NPO法人の運営で、理事の候補探しは毎回の課題です。
2年ごとに、任期が満了します。
そのたびに、頼める人を探すことになります。
この記事では、候補の探し方を解説します。
直前に探すから見つからない
まず、原因を整理します。
第一に、改選の1か月前に探し始めます。
第二に、頼める人がいません。
第三に、断られます。
第四に、結局、今の役員が続けます。
第五に、同じことが2年後に起こります。
第六に、この繰り返しで高齢化が進みます。
直前に探すのが、いちばんの原因です。
見つからないのではなく、育てていないのです。
順序を、変えましょう。
日頃から少しずつ渡す
根本の対策です。
第一に、関わっている人に役割を渡します。
第二に、まず一つの事業を任せます。
第三に、判断できる範囲も渡します。
第四に、理事会に説明役として出てもらいます。
第五に、議決権はなくても、場に慣れます。
第六に、団体の全体が見えてきます。
第七に、そこから理事を打診します。
中の様子を知っている人は、引き受けやすいものです。
何も知らない人に、いきなり頼むから断られます。
2年かけて、育てる形にしましょう。
| 候補の層 | 見つけ方 | 打診の時期 |
|---|---|---|
| 活動を担っている会員 | 日頃の関わりから | 半年前 |
| 事業を任せた人 | 実績を見て | 半年前 |
| 退職した世代の会員 | 時間と経験がある | 半年前 |
| 利用者や家族 | 当事者の視点 | 慎重に・本人の意思で |
| 他団体からの紹介 | 中間支援組織に相談 | 1年前 |
| 専門的な知見のある人 | 監事や助言役から | 1年前 |
半年前から動く
時期の目安です。
第一に、改選の半年前から始めます。
第二に、まず現役員に続ける意思を聞きます。
第三に、退く人が分かります。
第四に、必要な人数を計算します。
第五に、候補を挙げます。
第六に、順に打診します。
第七に、断られる前提で、多めに挙げます。
総会の直前に聞くのでは、遅すぎます。
相手にも、考える時間が要ります。
半年あれば、話が進みます。
- 現役員に続ける意思を聞いたか
- 必要な人数を計算したか
- 定数と欠員の状況
- 候補を複数挙げたか
- 親族の制限を確認したか
- 理事と監事の兼任がないか
- 負担の量を数字で示せるか
- 任期と再任の可否を伝えるか
- 断られた場合の次の候補
- 打診の記録を残したか
- 就任後に渡す資料を用意したか
負担を数字で示す
打診のときに、いちばん効く点です。
第一に、年に何回集まるかを伝えます。
第二に、一回あたりの時間も伝えます。
第三に、それ以外の作業も伝えます。
第四に、任期の長さも伝えます。
第五に、報酬の有無も伝えます。
第六に、責任についても説明します。
第七に、曖昧にしないでください。
分からないから、断られます。
年4回、1回2時間と言えば、判断できます。
正直に伝えるほうが、引き受けてもらえます。
責任も正直に伝える
隠すと、後で問題になります。
第一に、理事には責任があります。
第二に、登記される場合もあります。
第三に、氏名が公開される場合もあります。
第四に、代表権があれば住所も登記されます。
第五に、その点を先に伝えます。
第六に、知らずに就任すると、後でもめます。
第七に、名前だけでよい、とは言わないでください。
名前だけの理事は、団体にとっても危険です。
総会が成立しなくなる原因にもなります。
実際に関わる人に、頼みましょう。
声のかけ方
実際の打診の場面です。
第一に、突然の場では頼みません。
第二に、時間を取ってもらいます。
第三に、なぜその人に頼むかを伝えます。
第四に、期待している役割も伝えます。
第五に、負担の量を数字で示します。
第六に、すぐ返事を求めないでください。
第七に、考える時間を渡します。
家族に相談する必要がある人もいます。
2週間ほど、待ちましょう。
急かすと、断られます。
断られたときの受け止め方
断られるのが、普通です。
第一に、理由を聞かないでください。
第二に、事情は人それぞれです。
第三に、感謝を伝えます。
第四に、関係を続けます。
第五に、別の関わり方を提案します。
第六に、数年後にまた頼める場合もあります。
第七に、断られた記録も残します。
次の改選のときに、参考になります。
断られたことを、悪く受け取らないでください。
今は無理、というだけです。
多様な候補を考える
同じ層からばかり探していないか、確かめます。
第一に、年齢の幅を意識します。
第二に、性別の偏りも見ます。
第三に、地域も分散させます。
第四に、当事者やその家族も候補です。
本人の意思を、慎重に確かめてください。
第五に、他団体からの参加もあります。
第六に、専門的な知見のある人も有用です。
第七に、同質な理事会は、判断が偏ります。
違う視点があると、気づけることが増えます。
意識して、幅を広げましょう。
外から探す方法
内側で見つからない場合です。
第一に、中間支援組織に相談します。
第二に、他団体に紹介を頼みます。
第三に、行政の担当課にも聞けます。
第四に、大学や学校との関わりからも探せます。
第五に、専門家に監事や助言役を頼む形もあります。
第六に、外から来る人には、丁寧な説明が要ります。
第七に、団体の経緯も伝えます。
知らないまま就任すると、噛み合いません。
時間をかけて、関わってもらいましょう。
1年前から、動き始める形が現実的です。
監事の候補も探す
忘れられやすい部分です。
第一に、監事も1人以上必要です。
