかみにくいものです。
これは、法人の種類をまとめて指す呼び方です。
この記事では、その中身を解説します。
まず言葉を分解する
名称が長いので、区切って読みます。
第一に、特定という部分です。
法令で定められたもの、という意味合いです。
第二に、公益の増進という部分です。
広く世の中の利益になる、という意味です。
第三に、法人という部分です。
個人や任意団体は、含まれません。
第四に、つなげると、公益の増進に著しく寄与するものとして定められた法人となります。
第五に、特定の一法人を指す名前では、ありません。
ある条件にあてはまる法人の、まとまった呼び方です。
ここを取り違えると、話が通じなくなります。
どんな法人が含まれるか
代表的なものを、挙げていきます。
第一に、公益社団法人と公益財団法人です。
第二に、社会福祉法人です。
第三に、学校法人です。
第四に、更生保護法人です。
第五に、独立行政法人です。
第六に、特別の法律によって設立された一部の法人も含まれます。
第七に、それぞれ根拠となる法律が違います。
共通しているのは、公益性が制度上で認められている点です。
設立の手続きも、監督する行政庁も、法人ごとに異なります。
同じ枠に入っていても、中身は別の制度です。
| 法人の種類 | 特定公益増進法人に含まれるか | 備考 |
|---|---|---|
| 公益社団法人 | 含まれる | 公益認定を受けた法人 |
| 公益財団法人 | 含まれる | 同上 |
| 社会福祉法人 | 含まれる | 社会福祉法にもとづく |
| 学校法人 | 一定のものが含まれる | 私立学校法にもとづく |
| 更生保護法人 | 含まれる | 更生保護事業法にもとづく |
| 一般社団法人 | 含まれない | 公益認定を受ければ公益社団法人となる |
| 一般財団法人 | 含まれない | 同上 |
| 認定NPO法人 | 含まれない | NPO法にもとづく別の制度 |
| 株式会社 | 含まれない | 営利法人 |
一般社団法人は含まれない
ここが、最も多い誤解です。
第一に、一般社団法人は含まれません。
第二に、非営利型であっても、含まれません。
第三に、活動の内容が公益的であっても、変わりません。
第四に、制度上の区分で決まるためです。
第五に、一般財団法人も同じです。
第六に、含まれるのは、公益認定を受けた場合です。
第七に、そのときは公益社団法人という名称になります。
公益的な活動をしているから該当する、ではありません。
公益認定という手続きを経ているかどうかです。
ここを混同したまま案内を書くと、寄付者を誤解させます。
公益認定を受けた場合
一般社団法人からの道すじです。
第一に、行政庁の公益認定を受ける制度があります。
第二に、認定を受けると、公益社団法人になります。
第三に、そのうえで、特定公益増進法人に含まれることになります。
第四に、認定の要件は厳しいものです。
第五に、事業の内容が問われます。
第六に、財務の基準もあります。
第七に、認定を受けた後も、報告や監督が続きます。
寄付を集めやすくするためだけに目指すものでは、ありません。
要件と手続きは、行政庁の手引きで確認してください。
準備には、年単位の時間がかかります。
認定NPO法人とは別の制度
似ているようで、根拠が違います。
第一に、認定NPO法人はNPO法にもとづく制度です。
第二に、所轄庁は都道府県か指定都市です。
第三に、特定公益増進法人には含まれません。
第四に、ただし、寄付をした人が控除を受けられる点は共通します。
第五に、根拠となる規定は別です。
第六に、確認する場所も違います。
第七に、名称が似ていても、別の制度と考えてください。
どちらも寄付の場面で出てくるため、混同されます。
相手の法人格を、まず確かめましょう。
調べる場所が、そこで変わります。
個人が寄付をした場合の扱い
制度の骨格だけを、示します。
第一に、特定公益増進法人への寄付は、控除の対象とされています。
第二に、所得控除という方式があります。
第三に、法人の種類によっては、税額控除を選べる場合もあります。
第四に、どちらが適するかは、その人の状況によります。
第五に、計算の方法や上限は、法令で定められています。
