NPO法人と学校・大学の連携|窓口と持ちかける時期

一般社団法人法
学校や大学と組みたい。窓口と進め方には、決まった形があります。

NPO法人が学校や大学と連携する場面は、年々増えています

出前の授業、実習の受け入れ、共同の調査などです。

ただし、相手の事情を知らないと話が進みません。

この記事では、連携の進め方を解説します。

POINT 結論:学校との連携は、担当の教員か教育委員会が窓口になります。大学とは、地域連携の部署か個々の研究室が入口です。相手の年度と繁忙期を理解し、余裕を持って持ちかけることが要点になります。

連携の形はいくつもある

学校や大学との関わり方は、一つではありません。

第一が、出前の授業です。

団体が学校へ行き、話をする形です。

第二が、実習や体験の受け入れです。

学生が、団体の活動に加わります。

第三が、共同の調査や研究です。

第四が、施設や場所の提供です。

第五が、学生ボランティアの受け入れです。

それぞれ、窓口も進め方も違います。

どれを目指すかを、先に決めましょう。

学校の窓口

小中学校や高校では、窓口が二つあります。

第一が、学校の担当の教員です。

総合的な学習の時間を担当する先生などです。

第二が、教育委員会です。

複数の学校に広げたい場合は、こちらが近道です。

一校から始めて、実績を作る方法もあります。

知り合いの教員がいれば、そこから相談します。

いない場合は、まず教育委員会に問い合わせます。

地域学校協働本部といった仕組みも、あります。

連携の形 主な窓口 持ちかける時期
出前の授業 担当の教員・教育委員会 前年度の1〜3月
実習の受け入れ 大学の担当部署 前年度の後半
共同の調査 研究室・地域連携の部署 随時
学生ボランティア ボランティアセンター 学期の初め
施設の利用 学校・教育委員会 年度の初め

年度の感覚を合わせる

学校は、年度で動いています。

翌年度の計画は、前年度のうちに決まります。

1月から3月が、その時期です。

4月に持ちかけても、その年度には入りません。

前年度のうちに、相談しておきましょう。

大学も、同じ考え方です。

授業の計画は、前年度に決まります。

思い立った時期に始められない、と理解しておきます。

一年前から動く、と考えておくのが現実的です。

繁忙期を避ける

相手の忙しい時期も、知っておきましょう。

学校なら、学期の始めと終わりです。

行事の時期も、余裕がありません。

大学なら、試験と入試の時期です。

2月から3月は、特に難しくなります。

連絡しても、返事が遅れることがあります。

急かさないでください。

余裕を持った日程で、持ちかけましょう。

相手の事情を理解することが、関係の土台です。

学校へ持ちかける前に用意するもの

  • 団体の紹介の資料
  • 過去の実施の記録と写真
  • 提案する内容(対象学年・時間・人数)
  • 必要な設備や場所
  • 費用の有無と負担の考え方
  • 保険の加入の状況
  • 当日の担当者と連絡先
  • 個人情報や写真の扱いの方針
  • どの学年の何の学習に結びつくか
  • 学校にお願いすることの一覧
  • 当日の進行の案