第二に、理事と兼ねられません。
第三に、親族の制限もあります。
第四に、なり手が特に見つかりにくい役です。
第五に、外部の人に頼む場合もあります。
第六に、何をするかを具体的に伝えます。
年に一度の監査と、理事会への出席です。
第七に、負担は理事より軽い場合が多いものです。
そこを伝えると、引き受けてもらいやすくなります。
早めに、探し始めましょう。
引き受けやすい形を作る
候補が見つからないのは、団体の側にも原因があります。
第一に、会議の時間帯を見直します。
第二に、接続での参加も認めます。
第三に、任期を1期だけでもよいと伝えます。
第四に、途中で辞められることも伝えます。
第五に、役割を軽くする道も示します。
第六に、引き継ぎの資料を整えます。
第七に、何をすればよいかが見える形にします。
曖昧なまま頼まれると、全部を背負うように見えます。
整った団体には、人が集まります。
受け皿を、先に作りましょう。
現役員から声をかける
探し方の実務です。
第一に、役員それぞれに候補を挙げてもらいます。
第二に、一人で探さないでください。
第三に、人脈は分散しています。
第四に、理事会で候補の一覧を作ります。
第五に、誰が声をかけるかも決めます。
第六に、関係の深い人が声をかけます。
第七に、代表が全部やる必要はありません。
知っている人からの依頼が、いちばん通ります。
役員全員の課題として、共有しましょう。
一人の負担にしないことです。
就任までの手続き
引き受けてもらえた後の流れです。
第一に、就任承諾書をもらいます。
第二に、総会での選任が必要です。
定款の定めに、従います。
第三に、必要な書類も確認します。
住民票などを求められる場合があります。
第四に、欠格事由に当たらないかも確認します。
第五に、代表権があれば登記が生じます。
第六に、所轄庁への届出も必要です。
第七に、期限があるため早めに動きます。
登記の手続きは、司法書士が取り扱う業務です。
手順を、一覧にしておきましょう。
就任後の受け入れ
引き受けてもらったら、そこからです。
第一に、定款を渡します。
第二に、過去の議事録も見てもらいます。
第三に、事業の一覧を説明します。
第四に、決算と計画も渡します。
第五に、団体の経緯も伝えます。
第六に、他の役員を紹介します。
第七に、最初の理事会で発言を求めます。
説明がないまま座らせると、続きません。
新しい理事が定着するかは、最初の数回で決まります。
迎える側の準備も、忘れないでください。
理事の候補を探すまとめ
理事の候補は、改選の直前に探しても見つかりません。
見つからないのではなく、育てていないのです。
日頃から関わっている人に、少しずつ役割を渡してください。
まず一つの事業を任せ、理事会に説明役として出てもらいます。
中の様子を知っている人は、引き受けやすいものです。
動き出すのは、改選の半年前からです。
現役員に続ける意思を聞き、必要な人数を計算します。
打診では、年に何回・一回何時間かを数字で示してください。
責任も正直に伝えます。名前だけの理事は、団体にとっても危険です。
断られたら理由を聞かず、感謝を伝えて関係を続けましょう。
候補は役員それぞれに挙げてもらい、関係の深い人が声をかけます。
引き受けてもらえたら、就任承諾書・総会の選任・登記と届出の期限を確認します。
就任後は定款・議事録・事業・決算を渡し、最初の理事会で発言を求めましょう。
同じ層からばかり探していないか、年齢や地域の幅も確かめてください。
よくある質問
A. 改選の直前に探すのが原因です。見つからないのではなく、育てていないのです。日頃から関わっている人に少しずつ役割を渡し、2年かけて育ててください。
A. 改選の半年前からです。まず現役員に続ける意思を聞き、退く人と必要な人数を確かめます。総会の直前に聞くのでは遅すぎます。
A. 突然の場ではなく、時間を取ってもらいます。なぜその人に頼むか、期待する役割、負担の量を数字で伝え、2週間ほど考える時間を渡してください。
A. 年に何回集まるか、一回あたり何時間か、それ以外の作業、任期、報酬の有無です。分からないから断られます。年4回・1回2時間と言えば判断できます。
A. 言わないでください。名前だけの理事は、団体にとっても危険です。総会が成立しなくなる原因にもなります。責任と登記のことも正直に伝えましょう。
A. 理由を聞かず、感謝を伝えて関係を続けてください。別の関わり方を提案し、記録も残します。数年後にまた頼める場合もあります。今は無理、というだけです。
A. 中間支援組織や他団体に紹介を頼み、行政の担当課にも聞けます。外から来る人には団体の経緯まで丁寧に説明し、1年前から関わってもらう形が現実的です。
A. 役員それぞれに候補を挙げてもらい、関係の深い人が声をかけます。人脈は分散しています。代表が全部やる必要はありません。役員全員の課題として共有しましょう。
A. 就任承諾書をもらい、総会で選任します。欠格事由の確認、代表権があれば登記、所轄庁への届出も必要です。期限があるため早めに動いてください。
A. 就任後の受け入れが足りていない可能性があります。定款、過去の議事録、事業の一覧、決算と計画を渡し、経緯も伝え、最初の理事会で発言を求めてください。
本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。
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