NPO法人が事業を終わらせるとき|半年前に伝える

一般社団法人法
始めるより、やめるほうが難しい。判断の基準を持ちましょう。

NPO法人の運営で、事業をやめる判断は避けて通れません。

担い手がいない、必要がなくなった、費用が続かない。

それでも、やめる決断はなかなかできません。

この記事では、事業の終わらせ方を解説します。

POINT 結論:やめる判断でいちばん大切なのは、利用している人への配慮です。突然の終了は、支えていた人を困らせます。半年前には伝え、つなぎ先を用意してから終えてください。

やめられない理由

なぜ、やめられないのでしょうか。

第一に、始めた人がまだいるためです。

第二に、やめると失敗に見えるためです。

第三に、利用している人がいるためです。

第四に、誰も言い出せないためです。

第五に、判断する仕組みがないためです。

いずれも、感情の問題が絡みます。

だからこそ、基準を先に決めておきます。

数字で判断できる形にしましょう。

やめる判断の基準

基準を、具体的にします。

第一に、参加する人が減り続けている場合です。

第二に、担い手がいなくなった場合です。

第三に、費用が続かない場合です。

第四に、目的が達成された場合です。

これは、良い終わり方です。

第五に、他がやるようになった場合です。

行政や、他団体が担い始めた場合です。

第六に、団体の目的から離れた場合です。

どれか一つでも当てはまれば、検討します。

状況 見る数字 判断
参加が減っている 3年の推移 内容の見直しか終了
担い手がいない 関わる人の数と年齢 縮小か引き継ぎ
費用が続かない 収支の見込み 規模を落とすか終了
目的を達成した 当初の目標との対比 成果として終了
他が担い始めた 同種の事業の有無 役割を譲る
目的から離れた 定款の事業との対応 整理する

やめる前に試すこと

すぐ終わらせる前に、できることもあります。

第一に、規模を小さくします。

回数や、対象を絞る形です。

第二に、他団体と共同で行います。

第三に、他団体に引き継ぎます。

第四に、休止という形にします。

再開の可能性を、残せます。

第五に、内容を変えて続けます。

第六に、頻度を落とします。

ゼロか百かで、考えないでください。

間の選択肢が、いくつもあります。

事業を終えるときの手順

  • 判断の根拠を数字で示したか
  • 理事会で議論したか
  • 定款に書いた事業かどうか確認したか
  • 利用している人の数を把握したか
  • つなぎ先を探したか
  • 終了の時期を決めたか
  • 半年前に伝える計画を立てたか
  • 関わる人への説明を用意したか
  • 記録と備品の扱いを決めたか
  • 事業報告書への記載を確認したか

