NPO法人の総会には、決まった資料が要ります。
議案書、事業報告、決算、次年度の計画などです。
毎年ゼロから作ると、抜けが生じます。
この記事では、総会資料の型を解説します。
資料は招集の通知から始まる
総会資料の起点は、招集の通知です。
日時、場所、議題を書きます。
定款で定めた期間より前に、出します。
5日前までとする定款が、多く見られます。
書面表決書と委任状も、同封します。
議案の資料も、あわせて送るのが親切です。
当日に配るより、事前のほうが議論が進みます。
郵送か電子かは、会員の希望で分けます。
発送の記録も、残しておきましょう。
議案に番号を振る
議案には、番号を振ります。
第1号議案、第2号議案という形です。
議事録でも、この番号で管理します。
採決も、番号ごとに行います。
番号があると、議論が整理されます。
どの議案の話かが、明確になるためです。
議決が必要なものだけに、番号を振りましょう。
報告事項は、別に並べます。
この区別が、資料でいちばん大切な部分です。
| 資料 | 内容 | 議決の要否 |
|---|---|---|
| 招集の通知 | 日時・場所・議題 | — |
| 第1号議案 | 事業報告と決算の承認 | 要 |
| 第2号議案 | 事業計画と活動予算の承認 | 定款による |
| 第3号議案 | 役員の選任・定款変更など | 要 |
| 報告事項 | 進み具合・今後の予定 | 不要 |
| 参考資料 | 規程・名簿・アンケートの結果 | — |
事業報告をまとめる
事業報告は、前年度の活動をまとめたものです。
所轄庁へ提出する書類でも、あります。
事業ごとに、実施の内容を書きます。
回数、参加した人数を数字で入れます。
実施しなかった事業も、その旨を書きます。
定款に書いた事業と、対応させましょう。
書いていない事業を実施していると、指摘の対象です。
写真を入れると、伝わりやすくなります。
ただし、提出用と会員向けは分けて考えます。
決算の示し方
決算も、承認の対象です。
活動計算書と、貸借対照表が中心になります。
財産目録も、あわせて示します。
会員向けの資料では、要点を補う工夫が有効です。
大きな費目を、円グラフにするといった形です。
前年との比較があると、変化が見えます。
監事の監査報告も、必ず添えます。
書面で作り、監事が署名したものです。
会計の具体的な処理は、専門家に相談してください。
- 招集の通知(日時・場所・議題)
- 書面表決書と委任状の用紙
- 前年度の事業報告
- 決算関係の書類
- 監事の監査報告
- 次年度の事業計画
- 次年度の活動予算
- 役員の改選がある年は候補者の名簿
- 定款変更がある年は新旧の対照表
- 前回の総会の議事録
事業計画と活動予算
次年度の計画も、資料に入れます。
事業ごとに、何を行うかを書きます。
時期と、規模の見込みも示します。
活動予算は、その裏づけです。
収入と支出を、費目ごとに並べます。
前年度の実績と、比べられる形が親切です。
大きく増減する費目は、理由を添えます。
議決が必要かは、定款によります。
確認してから、議案にするか報告にするかを決めます。
定款変更がある年
定款変更の議案は、特に丁寧に作ります。
新旧の対照表を、必ず添えましょう。
左に現行、右に変更後を並べる形です。
変わる部分に、下線を引きます。
変更の理由も、書き添えます。
議決には、特別の多数が必要です。
要件を、議案書にも書いておきましょう。
事前に読んでもらう必要が、特に高い議案です。
認証が必要か届出で足りるかも、確認しておきます。
役員改選がある年
2年に一度、役員の改選があります。
候補者の名簿を、資料に入れます。
氏名と、簡単な経歴を書きます。
新任か再任かも、示しましょう。
選任の方法は、定款によります。
理事と監事を、分けて議案にする形もあります。
就任承諾書は、当日に書いてもらうと効率的です。
親族の制限と、報酬を受ける役員の割合も確認します。
登記と届出の予定も、あわせて示すと親切です。
参考資料の扱い
議案以外に、参考として付ける資料もあります。
規程を改正したなら、その内容です。
会員数の推移も、有用な情報になります。
アンケートの結果を、載せる団体もあります。
前回の総会の議事録も、参考になります。
ただし、量を増やしすぎないでください。
読まれないと、意味がありません。
本編と参考を、はっきり分けましょう。
厚い資料は、それだけで敬遠されます。
分量と体裁
総会資料は、読み切れる量にします。
A4で10枚から20枚が、現実的です。
表紙に、目次を付けましょう。
議案ごとに、見出しを立てます。
通し番号を、右下に入れます。
当日、この番号で案内できます。
文字は、大きめにしましょう。
高齢の会員が多い団体では、特に配慮します。
要点を先に、詳細を後に置く形が読みやすくなります。
作る手順と担当
資料作りは、早めに始めます。
第一に、決算をまとめます。
第二に、監事の監査を受けます。
第三に、理事会で議案を確認します。
第四に、資料を清書します。
第五に、発送します。
総会の日から逆算して、日程を組みましょう。
担当を決めておくと、毎年同じ形で回ります。
前年の資料を手本にすれば、抜けも減ります。
よくある不備
第一が、議決事項と報告事項を分けていない場合です。
第二が、監事の監査報告がない場合です。
第三が、定款変更で新旧の対照表がない場合です。
第四が、議案の番号がない場合です。
第五が、事業報告と定款の事業が対応していない場合です。
第六が、招集の通知に議題を書いていない場合です。
