NPO法人が物や食品を配るとき|対象・基準・記録

一般社団法人法
配る側にも、配られる側にも、気まずさがあります。設計の話です。

NPO法人の活動で、物や食品を配る場面があります。

寄贈で受けた品を、必要な人に渡す形です。

善意で始めても、公平さと安全で悩みます。

この記事では、配るときの設計を解説します。

POINT 結論:配るときは、対象・基準・記録の3つを先に決めてください。基準がないと、その場の判断になり、不公平と不信を生みます。受け取る人が引け目を感じない渡し方も、同じくらい重要です。

配る活動が生まれる場面

どんな場面で、配ることになるでしょうか。

第一に、食品の寄贈を受けたときです。

第二に、衣類や日用品を受けたときです。

第三に、文具や玩具を集めたときです。

第四に、災害の後の支援です。

第五に、季節の行事に合わせた配布です。

第六に、事業の一環として続ける場合もあります。

一時的なものと、継続するものがあります。

続けるなら、仕組みが要ります。

対象を決める

最初に決めるのが、誰に配るかです。

第一に、対象を具体的に決めます。

第二に、曖昧だと断れなくなります。

第三に、団体の目的に合う範囲にします。

第四に、既に関わっている人からが現実的です。

第五に、広げすぎると回りません。

第六に、対象外の人へのつなぎ先も用意します。

断ることを、前提に設計してください。

全員には、配れません。

そこを曖昧にすると、現場が苦しみます。

決めること 内容 理由
対象 誰に配るか 断る基準にもなる
基準 何を、どれだけ 公平さを保つ
回数 一度か、継続か 期待とのずれを防ぐ
場所と時間 どこで、いつ 来やすさに直結
申し込み 要るか、不要か 負担の大きさが変わる
記録 何を残すか 報告と改善に使う

基準を紙に書く

その場の判断を、避けるためです。

第一に、一人あたりの量を決めます。

第二に、世帯の人数で変えるかを決めます。

第三に、回数の上限を決めます。

第四に、余った場合の扱いを決めます。

第五に、足りない場合の順序も決めます。

第六に、担当が替わっても同じになる形にします。

基準がないと、担当ごとに違ってきます。

受け取る側は、その差に気づきます。

不信は、そこから生まれます。

配る前に決めること

  • 誰に配るか(対象)
  • 一人あたりの量
  • 回数の上限
  • 配る場所と時間
  • 申し込みが要るか
  • 本人確認をどこまで行うか
  • 対象外の人へのつなぎ先
  • 余った場合の扱い
  • 記録に何を残すか
  • 食品なら期限と保管の確認