利用している人への配慮

最も大切な部分です。

第一に、突然終わらせないでください。

第二に、半年前には伝えます。

第三に、理由を丁寧に説明します。

第四に、つなぎ先を用意します。

同じことを行う団体や、行政の窓口です。

第五に、個別に相談を受けます。

第六に、最後まで質を落としません。

終わると決まってから雑になる団体があります。

最後の印象が、団体の評判になります。

丁寧に終えることも、活動の一部です。

つなぎ先を探す

つなぎ先の探し方も、具体的にします。

第一に、同じ分野の団体に相談します。

第二に、中間支援組織に聞きます。

第三に、行政の担当課に相談します。

第四に、既存の制度があるか確認します。

第五に、複数の選択肢を用意します。

第六に、一覧にして渡します。

連絡先を書いて、渡してください。

口頭だけでは、たどり着けません。

可能なら、一緒に連絡します。

関わる人への説明

会員やボランティアにも、説明します。

第一に、決める前に相談します。

第二に、決まったら速やかに伝えます。

第三に、理由を数字で示します。

第四に、感謝を伝えます。

第五に、別の関わり方を提案します。

第六に、意見を聞く場を設けます。

事業がなくなると、人も離れます。

団体との関係を、続けられる形を示しましょう。

説明がないと、不信だけが残ります。

定款との関係

手続きの面も、確認します。

第一に、定款に書いた事業かを見ます。

第二に、書いてあるなら、定款変更を検討します。

第三に、ただし、すぐ変える必要はありません。

再開の可能性があるためです。

第四に、他の定款変更の機会にまとめる方法もあります。

第五に、事業報告書には終了の旨を書きます。

第六に、実施しなかった事業も記載します。

定款と実態のずれは、指摘の対象です。

所轄庁に、確認しておきましょう。

記録と備品の扱い

終わった後の始末も、決めます。

第一に、記録を保管します。

第二に、実績を数字でまとめます。

第三に、備品の扱いを決めます。

他の事業で使うか、譲るか、処分するかです。

第四に、寄付で受けた物は特に配慮します。

第五に、名簿と個人情報を整理します。

第六に、不要になったものは処分します。

第七に、処分の記録も残します。

中途半端に残すと、後で困ります。

成果を残す

終わることは、失敗ではありません。

第一に、何年続けたかを記録します。

第二に、延べ何人が関わったかを数えます。

第三に、何が変わったかを書きます。

第四に、うまくいかなかった点も書きます。

第五に、他団体が参考にできる形にします。

第六に、会報や報告書で伝えます。

積み重ねた経験は、団体に残ります。

次の事業に、生きます。

終わり方を、記録に残しましょう。

休止という選択

やめきらない道も、あります。

第一に、休止として整理します。

第二に、再開の条件を決めておきます。

担い手が見つかったら、といった形です。

第三に、記録と備品は保管します。

第四に、事業報告書には実施しなかった旨を書きます。

第五に、毎年、再開するか見直します。

第六に、数年たったら終了を判断します。

休止のまま放置すると、曖昧になります。

見直す時期を、決めておきましょう。

判断を先送りしない

最後に、いちばん伝えたい点です。

第一に、続けるほど関わる人が疲れます。

第二に、担い手が倒れることもあります。

第三に、他の事業にも影響します。

第四に、早く判断するほど選べる道が多くなります。

引き継ぎ先も、余裕があるうちなら探せます。

第五に、追い込まれてからでは、突然の終了になります。

第六に、いちばん困るのは利用している人です。

毎年、事業ごとに見直す機会を持ちましょう。

見直すことと、やめることは違います。

見る習慣が、判断を可能にします。

職員がいる場合

雇っている人がいる場合は、慎重さが増します。

第一に、生活に直結します。

第二に、早い段階で伝えます。

第三に、他の事業へ移れるかを検討します。

第四に、必要な手続きを確認します。

第五に、法令上の要件があります。

雇用に関わる手続きは、社会保険労務士が取り扱う業務です。

第六に、独断で進めないでください。

第七に、記録も残しておきます。

人が関わるほど、時間の余裕が必要になります。

助成金を受けている事業

助成金で行っている事業の場合です。

第一に、期間の途中で終える場合は連絡します。

第二に、条件を必ず確認します。

第三に、返還が生じる場合があります。

第四に、報告の義務も確認します。

第五に、勝手に判断しないでください。

第六に、助成する側に早めに相談します。

事情を説明すれば、対応を示してもらえます。

黙って終えるのが、いちばん問題になります。

関係が続く相手だ、という点も忘れないでください。

委託を受けている事業

行政の委託の場合も、扱いが違います。

第一に、契約の期間があります。

