登記を何年も出していないうちに、法務局から通知が届いた。
調べてみたら、登記簿に「解散」と記録されていた。
活動は続けているのに解散扱いになってしまった、という場面で使えるのが継続という手続きです。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律150条が、解散した法人を元に戻す道を用意しています。
ただし、どんな解散でも戻せるわけではなく、期限もあります。
この記事では、継続できる場合・できない場合、決議の要件、登記の期限を条文に沿って整理します。
継続とは|解散した法人を元の状態に戻す手続き
継続とは、いったん解散した法人を、清算をやめて元の活動する法人に戻す手続きです。
解散すると法人は清算の段階に入り、できることは財産の整理などに限られます。
この状態から抜け出して、通常の一般社団法人として活動を再開するのが継続です。
根拠は法150条です。
条文は、一定の事由で解散した場合には、清算が結了するまで、社員総会の決議によって一般社団法人を継続することができると定めています。
つまり、清算が終わってしまうと、もう継続はできません。
新しく法人を作り直すしかなくなります。
継続できる解散事由は3つ+みなし解散だけ
ここが一番大事なところです。
解散の事由は法148条に7つ並んでいます。
そのうち継続できるのは、1号から3号までと、みなし解散(法149条1項)で解散したとみなされた場合に限られます。
1号が定款で定めた存続期間の満了、2号が定款で定めた解散の事由の発生、3号が社員総会の決議です。
逆にいえば、4号以下の事由で解散したときは継続できません。
4号は社員が欠けたこと、5号は合併による消滅、6号は破産手続開始の決定、7号は裁判所による解散命令です。
社員が誰もいなくなって解散した場合や、破産した場合は、継続という手段は使えません。
自分の法人がどの事由で解散したことになっているかは、登記事項証明書の解散の記録で確認できます。
| 解散の事由(法148条) | 継続できるか |
|---|---|
| 1号 定款で定めた存続期間の満了 | できる |
| 2号 定款で定めた解散事由の発生 | できる |
| 3号 社員総会の決議 | できる |
| みなし解散(法149条1項) | できる(3年以内) |
| 4号 社員が欠けたこと | できない |
| 5号 合併による消滅 | できない |
| 6号 破産手続開始の決定 | できない |
| 7号 解散を命ずる裁判 | できない |
期限|清算結了まで、みなし解散なら3年以内
期限は2段構えになっています。
原則は、清算が結了するまでです。
みなし解散で解散したとみなされた場合は、これに加えて解散したものとみなされた後3年以内という上限がつきます。
法150条のかっこ書きが、この3年を定めています。
3年を過ぎると、清算がまだ終わっていなくても継続はできません。
みなし解散は、法務大臣の官報公告から2か月の届出期間が過ぎた時点で効力が生じます(法149条1項)。
3年はそこから数えます。
なお、みなし解散の対象になるのは、法人に関する登記が最後にあった日から5年を経過した一般社団法人です。
株式会社の12年とは年数が違うので、混同しないよう注意してください。
継続の決議は特別決議|半数以上かつ議決権の3分の2以上
継続は、社員総会の決議で行います。
この決議は普通決議ではありません。
法49条2項6号が、法150条の社員総会を特別決議の対象として挙げています。
必要なのは、総社員の半数以上であって、総社員の議決権の3分の2以上にあたる多数です。
定款でこれを上回る割合を定めているときは、その割合によります。
頭数と議決権の両方を満たす必要がある点に注意してください。
社員が減ってしまっている法人では、この定足数を満たすこと自体が課題になります。
総会を開く前に、社員名簿を最新にして、連絡がつく社員の人数を確認しておくのが実務的です。
継続したら2週間以内に登記する
決議をしただけでは手続きは終わりません。
法309条は、法150条の規定により継続したときは、2週間以内に、主たる事務所の所在地において継続の登記をしなければならないと定めています。
登記を申請する先は、主たる事務所の所在地を管轄する法務局です。
みなし解散の場合、解散と同時に理事などの登記も職権で抹消されています。
そのため、継続の登記とあわせて、役員の選任と就任の登記も必要になるのが通常です。
つまり、社員総会では継続の決議だけでなく、理事や監事の選任も一緒に決めておくことになります。
登記手続きそのものの代理は司法書士の業務です。書類の準備で迷ったら、早めに相談してください。
継続したあとに残る宿題
登記が済んでも、放置していた期間の後始末は残ります。
決算や申告を出していなかった年度があれば、その処理が必要です。
非営利型として運営してきたつもりでも、要件を満たさなくなっていれば普通型として課税される期間が生じます。
また、役員の任期は解散前から進んでいるため、重任の登記が積み残しになっていることもあります。
この機会に、任期の管理方法を決めておくと同じことを繰り返さずに済みます。
理事の任期は原則2年、監事は原則4年です。
カレンダーに定時社員総会と重任登記の予定を入れておくだけでも、みなし解散はほぼ防げます。
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放置していた年度の申告が残っているなら、先に見てもらったほうが早い
継続したあとは、未処理の決算・申告と、非営利型か普通型かの判定が同時に出てきます。一般社団法人の区分経理を扱ったことのある事務所でないと判断が止まりがちです。税理士ドットコムは、対応分野・地域・報酬の希望を伝えると無料で税理士を紹介してくれるサービスです(相談・紹介は無料)。
Q. みなし解散になった法人は元に戻せますか?
A. 戻せます。解散したものとみなされた後3年以内に社員総会の特別決議で継続し、2週間以内に継続の登記をします(法150条・309条)。
Q. どんな解散でも継続できますか?
A. できません。継続できるのは、存続期間の満了・定款で定めた解散事由の発生・社員総会の決議による解散と、みなし解散の場合だけです(法150条・148条1号〜3号)。社員が欠けたこと、破産、解散命令による解散では継続できません。
Q. 継続の決議はどのくらいの賛成が必要ですか?
A. 特別決議です。総社員の半数以上であって、総社員の議決権の3分の2以上にあたる多数が必要です(法49条2項6号)。定款でこれを上回る割合を定めているときはその割合によります。
Q. 何年登記をしないとみなし解散になりますか?
A. 一般社団法人は、法人に関する登記が最後にあった日から5年を経過すると対象になり得ます(法149条1項)。株式会社の12年とは年数が違います。
Q. 継続の登記の期限はいつまでですか?
A. 継続したときから2週間以内に、主たる事務所の所在地で登記します(法309条)。
📖 参考にした公的機関の情報