第六に、具体的な額や有利不利の判断は、この記事では扱いません。
第七に、確認先は所轄の税務署か、税理士です。
本稿は、制度の枠組みの説明にとどめます。
実際に手続きをする前に、国税庁の案内をご確認ください。
個別の事情によって、扱いは変わり得ます。
法人が寄付をした場合の扱い
寄付をするのが、会社などの法人である場合です。
第一に、法人が支出した寄付にも、扱いの定めがあります。
第二に、寄付先によって、区分が分かれます。
第三に、特定公益増進法人への寄付は、別の区分とされています。
第四に、区分ごとに、扱いが違います。
第五に、限度の定めもあります。
第六に、計算の方法は法令で決まっています。
第七に、具体的な計算は、この記事では扱いません。
判断は、税務署か税理士の領域です。
本稿では、区分が分かれるという骨格だけをお伝えします。
自社にあてはめる前に、必ず確認してください。
証明書という書類がある
実務で必要になる書類です。
第一に、特定公益増進法人である旨の証明書があります。
第二に、主務の官庁などが発行するものです。
第三に、寄付を受けた法人が、寄付者に写しを渡します。
第四に、寄付者は、手続きのときに使います。
第五に、受領証とあわせて必要になる場合があります。
第六に、必要な書類は、制度や年によって変わり得ます。
第七に、最新の必要書類は、国税庁の案内でご確認ください。
書類がそろわないと、手続きが進みません。
寄付をする前に、発行を受けられるか聞いておきましょう。
団体の側も、あらかじめ用意しておく必要があります。
- 寄付先の法人格は何か
- 特定公益増進法人に含まれる種類か
- 公益認定を受けているか
- 認定NPO法人ではないか
- 証明書の写しをもらえるか
- 受領証を発行してもらえるか
- 行政庁の公表情報で確認したか
- 名称が似た別法人でないか
- 住んでいる自治体での扱い
- 不明点の相談先
寄付を受ける法人の側の実務
寄付を集める側の準備です。
第一に、自分の法人がどの区分かを正確に把握します。
第二に、案内や募集のページに、正確に書きます。
第三に、証明書の写しを渡せる体制を整えます。
第四に、受領証の様式も用意します。
第五に、発行の担当を決めておきます。
第六に、控えを保管します。
第七に、寄付者からの問い合わせに答えられるようにします。
曖昧なまま案内すると、後で信用を損ねます。
該当しないなら、その旨を明記してください。
正確に書くほうが、長い関係になります。
どこで確かめるか
公表されている情報で、確認できます。
第一に、公益社団法人と公益財団法人は、行政庁の公表情報で分かります。
第二に、社会福祉法人や学校法人は、それぞれの所管で確認します。
第三に、法人の登記でも、法人格は分かります。
第四に、法務局で登記事項証明書を取得できます。
第五に、団体のサイトの記載も参考になります。
第六に、ただし記載が古い場合があります。
第七に、迷ったら、行政庁か団体に直接聞いてください。
名称に公益とついているかは、見分けの手がかりになります。
一般社団法人と公益社団法人は、名称が異なります。
そこを、まず見てください。
名前が似ている制度の整理
混同しやすいものを、並べます。
第一に、公益社団法人と一般社団法人は別です。
第二に、認定NPO法人とNPO法人も別です。
第三に、特定公益増進法人は、法人の種類をまとめた呼び方です。
第四に、特定非営利活動法人は、NPO法人の正式名称です。
第五に、名称が似ていても、根拠となる法律が違います。
第六に、監督する行政庁も違います。
第七に、寄付の扱いも、それぞれ定めがあります。
まず、相手がどの制度の法人かを見分けてください。
そこが決まらないと、調べる場所も決まりません。
略した呼び方で話すと、行き違いが起きます。
よくある誤解
間違えやすい点を、まとめます。
第一に、公益的な活動なら含まれる、という誤解です。
第二に、非営利なら含まれる、という誤解もあります。
第三に、一般社団法人も含まれる、という誤解です。
第四に、認定NPO法人も含まれる、という誤解もあります。
第五に、寄付をすれば自動的に控除される、という誤解です。
