結論から申し上げます。感謝状は、「誰の・どんな行いに・団体として感謝するのか」を、決まった形式で書いて贈る書面です。
形式は、表題・宛名・本文・日付・贈る側の名前の5つでできています。本文は、何に対する感謝なのかを具体的に書くと、受け取った人の心に残る感謝状になります。
この記事では、表彰状との違い、団体が感謝状を贈る場面、構成と書き方のコツ、相手別の文例、用紙と作り方、贈呈の段取り、記念品の会計の扱いを順に説明します。そのまま使えるWordのひな形も用意しました。
感謝状とは ― 表彰状・賞状との違い
感謝状は、団体や個人が、世話になった人や協力してくれた人に、感謝の気持ちを伝えるために贈る書面です。
よく似たものに表彰状があります。表彰状は、優れた成績や行いをたたえるために贈るものです。感謝状は、自分たちが受けた協力や支援へのお礼として贈るものです。
どちらも広い意味では「賞状」の一つです。団体の中では、長年の功労をたたえる場合は表彰状、外部の協力者へのお礼は感謝状、と使い分けることが多くあります。
| 比べること | 感謝状 | 表彰状 |
|---|---|---|
| 贈る理由 | 受けた協力・支援へのお礼 | 優れた成績・行いをたたえる |
| 主な相手 | 協力者・協賛企業・退任する役員など | 会員・選手・功労者など |
| 本文の結び | 「感謝の意を表します」など | 「これを賞します」「表彰します」など |
| 贈る側との関係 | 贈る側が恩を受けている | 贈る側が評価する立場にある |
団体が感謝状を贈る場面
自治会・PTA・サークル・NPO法人などの団体が感謝状を贈るのは、主に次のような場面です。
一つめは、役員の退任です。会長や会計を長く務めた人が退任するときに、総会や送別の場で贈ります。
二つめは、行事の協賛や支援です。お祭りや運動会に協賛してくれた企業やお店に、行事のあとで贈ります。
三つめは、ボランティアや講師への協力です。見守り活動、清掃、講演会の講師など、団体の活動を支えてくれた人に贈ります。
四つめは、周年の記念です。団体の創立〇周年の式典で、長く活動を支えてくれた会員や関係者にまとめて贈ることがあります。
| 場面 | 相手 | 贈るタイミング |
|---|---|---|
| 役員の退任 | 退任する会長・会計など | 総会・送別会 |
| 行事の協賛 | 協賛企業・お店 | 行事のあと(お礼状と一緒に) |
| ボランティアの協力 | 見守り・清掃などの協力者 | 年度末・行事の場 |
| 講演や指導 | 講師・指導者 | 講演の終了時 |
| 周年の記念 | 長年の会員・関係者 | 記念式典 |
感謝状の構成 ― 5つの要素

感謝状は、上から順に次の5つで構成します。
一つめは、表題です。中央に大きく「感謝状」と書きます。字の間を少しあけて「感 謝 状」とすることが多くあります。
二つめは、宛名です。個人なら「〇〇 〇〇 様」、企業なら「〇〇株式会社 様」とします。肩書を入れる場合は、名前の前か上に書きます。
三つめは、本文です。相手のどんな行いに感謝するのかを書き、「ここに感謝の意を表します」などで結びます。
四つめは、日付です。贈る日の日付を、本文の後ろに書きます。
五つめは、贈る側の名前です。団体名と代表者の肩書・名前を書きます。印を押す場合は、名前の後ろに押します。
- 相手の名前の漢字(旧字体を含む)と、会社名の正式な表記
- 肩書や敬称(様・殿など、団体の慣例)
- 何に対しての感謝か(期間・役職・行事の名前)
- 贈る日付と、贈る側の団体名・代表者名
- 用紙のサイズ(A4・B4など)と、縦書きか横書きか
本文の書き方のコツ
