NPO法人にとって、活動する場所の確保は共通の悩みです。
事務所を借りる余裕は、多くの団体にありません。
それでも、使える場所はいくつもあります。
この記事では、場所の探し方と使い方を解説します。
事務所と活動場所を分ける
まず、二つを分けて考えましょう。
事務所は、定款に書く法人の所在地です。
書類を置き、郵便を受け取る場所です。
活動の場所は、実際に事業を行う場所です。
講座を開く、支援を行う場所になります。
この二つは、同じである必要がありません。
事務所は代表者の自宅で、活動は公民館という形も可能です。
分けて考えると、選択肢が広がります。
事務所を借りるかどうかで、悩まなくて済みます。
公共施設を使う
いちばん現実的なのが、公共施設です。
公民館、市民センター、生涯学習施設などです。
低額で、借りられます。
団体として登録すると、減免を受けられる場合もあります。
登録の要件を、確認しましょう。
市内に事務所があること、が条件のこともあります。
会員の人数を、求められる場合もあります。
予約の方法も、施設ごとに違います。
抽選の月と、先着の月がある施設もあります。
早めに、仕組みを調べておきましょう。
| 場所 | 費用の目安 | 主な条件 |
|---|---|---|
| 公民館・市民センター | 低額(減免あり) | 団体登録・市内の要件 |
| 中間支援組織 | 低額 | 団体登録 |
| 学校の空き教室 | 低額または無料 | 教育委員会との調整 |
| 企業の会議室 | 無料の場合も | 社会貢献の枠組み |
| 商店街の空き店舗 | 低額 | 所有者との交渉 |
| 他団体との共用 | 分担 | 相手との取り決め |
中間支援組織の場所
市民活動センターにも、場所があります。
会議室を、低額で借りられます。
打ち合わせのための机が、置かれていることもあります。
印刷機や、紙折り機も使えます。
郵便物の受け取りに、対応している場合もあります。
団体として登録すれば、使えるようになります。
設立の前でも、任意団体として登録できることがあります。
他団体と顔を合わせる機会にも、なります。
まず、ここを当たってみましょう。
学校の空き教室
少子化で、空いている教室があります。
地域に開放している学校も、増えています。
窓口は、学校か教育委員会です。
放課後や、休日の利用が中心になります。
子ども向けの活動なら、相性がよいものです。
鍵の管理や、安全の確認が条件になります。
手続きは、簡単ではありません。
前年度のうちに、相談を始めましょう。
実績のある団体のほうが、話が進みます。
- 何をする場所か(会議・講座・作業・保管)
- 必要な広さと人数
- 使う頻度と時間帯
- 必要な設備(机・投影の機器・水道・調理)
- 駐車場や、交通の便
- 予算の上限
- 搬入や保管が必要か
- 子どもや高齢者が来るか(段差・トイレ)
- 備品の保管場所
- 予約の方法(抽選か先着か)
- 下見でしか分からない点(音・段差・コンセント)
企業や店舗の場所
民間の場所も、選択肢に入ります。
企業の会議室を、休日に借りられる場合があります。
社会貢献の枠組みで、無料のこともあります。
商店街の空き店舗を、活用する例もあります。
自治体が、空き店舗の活用を支援している地域もあります。
寺社や、集会所を使う団体もあります。
地域の関係から、話が来ることもあります。
普段から、活動を知ってもらうことが効きます。
場所は、人のつながりから見つかることが多いものです。
他団体と共用する
一団体で借りると、負担が重くなります。
複数の団体で、共用する方法があります。
費用を、分担できます。
使う曜日や時間を、分ける形です。
備品や書庫も、分けて使います。
ただし、取り決めが要ります。
費用の分担、鍵の管理、清掃の担当などです。
書面にしておきましょう。
相手が抜けたときの扱いも、決めておきます。
関係が良いうちに、決めておくのが要点です。
借りるときに確認すること
場所を借りるときは、条件を確認します。
第一に、使える時間帯と曜日です。
第二に、備品を置けるかです。
毎回運ぶのは、大きな負担になります。
第三に、飲食ができるかです。
第四に、看板や表示を出せるかです。
第五に、キャンセルの規定です。
第六に、事故が起きたときの責任です。
第七に、鍵の受け渡しの方法です。
口頭で聞くだけでなく、書面を確認しましょう。
事務所として使う場合
借りた場所を、事務所にする場合は注意が要ります。
第一に、法人の事務所として使う許可が要ります。
住居専用の契約では、認められないことがあります。
第二に、看板を出せるかを確認します。
第三に、郵便を受け取れるかを確認します。
第四に、登記できる住所かを確認します。
公共施設の一室は、事務所にできない場合があります。
第五に、備え置きの書類を置けるかを見ます。
閲覧の求めに、応じられる必要があるためです。
活動だけに使うなら、これらは不要です。
自宅を事務所にする
多くの団体が、代表者の自宅を事務所にしています。
費用がかからない点が、利点です。
一方、注意も要ります。
第一に、住所が公開されます。
登記され、書類にも記載されます。
第二に、賃貸なら契約の確認が要ります。
第三に、マンションの管理規約も確認します。
第四に、代表者が交代したら移転の手続きが生じます。
第五に、家族の理解も必要です。
将来を見込んで、判断しましょう。
場所がなくてもできること
場所がないと、何もできないわけではありません。
