NPO法人の設立総会の開き方|当日の進行と議事録の書き方

一般社団法人法
設立の書類は、ほとんどが設立総会で決まります。当日の進め方を解説します。

NPO法人の設立では、設立総会が出発点になります。

定款も、事業計画も、役員も、この場で決めます。

ここでの決定が、そのまま申請書類になります。

この記事では、設立総会の準備と当日の進め方を解説します。

POINT 結論:設立総会は、定款、事業計画、活動予算、役員をまとめて決める場です。議事録がそのまま申請の添付書類になるため、記載の正確さが決定的に重要になります。開く前に所轄庁へ相談しておかないと、やり直しになる恐れがあります。

設立総会とは何か

設立総会は、法人を作ることを正式に決める会議です。

発起人だけでなく、社員となる人が集まります。

10人以上の社員が必要なので、その全員が対象です。

この場で、法人の骨格がすべて決まります。

定款、事業計画、活動予算、役員がその中身です。

会議の記録が、議事録になります。

議事録は、認証申請の添付書類になります。

つまり、当日の運びがそのまま書類の質になります。

形だけの会にしないことが、大切です。

開く前に事前相談する

設立総会を開く前に、所轄庁へ相談してください。

これが、最も重要な段取りです。

定款の内容に指摘があれば、総会の前に直せます。

総会のあとに直すとなると、やり直しになります。

決議した内容を変えるには、もう一度総会が要るためです。

10人以上を再び集めるのは、簡単ではありません。

事業計画書と活動予算書も、あわせて見てもらいます。

相談は無料で、多くの所轄庁が受け付けています。

複数回にわたって相談する団体も、珍しくありません。

決めるもの 内容 書類になるもの
定款 目的、名称、事務所、事業、社員、役員など 定款
事業計画 設立初年度と翌年度の事業 事業計画書
活動予算 同じ期間の収支の見込み 活動予算書
役員 理事3人以上、監事1人以上 役員名簿・就任承諾書
設立の意思 法人を設立することの決議 設立総会議事録

招集と出席

設立総会の招集は、発起人が行います。

日時、場所、議題を書いた通知を出します。

社員となる10人以上に、届くようにします。

当日の出席が難しい人には、委任状を用意します。

ただし、全員が委任状という状態は避けましょう。

実質的な議論があったことが、大切だからです。

出席者の名簿を、当日に作ります。

署名を集める形が、記録として確実です。

議事録に、出席者数を正確に書きます。

当日の進行

当日は、議題の順に進めます。

第一に、開会と発起人の挨拶です。

第二に、議長の選出です。

第三に、設立趣旨の説明です。

第四に、定款案の審議と議決です。

第五に、事業計画と活動予算の審議と議決です。

第六に、役員の選任です。

第七に、設立当初の事務所の所在地の決定です。

第八に、その他の必要な事項です。

最後に、閉会となります。

設立総会の当日に用意するもの

  • 定款案(人数分)
  • 事業計画書案と活動予算書案
  • 設立趣旨書案
  • 役員の候補者名簿
  • 出席者名簿の用紙
  • 委任状(欠席者から回収したもの)
  • 議事録の下書き
  • 就任承諾書の用紙
  • 筆記用具と印鑑
  • 社員名簿(10人以上・住所と氏名)
  • 設立当初の事務所の所在地が分かる資料
  • 議事録署名人を誰にするかの案

