NPO法人の周年をどう使うか|行事より記録を残す

一般社団法人法
5年、10年。せっかくの節目を、行事だけで終わらせないでください。

NPO法人にも、設立からの節目が訪れます。

5年、10年、20年という区切りです。

記念の行事を開く団体も、多くあります。

この記事では、節目の使い方を解説します。

POINT 結論:周年は、行事を開くことより記録を残すことに価値があります。関わった人がまだいるうちに、経緯を聞き取って残してください。5年10年経つと、なぜそうしたかを知る人がいなくなります。

周年に何をするか

まず、選択肢を並べます。

第一に、記念の行事を開きます。

第二に、記念の冊子を作ります。

第三に、年表をまとめます。

第四に、関わった人に感謝を伝えます。

第五に、活動を振り返る場を持ちます。

第六に、次の目標を立てます。

第七に、広報の機会として使います。

すべてをやる必要は、ありません。

団体の力に合わせて、選びましょう。

いちばん価値があるのは記録

優先順位を、はっきりさせます。

行事より、記録のほうが価値があります。

第一に、行事は一日で終わります。

第二に、記録は何十年も残ります。

第三に、設立の経緯を知る人は減ります。

第四に、なぜこの事業を始めたかも忘れられます。

第五に、失敗した取り組みも記録に値します。

第六に、次の世代が必ず読みます。

記録がないと、毎回ゼロから考えることになります。

節目は、それを残す口実になります。

口実がないと、誰も手をつけません。

やること 手間 残るもの
記念の行事 一日の思い出・関係
記念の冊子 経緯と記録(長く残る)
年表を作る 団体の歩み
関わった人への感謝 関係の維持
聞き取りの記録 当事者の言葉
写真の整理 広報にも使える資産

聞き取りをする

記録の中で、最も価値がある作業です。

第一に、設立に関わった人に聞きます。

第二に、なぜ始めたかを聞きます。

第三に、当時の地域の状況も聞きます。

第四に、苦労した点を聞きます。

第五に、やめようと思った時期も聞きます。

第六に、続けられた理由を聞きます。

一人1時間で、十分です。

録音して、後で文字にします。

本人の許可を、必ず得てください。

今しか聞けない話が、必ずあります。

周年で残すもの

  • 年表(設立から現在まで)
  • 設立に関わった人の聞き取り
  • 主な事業ごとの記録
  • 実績の数字(累計)
  • 写真の整理と説明
  • 関わった人の名前の一覧
  • うまくいかなかったことの記録
  • 当時の資料(チラシ・会報)
  • 次の目標
  • 記録の保管の場所と担当

