NPO法人への寄付と寄付金控除|認定の有無で対象かが決まる

NPO法人
寄付をすると控除が受けられる。ただし、どのNPO法人でもとは限りません。

NPO法人に寄付をすると、寄付金控除を受けられる場合があります。

ただし、すべてのNPO法人が対象ではありません。

認定を受けているかどうかで、扱いが変わります。

この記事では、その違いを解説します。

POINT 結論:寄付金控除の対象になるのは、認定NPO法人と特例認定NPO法人への寄付です。認定を受けていない普通のNPO法人への寄付は、控除の対象になりません。寄付の前に、認定を受けているかを確かめてください。

まず用語を分ける

この話は、用語の区別から始まります。

第一に、NPO法人です。

所轄庁の認証を受けて設立された法人です。

第二に、認定NPO法人です。

そのうえで、さらに認定を受けた法人です。

第三に、特例認定NPO法人です。

設立から間もない法人向けの制度です。

第四に、この3つは別のものです。

第五に、寄付金控除に関わるのは、後の2つです。

まず、ここを取り違えないでください。

認定の有無で扱いが変わる

いちばん大切な点です。

第一に、認定NPO法人への寄付は控除の対象です。

第二に、特例認定NPO法人への寄付も対象とされています。

第三に、認定を受けていないNPO法人への寄付は対象外です。

第四に、団体が非営利であることとは、別の話です。

第五に、活動が立派かどうかとも、関係ありません。

第六に、認定という制度上の区分で決まります。

ここを誤解している人が、多くいます。

NPO法人だから控除される、ではありません。

認定を受けているかどうかです。

寄付先 寄付金控除 確かめ方
認定NPO法人 対象 所轄庁の名簿・内閣府のポータル
特例認定NPO法人 対象 同上
認定を受けていないNPO法人 対象外 同上で認定の有無を確認
一般社団法人 原則として対象外 公益認定の有無で異なる
公益社団・財団法人 対象 行政庁の公表情報
自治体 対象 自治体の案内

控除には2つの方式がある

制度の骨格を、押さえておきます。

第一に、所得控除という方式があります。

第二に、税額控除という方式もあります。

第三に、認定NPO法人への寄付では、どちらかを選べるとされています。

第四に、どちらが適するかは、その人の状況によります。

第五に、選び方の判断は、専門家の領域です。

第六に、計算の方法や上限も法令で定められています。

具体的な額や計算は、この記事では扱いません。

所轄の税務署か、税理士にご確認ください。

本稿は、制度の枠組みの説明にとどめます。

住民税の扱い

国の税金だけの話では、ありません。

第一に、住民税でも控除の制度があります。

第二に、ただし自治体ごとに扱いが違います。

第三に、条例で指定されている必要があります。

第四に、指定されていない場合もあります。

第五に、寄付先の所在地と、住んでいる自治体の両方が関わります。

第六に、詳しくは住んでいる自治体に確認します。

国の制度と自動的に同じ、ではありません。

ここも、誤解の多い部分です。

自治体の窓口に、聞いてください。

寄付をする前に確かめること

  • 寄付先が認定NPO法人か特例認定NPO法人か
  • 認定の有効期間内か
  • 内閣府のポータルまたは所轄庁の名簿で確認したか
  • 受領証をもらえるか
  • 住んでいる自治体で住民税の対象になるか
  • 確定申告が必要かどうか
  • 団体が発行する書類の種類
  • 寄付の方法(振込・現金・物品)
  • 物品の寄付の扱い
  • 不明点の相談先(税務署・税理士)

受領証を必ずもらう

手続きの面で、最も重要な点です。

第一に、団体が発行する受領証が必要になります。

第二に、確定申告のときに使います。

第三に、寄付をしたら必ず受け取ってください。

第四に、失くさないよう保管します。

第五に、認定を証する書類の写しを求められる場合もあります。

第六に、団体に確認しておきましょう。

第七に、必要な書類は制度や年によって変わり得ます。

最新の必要書類は、国税庁の案内でご確認ください。

受領証がないと、手続きが進みません。

その場でもらうのが、いちばん確実です。

寄付金受領証明書の書き方 ― 法令が求める記載事項

寄付者が確定申告で寄附金控除を受けるときは、申告書に「特定寄附金の明細書その他財務省令で定める書類」を添付します(所得税法施行令262条1項6号)。その財務省令が所得税法施行規則47条の2で、同条3項1号イ(1)は「当該特定寄附金を受領した者の受領した旨、当該特定寄附金の額及びその受領した年月日を証する書類」と定めています。