引け目を感じさせない

設計で、最も大切な部分です。

受け取ることに、引け目を感じる人がいます。

第一に、並ばせないようにします。

第二に、人目につく場所を避けます。

第三に、他の用件と一緒にします。

相談や、集まりのついでという形です。

第四に、選べるようにします。

与えられるのと、選ぶのは違います。

第五に、渡すときの言葉に気を配ります。

第六に、写真を撮らないでください。

受け取る場面の撮影は、避けます。

食品を配る場合

食品には、特に注意が要ります。

第一に、期限を必ず確認します。

第二に、保管の温度を守ります。

第三に、開封されていない物に限ります。

第四に、原材料が分かる形にします。

第五に、アレルギーの注意を伝えます。

第六に、いつ誰に渡したかを記録します。

第七に、体調に影響が出た場合の連絡先を伝えます。

食品を扱う事業には、法令上の要件がある場合があります。

保健所に、事前に相談してください。

記録を残す

配ったら、記録します。

第一に、日付と場所を書きます。

第二に、何を、いくつ配ったかを書きます。

第三に、何人に渡したかを書きます。

第四に、担当した人を書きます。

第五に、食品なら品目と期限も残します。

第六に、余った分の扱いも書きます。

報告書と、寄贈者への報告に使います。

助成金の報告でも、求められます。

数えるだけなら、その場でできます。

個人情報の扱い

受け取る人の情報にも、配慮します。

第一に、聞く情報を最小限にします。

第二に、何に使うかを伝えます。

第三に、名前を聞かない形も可能です。

第四に、記録を人目に触れる場所に置きません。

第五に、他の人に見えない形で受け付けます。

第六に、団体の中でも共有の範囲を限ります。

受け取っている事実自体が、知られたくない情報です。

守秘の約束を、関わる人全員と交わしましょう。

ボランティアも、対象です。

足りないときの順序

数が足りない場面は、必ず来ます。

第一に、先着とするかを決めます。

第二に、優先する条件を決める方法もあります。

第三に、抽選という形もあります。

第四に、どの方式かを事前に伝えます。

第五に、その場で変えないでください。

第六に、断るときの言葉も用意します。

来たのにもらえない、が最も辛い場面です。

事前に数と条件を示せば、防げます。

案内の書き方が、当日を左右します。

続けるかどうか

一度きりか、続けるかは大きな判断です。

第一に、続けると期待が生まれます。

第二に、来る人が増えます。

第三に、寄贈が安定するとは限りません。

第四に、担い手の負担も続きます。

第五に、途中でやめると困る人が出ます。

第六に、始める前に見通しを立てます。

一度きりなら、その旨を明記しましょう。

毎回あると思われると、後で苦しくなります。

正直に、書いてください。

寄贈してくれた人への報告

配ったら、寄贈者に報告します。

第一に、何をどれだけ配ったかを伝えます。

第二に、何人に届いたかを伝えます。

第三に、感謝の言葉があれば添えます。

第四に、写真は受け取る人が写らない形にします。

第五に、会報でも紹介します。

第六に、名前を出す許可を得てからです。

報告があると、次も届きます。

報告がないと、そこで終わります。

配って終わりに、しないでください。

配ることが目的にならないように

一歩引いた視点も、必要です。

第一に、配ることは手段です。

第二に、根本の課題は別にあります。

第三に、配りながら話を聞きます。

第四に、必要な制度につなぎます。

第五に、集まった困りごとを記録します。

第六に、行政への提言の材料にもなります。

物を渡すだけでは、状況は変わりません。

接点として、生かしてください。

そこが、団体にしかできない部分です。

関わる人への説明

配る側の心構えも、共有します。

第一に、対象と基準を全員に伝えます。

第二に、断る場面があることも伝えます。

第三に、守秘の約束を交わします。

第四に、写真を撮らない決まりも伝えます。

第五に、相手を評価しないよう伝えます。

善意でも、上下の関係が生まれやすい場面です。

第六に、困ったときに聞ける人を決めます。

一人で判断させないでください。

現場の言葉一つが、大きく響きます。

置いておく形にする

手渡し以外の方法も、考えられます。

第一に、自由に持ち帰れる棚を置く形です。

第二に、誰が取ったか分かりません。

第三に、引け目を感じずに済みます。

第四に、公共の場所に置ける場合もあります。

第五に、量の管理は難しくなります。

第六に、記録も概数になります。

一長一短ですが、届きやすさは大きく変わります。

本当に必要な人ほど、名乗り出ません。

手渡しにこだわらない選択も、持っておきましょう。