本文は、「あなたは(貴社は)」で始め、行いの内容、それが団体にもたらしたこと、感謝の言葉の順に書くと整います。
何に対する感謝なのかは、できるだけ具体的に書きます。「長年のご尽力に」だけでなく、「〇年間にわたり会計として」「夏祭りの開催にあたり」のように、期間や役割、行事の名前を入れると、その人のための感謝状になります。
賞状や感謝状では、本文に句読点(「、」「。」)を使わないのが慣例とされています。区切りたいところは、改行や一字あけで調整します。
縦書きと横書きは、どちらでもかまいません。正式な場では縦書きが多く使われますが、パソコンで作るときは横書きの方が整えやすいこともあります。団体の中で形式をそろえておくと、毎年の作成が楽になります。
相手別の文例
団体でよく使う3つの場面の文例です。〇〇の部分を書き換えて使ってください。文例はすべて、下のWordのひな形に入っています。
文例1 退任する役員へ
感 謝 状
〇〇 〇〇 様
あなたは永年にわたり〇〇町内会の会計として
会の運営に尽力され
地域の発展に多大な貢献をされました
その功績をたたえ
ここに深く感謝の意を表します
令和〇年〇月〇日
〇〇町内会 会長 〇〇 〇〇
文例2 協賛してくれた企業へ
感 謝 状
〇〇株式会社 様
貴社は〇〇町内会夏祭りの開催にあたり
格別のご協賛を賜り
行事の成功に大きく寄与されました
ここに感謝の意を表し
記念品を添えて謹んで贈ります
令和〇年〇月〇日
〇〇町内会 会長 〇〇 〇〇
文例3 ボランティアの協力者へ
感 謝 状
〇〇 〇〇 様
あなたは〇年間にわたり
〇〇小学校の登下校の見守り活動に参加され
こどもたちの安全な通学を支えてくださいました
その長年のご尽力に対し
ここに心から感謝の意を表します
令和〇年〇月〇日
〇〇小学校PTA 会長 〇〇 〇〇
感謝状のWordひな形(無料)
横書き(A4横・3パターン:退任役員/協賛企業/ボランティア)と、縦書き(A4縦・1パターン)の2種類です。〇〇を書き換えて印刷できます。
感謝状とお礼状の使い分け
協力への感謝を伝える方法には、感謝状のほかにお礼状もあります。
感謝状は、形に残る記念として、式や行事の場で贈るものです。お礼状は、手紙として、行事のあとに協力への感謝と報告を伝えるものです。
協賛企業には、行事のあとにお礼状で報告を届け、特に大きな協力をしてくれた企業には、あわせて感謝状を贈る、という使い分けがよく行われます。
個人のボランティアには、年度の終わりの総会などで感謝状を贈り、日々の協力にはその都度、口頭や短いお礼の手紙で感謝を伝えると、気持ちが伝わりやすくなります。
用紙と作り方
感謝状は、賞状用の用紙に印刷すると、きちんとした印象になります。賞状用紙は、文具店や事務用品の通販で、A4やB4などのサイズが手に入ります。縁に飾りの模様が入ったものが一般的です。
パソコンで作る場合は、Wordなどで文面を作り、用紙のサイズと余白を合わせて印刷します。最初は普通の紙に試し刷りをして、文字の位置を確かめてから、賞状用紙に印刷します。
手書きにする場合は、筆ペンや毛筆で書きます。字に自信がなければ、文字を書く専門の業者に依頼する方法もあります。
贈るときは、賞状用の筒やホルダー、額に入れて渡すと、持ち帰りやすく、折れを防げます。
贈る基準の決め方
団体で毎年のように感謝状を贈るなら、誰に贈るかの基準を、役員会で決めて記録しておくと、迷いや不公平が生まれにくくなります。
基準の例としては、役員を一定の年数以上務めた人、ボランティア活動に一定の年数以上参加した人、行事に一定額以上を協賛してくれた企業、などがあります。年数や金額は、団体の規模や活動の実情に合わせて決めます。