第二に、途中で終える場合の定めを確認します。

第三に、担当課に早く相談します。

第四に、次年度は受けない、という伝え方もあります。

第五に、期限のある事業だと伝えておきます。

第六に、引き継ぎ先の相談もできます。

行政も、担い手を探す必要があるためです。

早く伝えるほど、双方が動けます。

契約の内容の判断は、専門家に相談してください。

やめた後にできる支援

事業を終えても、できることは残ります。

第一に、相談だけは受ける形があります。

第二に、つなぎ先の案内は続けられます。

第三に、年に一度の集まりだけ残す方法もあります。

第四に、情報の発信は続けられます。

第五に、他団体の活動を紹介できます。

全部をやめる必要は、ありません。

負担の軽い形だけを、残す選択があります。

完全に切れると、地域とのつながりも切れます。

細くても、線を残しておきましょう。

事業を終わらせるときのまとめ

やめる判断で最も大切なのは、利用している人への配慮です。

突然の終了は、支えていた人を困らせます。

半年前には伝え、つなぎ先を用意してから終えてください。

つなぎ先は複数用意し、連絡先を書いて渡します。

判断の基準を、参加の推移や担い手の数など数字で決めておきます。

ゼロか百かで考えず、縮小・共同・引き継ぎ・休止も選択肢です。

終わると決まってから、質を落とさないでください。

関わる人には理由を数字で示し、別の関わり方を提案します。

定款に書いた事業なら、変更の要否を所轄庁に確認しましょう。

続けた年数、関わった人数、変わったことを記録に残します。

全部をやめず、相談や案内だけ残すなど、負担の軽い形を選ぶ道もあります。

雇っている人がいるなら、生活に直結します。早く伝え、独断で進めないでください。

助成金や委託の事業は、条件と契約を確認し、出し手に早めに相談します。

黙って終えるのが、いちばん問題になります。関係は続くものです。

早く判断するほど、選べる道が多くなります。先送りしないでください。

よくある質問

Q. やめる判断の基準は?

A. 参加が減り続けている、担い手がいない、費用が続かない、目的を達成した、他が担い始めた、団体の目的から離れた。どれか一つでも当てはまれば検討します。

Q. いつ伝える?

A. 半年前には伝えてください。突然の終了は、支えていた人を困らせます。理由を丁寧に説明し、つなぎ先を用意してから終えましょう。

Q. つなぎ先はどう探す?

A. 同じ分野の団体、中間支援組織、行政の担当課に相談します。既存の制度がある場合もあります。複数の選択肢を一覧にし、連絡先を書いて渡してください。

Q. やめる以外の道は?

A. 規模を小さくする、他団体と共同で行う、引き継ぐ、休止する、内容を変えて続ける、頻度を落とす。ゼロか百かで考えないでください。

Q. 定款に書いた事業だったら?

A. 定款変更を検討しますが、すぐ変える必要はありません。再開の可能性があるためです。事業報告書には終了の旨を書き、所轄庁に確認しておきましょう。

Q. やめるのは失敗?

A. 違います。何年続けたか、延べ何人が関わったか、何が変わったかを記録してください。うまくいかなかった点も含めて、次の事業に生きます。

Q. 決められない

A. 毎年、事業ごとに見直す機会を持ってください。見直すことと、やめることは違います。見る習慣が判断を可能にします。早く判断するほど選べる道が多くなります。

Q. 職員がいる場合は?

A. 生活に直結するため、早い段階で伝え、他の事業へ移れるかを検討します。法令上の要件もあります。雇用に関わる手続きは、社会保険労務士が取り扱う業務です。

Q. 助成金を受けている事業は?

A. 条件を必ず確認してください。返還が生じる場合があります。期間の途中で終えるなら、助成する側に早めに相談しましょう。黙って終えるのが、いちばん問題になります。

Q. 委託の事業をやめたい

A. 契約の期間と、途中で終える場合の定めを確認します。担当課に早く相談し、次年度は受けないという伝え方もできます。行政も担い手を探す必要があるためです。


この記事の位置づけ

本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。

  • 社会保険・労働保険の加入手続きは、社会保険労務士が取り扱う業務です。

【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、正確性・最新性に配慮していますが、内容の完全性・正確性を保証するものではありません。法令・制度・税制は改正される場合があり、個別の事情により取り扱いが異なることもあります。本記事の情報を利用して行われた一切の行為およびその結果について、当サイトおよび筆者は責任を負いかねます。実際のお手続きや判断にあたっては、必ず公的機関の最新情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。