第一に、接続での会議は場所を選びません。
第二に、催しは会場を都度借りれば足ります。
第三に、書類は共有の保管場所に置けます。
第四に、郵便は私書箱を使う方法もあります。
第五に、打ち合わせは公共の場でも行えます。
固定の場所を持つと、費用が固定費になります。
収入が途切れても、支払いは続きます。
本当に必要かを、考えてから借りましょう。
場所が活動を変える
一方で、場所が持つ力もあります。
第一に、いつ行っても人がいる状態を作れます。
第二に、備品を置いたままにできます。
第三に、看板が出せて、地域に認知されます。
第四に、立ち寄れる場所になります。
相談に来る人が、増えることもあります。
第五に、団体としての形が見えます。
費用に見合う効果があるかを、比べましょう。
事業が広がった段階で、検討する形が現実的です。
予約の取り方を工夫する
公共施設は、予約の競争があります。
人気の曜日と時間帯は、埋まりがちです。
第一に、抽選の申込の時期を把握します。
第二に、複数の施設に申し込みます。
第三に、平日の昼など空いている枠を狙います。
第四に、定例の枠を確保できるか相談します。
継続して使う団体には、配慮がある場合もあります。
第五に、キャンセルが出たときの連絡を頼みます。
窓口の担当者と顔見知りになると、情報が入ります。
足を運ぶことが、いちばん確実です。
備品をどこに置くか
場所より、備品の保管に困る団体もあります。
毎回運ぶのは、大きな負担です。
第一に、施設に置かせてもらえるか聞きます。
倉庫の一角を、貸してくれる場合があります。
第二に、会員の自宅に分散して置く方法もあります。
ただし、どこに何があるかを一覧にします。
第三に、貸倉庫を借りる方法もあります。
費用はかかりますが、集約できます。
第四に、そもそも減らせないかを考えます。
使っていない備品が、意外に多いものです。
段差とトイレを確認する
来る人によって、必要な条件が変わります。
高齢の方や、障害のある方が来る場合です。
第一に、入口に段差がないかを見ます。
第二に、トイレの広さと手すりを確認します。
第三に、駐車場から入口までの距離を見ます。
第四に、椅子の高さも意外に効きます。
第五に、階段しかない建物は避けます。
下見のときに、実際に歩いてみましょう。
図面だけでは、分からないことがあります。
一度来て困った人は、二度と来ません。
無料で使える場所を探す
費用をかけずに使える場所も、あります。
第一に、図書館の会議室です。
無料で貸し出す施設が、あります。
第二に、地域の集会所です。
自治会に相談すると、使える場合があります。
第三に、社会福祉協議会の施設です。
第四に、商業施設の共用の場所です。
催しの枠を、開放している場合があります。
第五に、屋外の公園です。
使用の許可が要る場合もあるため、確認しましょう。
下見をしてから決める
書面の情報だけで、決めないでください。
必ず、下見に行きましょう。
第一に、広さの体感を確かめます。
数字で見るのと、印象は違います。
第二に、机と椅子の数と種類を見ます。
第三に、コンセントの位置を確認します。
第四に、音の響きを確かめます。
声が通らない部屋は、講座に向きません。
第五に、周囲への音の漏れも見ます。
当日に困る点は、下見で大半が分かります。
活動場所の確保のまとめ
事務所と活動の場所は、分けて考えましょう。
同じである必要は、ありません。
公共施設は、団体登録で減免を受けられる場合があります。
中間支援組織にも、低額で使える場所があります。
学校、企業、空き店舗という選択肢もあります。
他団体と共用するなら、費用と鍵の取り決めを書面にします。
事務所として使うなら、許可・看板・郵便・登記を確認してください。
固定の場所を持つと固定費になるため、必要性から判断しましょう。
公共施設は抽選の時期を把握し、複数の施設に申し込みましょう。
窓口の担当者と顔見知りになると、空きの情報が入ります。
場所より備品の保管に困る団体も多く、置き場所も先に考えます。
高齢の方が来るなら、段差とトイレを下見で実際に歩いて確認します。
図書館や集会所など、無料で使える場所も探してみてください。
書面だけで決めず、必ず下見に行きましょう。
広さの体感、机と椅子、コンセント、音の響きを確かめます。
よくある質問
A. できます。事務所は定款に書く所在地で、活動の場所とは別です。事務所は代表者の自宅、活動は公民館という形も可能です。
A. 公共施設です。公民館や市民センターを低額で借りられ、団体として登録すると減免を受けられる場合もあります。抽選か先着かなど、予約の仕組みを早めに調べておきましょう。
A. 借りられます。会議室のほか、印刷機や紙折り機、郵便物の受け取りに対応している場合もあります。設立前でも任意団体として登録できることがあります。
A. 費用を分担できる有効な方法です。ただし費用、鍵の管理、清掃の担当、相手が抜けたときの扱いを書面にしておいてください。
A. 確認が必要です。法人の事務所として使う許可、看板、郵便の受け取り、登記できる住所か、備え置きの書類を置けるかを見てください。
A. 住所が公開され登記もされます。賃貸なら契約、マンションなら管理規約の確認が要ります。代表者が交代すると移転の手続きも生じます。
本記事は、制度を一般的に説明したものです。個別の事案についての判断や手続きの代行を行うものではありません。
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