年表を作る

手間が少なく、効果が大きい作業です。

第一に、設立の年から並べます。

第二に、主な出来事を1行ずつ書きます。

第三に、事業を始めた年を入れます。

第四に、事務所を移した年も入れます。

第五に、役員が交代した年も入れます。

第六に、地域の出来事も添えます。

議事録と会報から、大半は拾えます。

A4で1枚から2枚に、収まります。

これがあると、説明が格段に楽になります。

記念の冊子を作る

余力があれば、冊子にまとめます。

第一に、年表を軸にします。

第二に、聞き取りを載せます。

第三に、事業ごとの記録を入れます。

第四に、写真を多く使います。

第五に、関わった人の名前を並べます。

第六に、数字も入れます。

第七に、次の目標も書きます。

厚くする必要は、ありません。

20ページでも、十分な記録になります。

作る過程そのものが、振り返りになります。

感謝を伝える

節目は、関係を確かめる機会でもあります。

第一に、関わってくれた人に連絡します。

第二に、既に離れた人にも送ります。

第三に、寄付をくれた人にも伝えます。

第四に、協力してくれた団体にも送ります。

第五に、行政の担当課にも届けます。

第六に、名前を出す場合は許可を得ます。

連絡が途切れていた人と、つながり直せます。

節目は、そのための口実になります。

普段は、なかなか送れないものです。

行事を開くなら

記念の行事を開く場合の要点です。

第一に、目的を決めます。

感謝を伝えるのか、広く知ってもらうのかです。

第二に、対象を決めます。

第三に、規模は無理をしないでください。

第四に、準備は半年前から始めます。

第五に、担い手の負担を見ます。

第六に、日常の活動を止めないようにします。

第七に、費用の見込みも立てます。

周年で疲れ果てる団体が、あります。

身の丈に合った形が、いちばんです。

うまくいかなかったことも残す

書きにくい部分ですが、価値があります。

第一に、やめた事業を書きます。

第二に、なぜやめたかも書きます。

第三に、想定と違った点を書きます。

第四に、人が集まらなかった経験も書きます。

第五に、他団体にも参考になります。

第六に、次の世代が同じ失敗を避けられます。

成功だけを並べた記録は、役に立ちません。

正直に書くほうが、読まれます。

信用にも、つながります。

写真を整理する

節目は、写真を整理する機会でもあります。

第一に、年ごとに分けます。

第二に、説明を付けます。

いつ、どこで、何をしている場面かです。

第三に、写っている人を確認します。

第四に、使える写真を選びます。

許可の範囲を、確かめます。

第五に、共有の場所に保存します。

第六に、二重に保存します。

整理された写真は、その後何年も使えます。

広報の資産に、なります。

次の目標を立てる

振り返るだけで、終わらせないことです。

第一に、次の5年を考えます。

第二に、何を続けるかを決めます。

第三に、何をやめるかも決めます。

第四に、新しく始めることも考えます。

第五に、担い手の見通しも立てます。

第六に、総会で共有します。

節目は、方針を見直す口実になります。

普段は、日々の活動に追われます。

立ち止まる機会として、使いましょう。

小さな節目も使う

10年を待つ必要は、ありません。

第一に、5年でも構いません。

第二に、事業を始めて3年でも使えます。

第三に、参加者が延べ1000人でも節目です。

第四に、口実は何でもよいのです。

第五に、記録を残す機会にします。

第六に、感謝を伝える機会にもします。

節目を作れば、立ち止まれます。

20年目に慌てて聞き取りをするより、

5年ごとに少しずつ残すほうが確実です。

資料を集める

記録を作るには、材料が要ります。

第一に、過去の会報を集めます。

第二に、チラシの控えも集めます。

第三に、議事録から日付を拾います。

第四に、報告書も並べます。

第五に、会員に写真の提供を呼びかけます。

第六に、離れた人にも声をかけます。

手元にない資料を、持っている場合があります。

第七に、集めたものを年ごとに整理します。

材料さえ揃えば、まとめる作業は進みます。

呼びかけを、早めに始めましょう。

担当と期間を決める

周年の作業は、片手間では終わりません。

第一に、担当を決めます。

第二に、複数人で分担します。

聞き取り、年表、写真、行事です。

第三に、1年前から始めます。

第四に、月ごとの予定を立てます。

第五に、理事会で進み具合を確認します。

第六に、無理なら規模を落とします。

直前に慌てると、記録の質が落ちます。

記録は、時間をかけたぶんだけ良くなります。

早く始めることが、いちばんの工夫です。

費用をどうするか

周年には、費用もかかります。

第一に、冊子の印刷の費用です。

第二に、行事を開く費用です。

第三に、郵送の費用もかかります。

第四に、予算に計上しておきます。

前年度の計画に、入れておく形です。

第五に、助成金を使える場合もあります。

記録や記念の事業を対象とするものがあります。

第六に、寄付を募る方法もあります。

第七に、規模は費用から逆算します。

会計や税務の取扱いは、専門家に確認してください。

外にも発信する

節目は、知ってもらう機会でもあります。

第一に、報道機関に情報を送れます。

第二に、行政の広報紙にも載せてもらえます。

第三に、他団体にも案内します。

第四に、送るときは短くまとめます。

何年目か、何をしてきたか、何をするかです。

第五に、写真も添えます。

第六に、取り上げられなくても構いません。

第七に、送ること自体が関係づくりです。

節目は、普段は作れない口実になります。

使わないのは、もったいないことです。

周年をどう使うかのまとめ

周年は、行事を開くことより記録を残すことに価値があります。

行事は一日で終わり、記録は何十年も残ります。

関わった人がまだいるうちに、聞き取りをしてください。

なぜ始めたか、苦労した点、続けられた理由を一人1時間で聞きます。

5年10年経つと、なぜそうしたかを知る人がいなくなります。

年表は手間が少なく効果が大きい作業です。議事録と会報から拾えます。

うまくいかなかったことも書いてください。成功だけの記録は役に立ちません。

節目は、離れた人へ感謝を伝える口実にもなります。

行事を開くなら、規模は無理をせず、日常の活動を止めないでください。

写真を整理すると、その後何年も使える広報の資産になります。

節目は、報道機関や行政の広報紙に情報を送る口実にもなります。

過去の会報・チラシ・議事録を集め、会員にも資料の提供を呼びかけます。

担当を決めて1年前から始めてください。直前に慌てると記録の質が落ちます。

費用は前年度の予算に計上し、規模は費用から逆算しましょう。

10年を待たず、5年でも延べ1000人でも節目にしましょう。

よくある質問

Q. 周年に何をすべき?

A. 行事より記録に価値があります。行事は一日で終わり、記録は何十年も残ります。年表、聞き取り、写真の整理から始めてください。

Q. 聞き取りは何を聞く?

A. なぜ始めたか、当時の地域の状況、苦労した点、やめようと思った時期、続けられた理由です。一人1時間で十分です。録音は本人の許可を得てください。

Q. 年表はどう作る?

A. 設立の年から主な出来事を1行ずつ並べます。事業の開始、事務所の移転、役員の交代、地域の出来事です。議事録と会報から大半は拾えます。

Q. 失敗も書くべき?

A. 書いてください。やめた事業とその理由、想定と違った点、人が集まらなかった経験です。成功だけを並べた記録は役に立たず、正直なほうが読まれます。

Q. 記念の行事は必要?

A. 必須ではありません。開くなら目的と対象を決め、規模は無理をせず、日常の活動を止めないでください。周年で疲れ果てる団体があります。

Q. 10年目まで待つ?

A. 待つ必要はありません。5年でも、事業を始めて3年でも、延べ1000人でも節目です。5年ごとに少しずつ残すほうが確実です。

Q. 感謝はどこまで伝える?

A. 関わってくれた人、既に離れた人、寄付をくれた人、協力してくれた団体、行政の担当課です。連絡が途切れていた人と、つながり直す機会になります。

Q. 材料はどう集める?

A. 過去の会報、チラシの控え、議事録、報告書を並べます。会員や離れた人に写真の提供を呼びかけてください。手元にない資料を持っている場合があります。

Q. いつから準備する?

A. 1年前からです。担当を決めて聞き取り・年表・写真・行事に分担し、理事会で進み具合を確認します。直前に慌てると、記録の質が落ちます。

Q. 費用はどうする?

A. 冊子の印刷、行事、郵送の費用がかかります。前年度の予算に計上し、規模は費用から逆算してください。記録や記念の事業を対象とする助成金もあります。


この記事の位置づけ

本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。

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