基準を決めたら、細則や申し合わせとして文書にしておきます。担当が替わっても同じ基準で選べるようになり、贈った相手と年度の記録を残しておけば、翌年の候補も確かめやすくなります。
基準に当てはまらなくても、特に大きな協力があった場合は、役員会で個別に決めて贈ることもできます。その場合も、理由を議事録に残しておきます。
贈呈のときのあいさつの例
感謝状を読み上げる前に、代表者が短くあいさつをすると、場が整います。たとえば、次のような言葉です。
「ただいまから、〇〇様への感謝状の贈呈を行います。〇〇様には、〇年間にわたり会計として町内会を支えていただきました。会員を代表して、心からお礼を申し上げます。」
読み上げて手渡したあとは、会場に拍手をお願いします。受け取った人にあいさつをお願いする場合は、事前に一言話してほしいと伝えておきましょう。
協賛企業の担当者に贈る場合は、行事の様子や協賛金の使い道に一言ふれると、感謝の中身が伝わりやすくなります。
贈呈の段取り

感謝状は、総会や行事の場で、代表者が読み上げて手渡すのが一般的です。
まず、司会が「〇〇様への感謝状の贈呈を行います」と案内し、相手に前へ出てもらいます。
次に、代表者が感謝状を相手に向けて持ち、本文を読み上げます。読み終えたら、感謝状の向きを相手が読める向きに変えて、両手で渡します。
受け取った人に、一言あいさつをお願いすることもあります。事前に伝えておくと、相手も準備ができます。
協賛企業などに後日届ける場合は、お礼状を添えて、訪問して手渡すか郵送します。
記念品を添えるときと、会計の扱い
感謝状に記念品を添えることもあります。記念品の費用は、予算案に「記念品費」などの科目で計上し、総会で承認を受けておくと、あとで説明しやすくなります。
支出したら、出納帳に日付・品名・金額を記録し、領収書を保管します。会計報告では、記念品費として、誰に何を贈ったかがわかるようにします。
賞状用紙や筒の代金も、同じように消耗品費などの科目で記録します。
感謝状で気をつけたいこと
一つめは、名前の誤りを防ぐことです。名前の漢字を間違えると、感謝の気持ちが伝わりにくくなります。名簿や名刺で確かめ、旧字体なども確認します。
二つめは、会社名の正式な表記です。「株式会社」が前に付くか後ろに付くか、略称でないかを確かめます。
三つめは、贈る相手の扱いを公平にすることです。同じ協力をした人の一部にだけ贈ると、不公平に感じる人が出ることがあります。贈る基準を役員会で決めておきます。
四つめは、毎年の形式をそろえることです。前年度のデータを残し、文例と贈呈の記録を引き継いでおくと、担当が替わっても困りません。
感謝状についてよくある質問
A. 感謝状は、受けた協力や支援へのお礼として贈るものです。表彰状は、優れた成績や行いをたたえるために贈るものです。本文の結びも、感謝状は「感謝の意を表します」、表彰状は「これを賞します」などと違います。
A. 表題(感謝状)、宛名、本文、日付、贈る側の団体名と代表者名の5つです。本文には、相手のどんな行いに感謝するのかを具体的に書きます。
A. 賞状や感謝状では、本文に句読点を使わないのが慣例とされています。区切りたいところは、改行や一字あけで調整します。
A. どちらでもかまいません。正式な場では縦書きが多く使われますが、パソコンで作る場合は横書きの方が整えやすいこともあります。団体の中で形式をそろえておくと便利です。
A. 賞状用の用紙は、文具店や事務用品の通販で、A4やB4などのサイズが手に入ります。パソコンで印刷する場合は、試し刷りで文字の位置を確かめてから印刷します。
A. 予算案に記念品費などの科目で計上し、支出したら出納帳に記録して領収書を保管します。会計報告では、誰に何を贈ったかがわかるようにします。