法令に「寄付金受領証明書」という固定の名称はありません。実務では「寄付金受領証明書」「寄附金受領証」「領収書」などの名前で発行されていますが、記載事項を満たしていれば書類の名称は問われません。条文が求めているのは「証する書類」であって、様式ではないからです。

受領した法人が特定公益増進法人(所得税法施行令217条に掲げる法人)に当たる場合は、上の三つに加えて、その寄付が「当該法人の主たる目的である業務に関連する寄附金である旨」を書きます(施行規則47条の2第3項1号イ(1)(i))。公益社団法人・公益財団法人が発行する証明書に「主たる目的である業務に関連する寄附金です」という一文があるのは、この規定に対応したものです。

認定NPO法人・特例認定NPO法人への寄付で税額控除を受ける場合は、租税特別措置法施行規則19条の10の4が別に記載事項を定めています。寄附金の額、受領した旨と受領した年月日、その寄付が特定非営利活動に係る事業に関連する寄附である旨、受領した認定NPO法人等の名称の四つで、寄附者の氏名と住所の記載があるものに限るとされています。宛名のない証明書では税額控除の添付書類になりません。

寄付先 証明書に書く事項 根拠
国・地方公共団体、指定寄附金 受領した旨/寄附金の額/受領年月日 所得税法施行規則47条の2第3項1号イ(1)
特定公益増進法人(公益社団・公益財団法人、学校法人、社会福祉法人など) 上の三つ+「主たる目的である業務に関連する寄附金である旨」 同(1)(i)、施行令217条
認定NPO法人・特例認定NPO法人(税額控除) 寄附金の額/受領した旨と年月日/特定非営利活動に係る事業に関連する寄附である旨/法人の名称+寄附者の氏名・住所 租税特別措置法施行規則19条の10の4
POINT 証明書の名称は自由ですが、受領した旨・額・年月日は必ず書きます。認定NPO法人の税額控除用は寄附者の氏名・住所がないと添付書類になりません(措置法施行規則19条の10の4)。

証明書を出しても控除にならない法人 ― 一般社団法人と認定を受けていないNPO法人

寄附金控除の対象になる「特定寄附金」は、所得税法78条2項に限定列挙されています。1号が国・地方公共団体への寄附金、2号が財務大臣が指定した寄附金(指定寄附金)、3号が公益の増進に著しく寄与する法人(特定公益増進法人)への寄附金、4号が公益信託の信託財産とするための寄附金です。

3号の特定公益増進法人は所得税法施行令217条が列挙しています。独立行政法人、公益社団法人及び公益財団法人、学校法人、社会福祉法人、更生保護法人などです。認定NPO法人・特例認定NPO法人への寄附金は、この列挙とは別に、租税特別措置法41条の18の2で寄附金控除の対象(または税額控除の対象)とされています。

この列挙のどこにも、一般社団法人・一般財団法人と、認定を受けていないNPO法人は入っていません。非営利型の一般社団法人であっても同じです。したがって、これらの法人が「寄付金受領証明書」を発行しても、寄付者はその書類で寄附金控除を受けることはできません。書類を出すこと自体は自由ですが、控除の根拠にはならないということです。

法人が寄付をする場合も同じ構造です。法人税法37条4項は特定公益増進法人への寄附金に別枠を認めていますが、条文は公益法人等から「別表第二に掲げる一般社団法人、一般財団法人及び労働者協同組合を除く」と明記しています。一般社団法人への寄付は、37条1項の一般の寄附金として扱われます。

公益社団法人・公益財団法人への寄付には、寄附金控除に代えて所得税額の特別控除を選べる制度もあります(租税特別措置法41条の18の3)。ただし対象は、運営組織と事業活動が適正で市民から支援を受けていることについて政令の要件を満たす法人に限られ、法人側がその要件を満たしている証明を受けている必要があります。

寄付先 個人の寄附金控除 根拠
国・地方公共団体 対象 所得税法78条2項1号
公益社団法人・公益財団法人 対象(要件を満たせば税額控除も選択可) 78条2項3号・施行令217条3号/措法41条の18の3
学校法人・社会福祉法人・更生保護法人 対象 78条2項3号・施行令217条4〜6号
認定NPO法人・特例認定NPO法人 対象(寄附金控除または税額控除) 措法41条の18の2
認定を受けていないNPO法人 対象外 78条2項に該当なし
一般社団法人・一般財団法人(非営利型を含む) 対象外 78条2項に該当なし/法人税法37条4項は明文で除外