第六に、書類は受領証だけでよい、という誤解もあります。
第七に、法人が寄付する場合も個人と同じ、という誤解です。
いずれも、実際とは異なります。
制度上の区分で決まる、という点を押さえてください。
活動が立派かどうかとは、別の話です。
制度は変わる
最後に、必ずお伝えする点です。
第一に、税に関する制度は改正されます。
第二に、対象となる法人の範囲も、変わり得ます。
第三に、必要な書類も変わることがあります。
第四に、この記事の内容も、時点のものです。
第五に、実際に手続きをする前に、確認してください。
第六に、確認先は国税庁と所轄の税務署です。
第七に、判断に迷えば税理士に相談します。
古い情報のまま進めると、手続きが通りません。
一次情報で確かめる習慣を、持ってください。
それが、いちばん確実です。
特定公益増進法人のまとめ
特定公益増進法人とは、公益の増進に著しく寄与するものとして法令で定められた法人の総称です。
特定の一法人を指す名前ではなく、条件にあてはまる法人のまとまった呼び方です。
公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、学校法人、更生保護法人などが含まれます。
一般社団法人と一般財団法人は、そのままでは含まれません。
非営利型であっても、活動が公益的であっても、変わりません。
含まれるのは、行政庁の公益認定を受けて公益社団法人などになった場合です。
認定NPO法人は、NPO法にもとづく別の制度です。特定公益増進法人には含まれません。
ただし、寄付をした人が控除を受けられる点は共通します。根拠となる規定が別です。
寄付をした場合の扱いには定めがありますが、額や計算は本稿では扱いません。
法人が寄付をする場合は、寄付先によって区分が分かれます。
実務では、特定公益増進法人である旨の証明書の写しが必要になる場合があります。
寄付をする前に、発行を受けられるか聞いておいてください。
寄付を受ける側は、自分の法人がどの区分かを正確に把握し、案内に正確に書いてください。
該当しないなら、その旨を明記するほうが、長い関係になります。
制度は改正されます。手続きの前に、国税庁と所轄の税務署でご確認ください。
よくある質問
A. 公益の増進に著しく寄与するものとして法令で定められた法人の総称です。特定の一法人を指す名前ではありません。公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、学校法人などが含まれます。
A. 含まれません。非営利型であっても、活動の内容が公益的であっても変わりません。行政庁の公益認定を受けて公益社団法人になった場合に、含まれることになります。
A. 含まれません。認定NPO法人はNPO法にもとづく別の制度です。ただし、寄付をした人が控除を受けられる点は共通します。根拠となる規定が別と考えてください。
A. 計算の方法や上限は法令で定められています。額や有利不利の判断は本稿では扱いません。所轄の税務署または税理士にご確認ください。
A. 同じではありません。法人が支出した寄付は、寄付先によって区分が分かれ、限度の定めもあります。具体的な計算は税務署か税理士にご確認ください。
A. 公益社団法人と公益財団法人は行政庁の公表情報で分かります。社会福祉法人や学校法人はそれぞれの所管で確認します。法人の登記でも法人格は分かります。
A. 特定公益増進法人である旨の証明書です。寄付を受けた法人が寄付者に写しを渡します。受領証とあわせて必要になる場合があります。必要書類は国税庁の案内でご確認ください。
A. 要件は厳しく、認定後も報告や監督が続きます。寄付を集めやすくするためだけに目指すものではありません。要件と手続きは行政庁の手引きでご確認ください。
本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。
- 税務の取扱いは、収入の性質や事業の実態によって結論が変わります。具体的な判定や税額の計算については、税理士または所轄の税務署へご確認ください。
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