議長をどう選ぶか

議長は、その場で選びます。

発起人が務めることが、多くあります。

互選や、指名による選出でもかまいません。

選んだ経過を、議事録に書きます。

議長は、議事を進める役割です。

発言の機会を、公平に配ります。

採決の方法も、議長が示します。

賛成の数を数え、可決か否決かを宣言します。

議事録の署名者にもなるのが、一般的です。

定款の審議

定款の審議が、当日の中心になります。

条文を一つずつ読み上げる必要は、必ずしもありません。

要点を説明し、質問を受ける形で進めます。

特に、目的と事業の条文は丁寧に扱います。

活動分野の該当が、認証の要件だからです。

会費の額を定款に書くかどうかも、論点になります。

書くと、変更のたびに定款変更が必要になります。

別に定めるとしておく団体が、多くあります。

議決したら、その旨を議事録に記録します。

役員の選任と就任承諾

役員は、理事3人以上と監事1人以上です。

設立総会で、選任します。

選任されたら、その場で就任を承諾してもらいます。

就任承諾書を、当日に書いてもらうと効率的です。

役員に占める親族の制限も、確認します。

報酬を受ける役員が3分の1を超えないことも、要件です。

欠格事由に該当しないことも、宣誓してもらいます。

監事は、理事や職員を兼ねられません。

当日に人が足りないと、書類がそろいません。

議事録の作り方

議事録は、そのまま申請の添付書類になります。

日時と場所を、正確に書きます。

社員の総数と、出席者数を書きます。

委任状による出席も、数に含めて明記します。

議長の選出の経過を書きます。

議案ごとに、審議の概要と議決の結果を書きます。

賛成と反対の数を、具体的に書きます。

全員異議なく可決、という書き方も使われます。

議長と議事録署名人が、署名または記名押印します。

書式は、所轄庁の手引きに例が載っています。

よくある不備

第一が、出席者数と社員名簿が合わない場合です。

第二が、定款にない事業を事業計画に書いた場合です。

第三が、設立総会の日付が他の書類と矛盾する場合です。

第四が、役員の親族の制限に触れている場合です。

第五が、就任承諾書がそろっていない場合です。

第六が、議事録に議決の結果が明記されていない場合です。

いずれも、事前相談で防げるものばかりです。

書類の間の整合を、必ず確認してください。

一つの数字が違うだけで、補正になります。

設立総会のあと

設立総会が終わったら、申請の準備に入ります。

議事録を清書し、署名を集めます。

定款を、決議した内容で確定させます。

役員名簿と就任承諾書を、そろえます。

社員名簿も、10人以上で作ります。

設立趣旨書を、最終の形にします。

これらを添えて、所轄庁へ認証を申請します。

受理されれば、1か月の縦覧に入ります。

認証まで、標準で約3か月かかります。

社員10人をどう集めるか

設立総会の前提が、社員10人以上です。

ここでつまずく団体が、少なくありません。

第一に、活動に関わっている人から声をかけます。

第二に、趣旨に賛同してくれる知人に頼みます。

第三に、同じ分野の団体に相談します。

名前だけ貸してもらう形は、避けましょう。

社員は、総会で議決権を持つ人です。

実質的に関わる意思のある人を、集めてください。

設立後の運営を、一緒に担う仲間になります。

住所と氏名を名簿に書くことも、事前に説明します。

委任状と書面表決の扱い

当日に出席できない人への対応も、決めておきます。

委任状を出してもらう方法が、一般的です。

誰に委任するかを、明記してもらいます。

議長に一任する形が、多く使われます。

書面で賛否を示してもらう方法も、あります。

いずれの場合も、出席として扱われます。

議事録には、その旨を明記します。

本人出席と、委任状による出席を分けて書きます。

数が合わないと、補正の原因になります。

回収した委任状は、保管しておきましょう。

日程と会場を決める

設立総会の日程は、余裕をもって決めます。

10人以上の予定を合わせる必要があるためです。

1か月前には、案内を出したいところです。

会場は、人数が入れば公民館などで十分です。

費用をかける必要は、ありません。

所要時間は、2時間ほどをみておきます。

議論が長引くこともあるため、余裕を取ります。

資料を映せる設備があると、説明が楽になります。

設立総会の日付は、他の書類とも関わります。

決めたら、変更しないで済むようにしましょう。

発起人と社員の関係

設立の準備を進める人を、発起人と呼びます。

法律上の決まった役職では、ありません。

設立総会を招集する役割を、担います。

発起人は、通常そのまま社員になります。

役員になることも、多くあります。

ただし、発起人であることが役員の条件ではありません。

設立総会で選任されて、はじめて役員になります。

発起人が多すぎると、意思決定が遅くなります。

数人で準備し、社員を10人以上集める形が現実的です。

準備の段階で、役割を分けておきましょう。

設立当初の役員の任期

設立当初の役員の任期は、定款で定めます。

2年以内であることが、法律の要件です。

設立の日から、最初の通常総会までとする例があります。

この場合、初年度が短いと任期も短くなります。

2年後の通常総会までとする書き方も、よく使われます。

どちらにするかで、最初の改選の時期が変わります。

改選のたびに、登記と届出が生じます。

手間を考えて、決めましょう。

任期の起算点を、議事録にも明記します。

定款と議事録が食い違うと、補正の原因になります。

設立総会と創立の日

設立総会の日は、団体にとって節目になります。

ただし、法人の成立の日とは違います。

法人が成立するのは、設立の登記が完了した日です。

設立総会から、半年ほど先になります。

どちらを創立記念日とするかは、団体の考え方次第です。

任意団体の時代から活動している場合は、さらに前があります。

設立趣旨書に、これまでの経緯を書いておきましょう。

実績の長さは、信用につながります。

法人としての年数と、活動の年数は分けて説明できます。

ウェブサイトでも、両方を示すと伝わります。

設立総会の開き方のまとめ

設立総会は、法人の骨格をまとめて決める場です。

定款、事業計画、活動予算、役員がその中身です。

議事録がそのまま申請の添付書類になります。

開く前に、必ず所轄庁へ事前相談してください。

総会のあとに定款を直すと、やり直しになります。

就任承諾書は、当日に書いてもらうと効率的です。

出席者数と社員名簿の整合を、必ず確認しましょう。

認証まで標準で約3か月かかることも、見込んでください。

社員10人は、実質的に関わる意思のある人を集めてください。

当日に出席できない人には、委任状か書面表決で対応します。

設立当初の役員の任期は、定款と議事録で食い違わないようにします。

法人が成立するのは、設立総会の日ではなく登記が完了した日です。

よくある質問

Q. 設立総会では何を決める?

A. 定款、事業計画、活動予算、役員をまとめて決めます。設立の意思そのものと、設立当初の事務所の所在地も決議します。これらがそのまま認証申請の書類になります。

Q. 何人集まればいい?

A. 社員となる10人以上が対象です。当日の出席が難しい人には委任状を用意しますが、全員が委任状という状態は避けてください。実質的な議論があったことが大切です。

Q. 事前相談は必要?

A. 必須ではありませんが、最も重要な段取りです。総会のあとに定款を直すとやり直しになり、10人以上を再び集めることになります。事業計画書と活動予算書も、あわせて見てもらってください。

Q. 議長は誰がやる?

A. その場で選びます。発起人が務めることが多く、互選や指名でもかまいません。選んだ経過を議事録に書いてください。議事録の署名者にもなるのが一般的です。

Q. 就任承諾書はいつ取る?

A. 当日に書いてもらうのが効率的です。選任されたその場で承諾を得られるため、あとから集める手間がなくなります。用紙を人数分そろえておきましょう。

Q. 議事録には何を書く?

A. 日時、場所、社員の総数、出席者数、議長の選出の経過、議案ごとの審議の概要と議決の結果です。賛否の数も具体的に書いてください。本人出席と委任状による出席は、分けて記載します。

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