いずれも、決議の効力に関わる場合があります。
前年の資料と、突き合わせて確認しましょう。
型を作れば、抜けは大きく減ります。
書面表決書と委任状の用紙
欠席する会員のための用紙も、資料に入れます。
書面表決書は、議案ごとに賛否を書く形です。
議案の番号と、賛成・反対の欄を並べます。
委任状は、議決権を他の会員に委ねる形です。
誰に委ねるかを、書く欄を設けます。
議長に一任、という選択肢を置く団体もあります。
どちらも、定款に定めがあるか確認しましょう。
定めがなければ、使えません。
提出の期限と、提出先も書いておきます。
返信用の封筒を入れると、回収率が上がります。
電子で送る場合
資料を、電子で送る団体も増えています。
費用と手間が、大きく減ります。
第一に、会員の希望を先に聞きましょう。
紙でないと読めない会員が、必ずいます。
第二に、送り先の記録を残します。
届いたかどうかが、後で問題になるためです。
第三に、開けない形式を避けます。
第四に、招集の通知の方法は定款によります。
電子で足りるかを、確認してください。
紙と電子の併用が、いちばん確実です。
当日の配り方
当日にも、資料を用意します。
事前に送っていても、忘れる人がいます。
予備を、出席の見込みの2割ほど刷りましょう。
受付で、出席簿と一緒に渡します。
差し替えがある場合は、別紙にします。
本編を刷り直すより、確実です。
議長と書記の分は、書き込める形にします。
進行の台本を、あわせて用意すると滞りません。
議案ごとの読み上げの文言も、書いておきましょう。
資料を保存する
総会資料は、必ず保存します。
議事録と、組にして残しましょう。
第一に、紙で一部を保管します。
第二に、電子でも控えを残します。
第三に、年度ごとに整理します。
第四に、書面表決書と委任状も保管します。
定足数の根拠になる、大切な書類です。
第五に、出席簿も一緒に綴じます。
後から決議の効力を問われたときの、根拠になります。
保管の場所と担当を、決めておきましょう。
所轄庁へ出すものとの違い
総会資料と、所轄庁への提出書類は別です。
重なる部分も、ありますが同じではありません。
提出書類は、様式が定められています。
事業報告書、計算書類、財産目録などです。
役員名簿と、社員のうち10人以上の名簿も要ります。
総会資料は、会員に分かりやすく伝えるものです。
図や写真を入れても、構いません。
一方、提出書類は様式どおりに作ります。
両方を作る前提で、日程を組みましょう。
提出の期限は、事業年度の終了から3か月以内です。
備え置きと閲覧
総会資料の一部は、事務所に備え置きます。
事業報告書や計算書類などです。
閲覧の求めがあれば、応じる必要があります。
会員だけでなく、市民からの求めもあり得ます。
過去の分も、定められた期間は残します。
事務所に無い、という状態を避けましょう。
所轄庁でも、提出書類は閲覧できます。
公開される前提で、作ることが大切です。
個人情報の扱いにも、気を配りましょう。
会員名簿は、備え置きの対象ではありません。
総会資料の作り方のまとめ
総会資料は、通知・議案書・報告と計画・参考資料で組み立てます。
議案には番号を振り、議決の要否で分けてください。
事業報告は、定款に書いた事業と対応させます。
決算には、監事の監査報告を必ず添えます。
定款変更の年は、新旧の対照表を付けましょう。
役員改選の年は、候補者の名簿を入れます。
分量はA4で10枚から20枚を目安にしてください。
書面表決書と委任状は、定款に定めがあるか確認してください。
当日の予備は、出席の見込みの2割ほど刷っておきましょう。
資料は議事録と組にして、書面表決書や出席簿も一緒に保管します。
所轄庁への提出書類は様式が定められており、総会資料とは別に作ります。
提出の期限は、事業年度の終了から3か月以内です。
一度型を作れば、翌年から中身の差し替えで済みます。
よくある質問
A. 招集の通知、議案書、事業報告と決算、次年度の計画と予算、監事の監査報告です。役員改選や定款変更がある年は、それぞれの資料も加えます。
A. 振ってください。議事録でも同じ番号で管理でき、採決も番号ごとに行えます。議決が必要なものだけに番号を振り、報告事項は別に並べます。
A. 必要です。監事が実際に確認したうえで、書面で作り署名したものを添えます。決算の承認には、この報告が前提になります。
A. 新旧の対照表です。左に現行、右に変更後を並べ、変わる部分に下線を引きます。変更の理由と、特別の多数が必要である旨も書いておきましょう。
A. A4で10枚から20枚が現実的です。厚すぎると読まれません。本編と参考資料をはっきり分け、表紙に目次を付けてください。
A. 定款で定めた期間より前です。5日前までとする定款が多く見られます。書面表決を回収する時間も考えて、早めに出しましょう。
A. 招集の通知の方法は定款によるため、まず確認してください。紙でないと読めない会員が必ずいるので、希望を聞いたうえで紙と併用するのが確実です。送り先の記録も残しておきましょう。
A. 別です。提出書類は様式が定められており、事業報告書、計算書類、財産目録、役員名簿などを事業年度の終了から3か月以内に出します。総会資料は会員に分かりやすく伝えるためのもので、図や写真を入れて構いません。
本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。
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