提案の内容を具体的にする

相談するときは、具体的に提案します。

何かできませんか、では話が進みません。

対象の学年を、示します。

時間の長さも、書きます。

1時間か、2コマ分かで準備が変わります。

人数の上限も、伝えます。

必要な設備を、あらかじめ示します。

費用がかかるかも、はっきりさせます。

受け入れる側が、判断できる材料をそろえましょう。

実習を受け入れる場合

学生の実習を受け入れる場合は、準備が要ります。

第一に、何を体験してもらうかを決めます。

第二に、担当する人を決めます。

第三に、日程と時間を決めます。

第四に、保険の扱いを確認します。

大学の側で加入している場合も、あります。

第五に、守秘の約束をしてもらいます。

利用者の情報に、触れる可能性があるためです。

第六に、記録と評価の方法を確認します。

大学から、様式が示されることもあります。

学生ボランティアとの関わり

学生ボランティアは、貴重な担い手です。

一方、続かないことも多いものです。

学年が上がれば、忙しくなります。

卒業すれば、離れていきます。

入れ替わりを、前提にしましょう。

手順を文書にしておけば、教える負担が減ります。

短い期間でも、任せられる仕事を用意します。

大学のボランティアセンターに、登録する方法もあります。

継続して人が来る仕組みを、作りましょう。

共同の調査や研究

研究室と組む形も、あります。

団体の現場が、研究の対象になります。

調査の結果は、団体にとっても材料になります。

助成金の申請や、行政への提案に使えます。

ただし、目的が違う点に注意が要ります。

研究は、成果の発表が目的です。

団体は、課題の解決が目的です。

成果物の扱いを、あらかじめ取り決めましょう。

個人情報の扱いも、書面で決めます。

利用者の同意も、必ず得てください。

謝金と費用の扱い

費用の話は、先にしておきます。

出前の授業で、謝金を受けられる場合があります。

学校の予算や、教育委員会の制度によります。

無償で行う団体も、多くあります。

ただし、交通費と資料の費用はかかります。

毎回の負担が、続けられる水準かを考えましょう。

無償が当たり前になると、続けられなくなります。

最初に、費用の考え方を伝えておきます。

教材費として実費を求める方法も、あります。

関係を続ける工夫

一度きりで終わらせない工夫も要ります。

第一に、実施のあとに報告を送ります。

第二に、感想や気づきを共有します。

第三に、次年度の相談を早めに持ちかけます。

第四に、担当の教員が代わることを前提にします。

学校では、数年で異動があります。

個人的な関係だけだと、途切れます。

学校としての記録に、残る形にしましょう。

教育委員会にも、実績を伝えておきます。

大学の窓口

大学には、いくつかの入口があります。

第一が、地域連携の部署です。

社会連携センターといった名称で置かれています。

第二が、個々の研究室です。

分野が合う教員に、直接相談する形です。

第三が、ボランティアセンターです。

学生の活動を、まとめている部署です。

第四が、キャリアの支援の部署です。

インターンの受け入れなら、こちらになります。

目的によって、当たる先が変わります。

生徒や学生を守る

未成年が関わる活動では、備えが重要です。

第一に、保険の加入を確認します。

第二に、二人以上で対応する原則を作ります。

第三に、写真の扱いを確認します。

学校を通じて、保護者の意向を聞きます。

第四に、けがや体調不良への対応を決めます。

第五に、連絡の経路を決めます。

団体から直接、保護者に連絡しない形が一般的です。

学校を通すことになります。

事前に、手順を確認しておきましょう。

先生の負担を減らす

学校の先生は、非常に忙しいものです。

負担を増やす提案は、通りません。

第一に、こちらで準備するものを明示します。

第二に、学校にお願いすることを最小限にします。

第三に、当日の進行の案を用意します。

第四に、必要な書類を、こちらで作ります。

第五に、事前の打ち合わせを短くまとめます。

手間がかからないと分かれば、話は進みます。

逆に、丸投げに見える提案は敬遠されます。

相手の時間を、いちばん大切に扱いましょう。

教育課程との関係

学校の授業には、決められた内容があります。

自由に何でもできるわけでは、ありません。

総合的な学習の時間なら、比較的柔軟です。

教科の中で扱う場合は、単元との関係が問われます。

どの学年の、何の学習に結びつくかを示しましょう。

先生が、校内で説明しやすくなります。

学習指導要領との関係を、調べておく方法もあります。

そこまでできれば、提案の質が上がります。

相手の言葉で、話せるかどうかです。

一度学べば、以後ずっと使えます。

実施したあとの共有

一度で終わらせないためには、記録が要ります。

実施した内容と、反応をまとめます。

写真も、許可を得たうえで残します。

報告を、学校に届けましょう。

先生が、校内で共有できる形にします。

生徒の感想があれば、いただけないか相談します。

次年度の提案の材料に、なります。

自分たちの活動報告にも、載せられます。

教育委員会に伝えれば、他校へ広がる可能性もあります。

記録がないと、実績として示せません。

連携の効果を過大に見ない

学校との連携は、魅力的に見えます。

ただし、効果を過大に見ないでください。

一度の授業で、大きく変わることは稀です。

会員が増えるわけでも、ありません。

寄付につながる場面も、限られます。

目的は、課題を知ってもらうことです。

長い目で見た、種まきと考えましょう。

準備には、相応の時間がかかります。

その時間を割く価値があるかを、判断してください。

本業の活動が薄くなっては、本末転倒です。

話が来る側になる

自分から持ちかけるだけが、方法ではありません。

学校の側から、声がかかることもあります。

そのためには、知られている必要があります。

第一に、ウェブサイトに活動の内容を載せます。

第二に、教育委員会に団体の資料を届けます。

第三に、中間支援組織に登録します。

第四に、地域の会合に顔を出します。

第五に、実施した記録を公開しておきます。

探している側が、見つけられる状態を作りましょう。

待つだけでは、届きません。

学校・大学との連携のまとめ

連携の形は、出前の授業、実習、共同の調査など複数あります。

学校の窓口は、担当の教員か教育委員会です。

大学は、地域連携の部署か個々の研究室が入口になります。

翌年度の計画は前年度のうちに決まるため、一年前から動きます。

試験や入試、行事の時期は避けましょう。

提案は、対象学年・時間・人数まで具体的に示します。

実習の受け入れは、保険と守秘の約束を確認してください。

担当の教員は異動するため、学校としての記録に残る形にします。

大学は地域連携の部署、研究室、ボランティアセンターで窓口が違います。

未成年が関わる活動では、保険と連絡の経路を先に確認してください。

先生の負担を減らす提案ほど、話が進みます。

どの学年の何の学習に結びつくかを示すと、校内で説明しやすくなります。

一度の授業で大きく変わることは稀で、長い目で見た種まきです。

実施したら記録を学校へ届け、教育委員会にも伝えておきましょう。

声がかかる側になるには、見つけられる状態を作ることが先です。

よくある質問

Q. 学校の窓口はどこ?

A. 担当の教員か、教育委員会です。複数の学校に広げたいなら教育委員会が近道で、まず一校で実績を作る方法もあります。地域学校協働本部といった仕組みもあります。

Q. いつ持ちかければいい?

A. 一年前です。翌年度の計画は前年度の1月から3月に決まるため、4月に持ちかけてもその年度には入りません。

Q. 避けたほうがいい時期は?

A. 学期の始めと終わり、行事の時期です。大学なら試験と入試の時期で、2月から3月は特に難しくなります。急かさないでください。

Q. 提案は何を伝える?

A. 対象の学年、時間の長さ、人数の上限、必要な設備、費用の有無です。何かできませんか、では話が進みません。受け入れる側が判断できる材料をそろえてください。

Q. 実習の受け入れで注意することは?

A. 保険の扱いと、守秘の約束です。利用者の情報に触れる可能性があります。記録と評価の様式が大学から示されることもあるため、事前に確認しておきましょう。

Q. 謝金はもらえる?

A. 学校の予算や教育委員会の制度によります。無償で行う団体も多いですが、交通費と資料の費用はかかります。無償が当たり前になると続けられないため、最初に費用の考え方を伝えておきましょう。

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