領収書との違い ― 民法の受取証書と税法の添付書類

領収書は、民法486条1項が定める「受取証書」です。弁済をする者は、弁済と引換えに、弁済を受領する者に対して受取証書の交付を請求できます。寄付者から求められれば、どの法人でも受取証書としての領収書は出さなければなりません。同条2項により、電磁的記録の提供で代えることもできます。

寄付金受領証明書は、これとは別に、税法上の添付書類として機能する書類です。受領した旨・額・年月日といった記載事項を満たしていれば、領収書の1枚で受取証書と添付書類を兼ねることができます。逆に、記載事項を欠く領収書は、受取証書としては有効でも添付書類にはなりません。

認定を受けていないNPO法人や一般社団法人が発行する書類は、受取証書としての意味しか持ちません。上の節で述べたとおり、寄附金控除の対象外である旨を案内に明記しておくのが、発行側の誠実な対応です。

寄付金受領証明書を発行するときの確認

  • 受領した旨・寄附金の額・受領年月日を書いたか
  • 認定NPO法人・特例認定NPO法人なら、寄附者の氏名・住所と「特定非営利活動に係る事業に関連する寄附である旨」を書いたか
  • 特定公益増進法人なら「主たる目的である業務に関連する寄附金である旨」を書いたか
  • 控除の対象外の法人(一般社団法人・認定を受けていないNPO法人)なら、対象外である旨を案内に明記したか
  • 控えを保管し、寄付者ごとの記録を残したか