運ぶ手段を考える

取りに来られない人も、います。

第一に、届ける方法を考えます。

第二に、送る場合は費用がかかります。

第三に、届ける場合は複数人で行きます。

第四に、留守のときの扱いを決めます。

置いていくかどうかです。

第五に、食品は特に置き配を避けます。

第六に、届けた記録を残します。

取りに来られる人だけを対象にすると、届く範囲が狭くなります。

運ぶ手間も、活動の一部です。

季節と時期を考える

いつ配るかも、効果を左右します。

第一に、長期の休みの前後は需要が増えます。

第二に、年末や年度末も同じです。

第三に、暑さや寒さの厳しい時期も考えます。

第四に、寄贈が集まる時期とはずれます。

第五に、保管できる期間を確かめます。

第六に、必要な時期に合わせて計画します。

受けた時期に配るのではなく、必要な時期にです。

保管の場所があるかも、あわせて考えましょう。

計画があると、寄贈も呼びかけやすくなります。

他団体と分担する

一団体で抱えなくても、構いません。

第一に、扱う品目を分ける方法があります。

第二に、地域で分ける方法もあります。

第三に、保管の場所を融通し合えます。

第四に、余った分を回せます。

第五に、対象外の人を紹介し合えます。

第六に、中間支援組織に仲立ちを頼めます。

同じ地域で同じことを重ねるより、効率的です。

受け取る側にとっても、選べる形になります。

一度、周りの団体に声をかけてみましょう。

物や食品を配るときのまとめ

配るときは、対象・基準・記録の3つを先に決めてください。

基準がないと、その場の判断になり、不公平と不信を生みます。

一人あたりの量、回数の上限、余った場合の扱いを紙に書きます。

受け取る人が引け目を感じない渡し方を、同じくらい重視しましょう。

並ばせない、人目につく場所を避ける、他の用件と一緒にする。

選べるようにすると、与えられる感じが薄れます。

受け取る場面の写真は、撮らないでください。

食品は期限と保管を確認し、保健所に事前に相談します。

足りないときの順序を事前に伝え、その場で変えないでください。

続けるかどうかは先に決め、一度きりならその旨を明記します。

自由に持ち帰れる棚など、手渡しにこだわらない形も検討してください。

取りに来られない人へは、届ける手段も考えます。運ぶ手間も活動の一部です。

受けた時期ではなく、必要な時期に配る計画を立てましょう。

一団体で抱えず、品目や地域を他団体と分担する方法もあります。

配ることは手段です。話を聞き、必要な制度につなぐ接点にしましょう。

よくある質問

Q. 何を先に決める?

A. 対象・基準・記録の3つです。誰に配るか、一人あたりの量と回数の上限、何を記録するか。基準がないと担当ごとに違ってきて、受け取る側はその差に気づきます。

Q. 全員に配れない

A. 断ることを前提に設計してください。対象を具体的に決め、対象外の人へのつなぎ先も用意します。曖昧にすると、現場が苦しみます。

Q. 受け取りにくそうにしている

A. 引け目を感じる人がいます。並ばせない、人目につく場所を避ける、相談や集まりのついでという形にする、選べるようにする。受け取る場面の写真は撮らないでください。

Q. 食品を配るときは?

A. 期限、保管の温度、未開封であることを確認し、原材料が分かる形にします。いつ誰に渡したかを記録し、体調に影響が出た場合の連絡先も伝えてください。保健所への事前の相談も必要です。

Q. 数が足りないときは?

A. 先着、優先する条件、抽選のどれかを事前に伝え、その場で変えないでください。来たのにもらえない、が最も辛い場面です。案内の書き方が当日を左右します。

Q. 続けるべき?

A. 続けると期待が生まれ、途中でやめると困る人が出ます。寄贈が安定するとは限りません。一度きりならその旨を明記してください。正直に書くことです。

Q. 寄贈者への報告は?

A. 何をどれだけ配り、何人に届いたかを伝えます。写真は受け取る人が写らない形にしてください。報告があると次も届き、なければそこで終わります。

Q. 手渡し以外の方法は?

A. 自由に持ち帰れる棚を置く形があります。誰が取ったか分からないため、引け目を感じずに済みます。量の管理は難しくなりますが、届きやすさは大きく変わります。

Q. 取りに来られない人には?

A. 届ける方法を考えます。複数人で行き、留守のときの扱いも決めておきます。食品は特に置き配を避けてください。届けた記録も残しましょう。

Q. いつ配るのがいい?

A. 長期の休みの前後、年末や年度末、暑さや寒さの厳しい時期に需要が増えます。受けた時期ではなく、必要な時期に配る計画を立ててください。

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