確定申告が要る

控除を受けるための手続きです。

第一に、寄付をしただけでは控除されません。

第二に、確定申告が必要です。

第三に、給与から天引きされている人も、申告が要ります。

第四に、年末調整では処理されません。

第五に、申告の時期も決まっています。

第六に、書き方や必要書類は国税庁の案内にあります。

第七に、記入の仕方は税務署でも相談できます。

個別の書き方の相談は、税務署か税理士へ。

本稿では、申告が必要という事実だけをお伝えします。

そこを知らずに、控除を受け損ねる人がいます。

団体の側が用意すること

寄付を受けるNPO法人の側の話です。

第一に、受領証を発行できる体制を整えます。

第二に、様式を用意しておきます。

第三に、発行の担当を決めます。

第四に、控えを保管します。

第五に、寄付者の記録も残します。

第六に、認定の有無を案内に明記します。

第七に、認定を受けていないなら、控除の対象外である旨も伝えます。

誤解させたまま寄付を受けると、後で信用を損ねます。

正確に、書いてください。

書式や記載事項は、所轄庁と税務署に確認しましょう。

認定を受けていない場合の書き方

多くのNPO法人が、この立場です。

第一に、控除の対象になると書かないでください。

第二に、対象外である旨を明記します。

第三に、それでも寄付は集められます。

第四に、活動の内容で選ぶ人がいるためです。

第五に、使いみちを丁寧に示します。

第六に、報告も欠かさず行います。

第七に、控除がないぶん、信頼で応えることになります。

曖昧に書いて期待させるのが、最も避けたい形です。

正直に書くほうが、長い関係になります。

そこは、団体の姿勢が出る部分です。

特例認定という制度

設立から間もない法人向けの区分です。

第一に、実績の要件を緩めた制度です。

第二に、設立から一定の期間内の法人が対象です。

第三に、一度だけ受けられるとされています。

第四に、有効な期間も限られています。

第五に、期間が過ぎれば、通常の認定を目指すことになります。

第六に、寄付金控除の対象にはなります。

第七に、詳しい要件は所轄庁にご確認ください。

制度の細部は改正されることがあります。

最新の内容は、内閣府と所轄庁の公表資料でご確認ください。

本稿は、区分が存在するという枠組みの説明です。

物品を寄付した場合

お金以外の寄付も、あります。

第一に、扱いはお金の場合と異なります。

第二に、対象になるかは物や状況によります。

第三に、評価の方法も問題になります。

第四に、判断が難しい領域です。

第五に、必ず事前に確認してください。

第六に、相談先は税務署か税理士です。

第七に、団体の側も安易に答えないことです。

控除されると伝えて違っていた場合、信用を失います。

分からないことは、分からないと伝えます。

そのうえで、相談先を示しましょう。

よくある誤解

間違えやすい点を、まとめます。

第一に、NPO法人ならどこでも控除される、という誤解です。

第二に、非営利だから控除される、という誤解もあります。

第三に、会費も控除される、という誤解です。

会費と寄付は、性格が違います。

第四に、年末調整で処理される、という誤解です。

第五に、住民税も自動的に同じ、という誤解です。

第六に、領収書なら何でもよい、という誤解もあります。

いずれも、実際とは異なります。

寄付をする前に、確かめてください。

確かめる先は、次の節で示します。

どこで確かめるか

認定の有無は、公開されています。

第一に、内閣府のNPOポータルで検索できます。

第二に、所轄庁の名簿でも確認できます。

第三に、団体に直接聞く方法もあります。

第四に、認定を受けていれば、明示しているのが通常です。

第五に、有効期間も確認します。

第六に、更新されているかも見ます。

第七に、判断に迷ったら所轄庁に問い合わせます。

公表情報で、誰でも確かめられます。

寄付の前の、ひと手間です。

そのひと手間が、後の手続きを確実にします。

団体が認定を目指すなら

寄付を集めたい団体の側の話です。

第一に、認定を受けると寄付が集めやすくなります。

第二に、控除の対象になるためです。

第三に、一方で要件は厳しいものです。

第四に、事務の負担も増えます。

第五に、有効期間があり、更新も必要です。

第六に、寄付を主な財源にしていない団体には合いません。

第七に、取ること自体を目的にしないでください。

要件と手続きは、所轄庁の手引きにあります。

早い段階で、相談に行きましょう。

準備には、年単位の時間がかかります。

制度は変わる

最後に、必ずお伝えする点です。

第一に、税の制度は改正されます。

第二に、率や上限も変わり得ます。

第三に、必要な書類も変わることがあります。

第四に、この記事の内容も、時点のものです。

第五に、実際に手続きをする前に確認してください。

第六に、確認先は国税庁と所轄の税務署です。

第七に、判断に迷えば税理士に相談します。

古い情報のまま進めると、手続きが通りません。

一次情報で、確かめる習慣を持ってください。

それが、いちばん確実です。

寄付金控除のまとめ

寄付金控除の対象は、認定NPO法人と特例認定NPO法人への寄付です。

認定を受けていない普通のNPO法人への寄付は、対象になりません。

団体が非営利であることや、活動が立派かどうかとは別の話です。

制度上の区分で決まります。寄付の前に、認定の有無を確かめてください。

確認は内閣府のNPOポータルか、所轄庁の名簿でできます。

控除には所得控除と税額控除の方式があり、選べるとされています。

どちらが適するか、額はいくらかの判断は、税務署か税理士の領域です。

住民税は自治体ごとに扱いが違います。自動的に同じではありません。

寄付をしたら、受領証を必ず受け取って保管してください。

寄付をしただけでは控除されません。確定申告が必要です。

税の制度は改正されます。手続きの前に、国税庁の案内で確認してください。

よくある質問

Q. NPO法人に寄付すれば控除される?

A. 認定NPO法人と特例認定NPO法人への寄付が対象です。認定を受けていない普通のNPO法人への寄付は、対象になりません。非営利であることとは別の話です。

Q. 認定を受けているか、どう調べる?

A. 内閣府のNPOポータルで検索できます。所轄庁の名簿でも確認できます。有効期間内かどうかもあわせて見てください。団体に直接聞く方法もあります。

Q. いくら控除される?

A. 計算の方法や上限は法令で定められています。額や有利不利の判断は本稿では扱いません。所轄の税務署または税理士にご確認ください。

Q. 年末調整で処理される?

A. されません。給与から天引きされている方も、確定申告が必要です。寄付をしただけでは控除されない点に、ご注意ください。

Q. 住民税も同じ?

A. 自動的に同じではありません。自治体ごとに扱いが違い、条例で指定されている必要があります。お住まいの自治体にご確認ください。

Q. 会費も対象になる?

A. 会費と寄付は性格が違います。扱いも異なります。判断に迷う場合は、税務署か税理士にご確認ください。

Q. 物を寄付した場合は?

A. お金の場合と扱いが異なります。対象になるか、評価をどうするかは判断が難しい領域です。必ず事前に税務署か税理士にご確認ください。


この記事の位置づけ

本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。

  • 税務の取扱いは、収入の性質や事業の実態によって結論が変わります。具体的な判定や税額の計算については、税理士または所轄の税務署へご確認ください。

【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的として作成したものであり、正確性・最新性に配慮していますが、内容の完全性・正確性を保証するものではありません。法令・制度・税制は改正される場合があり、個別の事情により取り扱いが異なることもあります。本記事の情報を利用して行われた一切の行為およびその結果について、当サイトおよび筆者は責任を負いかねます。実際のお手続きや判断にあたっては、必ず公的機関の最新情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。