NPO法人の広報とウェブサイト|載せる項目と続ける仕組み

一般社団法人法
活動を知ってもらえなければ、支援も担い手も集まりません。広報の基本を整理します。

NPO法人にとって広報は、資金と担い手の入口です。

どれだけよい活動をしていても、知られなければ支援は集まりません。

大がかりな仕組みは要りませんが、続けられる形が必要です。

この記事では、ウェブサイトを軸にした広報の作り方を解説します。

POINT 結論:まずウェブサイトを団体の本拠地として作り、SNSは入口として使います。サイトに載せるのは、活動内容、実績、法人情報、入会と寄付の案内です。毎年の事業報告を公開すると、そのまま信頼の材料になります。

広報は何のためにするのか

広報の目的を、はっきりさせておきましょう。

第一に、支援者を増やすことです。

会員、寄付者、協賛してくれる企業が対象になります。

第二に、担い手を集めることです。

ボランティア、職員、役員の候補が見つかります。

第三に、活動の対象者に届けることです。

支援を必要とする人が、団体を見つけられなければ意味がありません。

第四に、行政や他団体との連携につなげることです。

目的が違えば、伝える内容も届ける場所も変わります。

どれを優先するかを、先に決めておきましょう。

ウェブサイトを本拠地にする

発信の中心は、自分たちのウェブサイトに置きます。

SNSだけで完結させるのは、危険です。

サービスが終了したり、規約が変わったりする可能性があります。

アカウントが停止されると、積み上げたものが一度に失われます。

自分たちのドメインで持つサイトなら、その心配がありません。

検索から見つけてもらえる点も、大きな違いです。

SNSの投稿は、検索で上位に出ることが少なくなっています。

助成金の申請でも、サイトの有無を見られることがあります。

まずサイトを作り、SNSはそこへ導く入口として使いましょう。

サイトに必ず載せること

ウェブサイトに載せるべき情報は、決まっています。

第一に、団体の名称と法人格です。

特定非営利活動法人という正式名称を、明記しましょう。

第二に、活動の内容です。

何を、誰に対して行っているのかを具体的に書きます。

第三に、事務所の所在地と連絡先です。

第四に、代表者の氏名です。

第五に、設立の年月日と、これまでの実績です。

第六に、入会と寄付の案内です。

応援したいと思った人が、すぐ行動できる形にしておきます。

ウェブサイトに載せる項目

  • 正式名称(特定非営利活動法人○○)と通称
  • 活動の内容と、対象となる人
  • 設立の年月日と、これまでの実績
  • 事務所の所在地と連絡先
  • 代表者の氏名
  • 入会案内(会費・特典・申込み方法)
  • 寄付の案内(使い道・振込先)
  • 毎年の事業報告と活動計算書
  • プライバシーポリシー
  • ボランティア募集の情報

事業報告を公開する

毎年作る事業報告書等は、そのまま広報に使えます。

所轄庁へ提出したものを、サイトにも載せましょう。

義務ではありませんが、公開している団体は信頼されます。

寄付を検討している人が、いちばん知りたいのはお金の使い道です。

活動計算書を載せると、その疑問に答えられます。

書類そのままでは読みにくいので、要約を添えると親切です。

写真やグラフを使えば、活動の実感が伝わります。

課題やうまくいかなかったことも書くと、かえって信頼が増します。

良いことばかりの報告は、疑われることがあります。

毎年更新することで、活動が続いていることも示せます。

SNSの使い分け

SNSは、それぞれ届く相手が違います。

日々の活動の様子を伝えるなら、写真が中心の媒体が向いています。

文字で丁寧に伝えたいなら、長文が書ける媒体を選びます。

地域の高齢者に届けたいなら、SNSより紙のほうが効きます。

若い担い手を探すなら、SNSが有効です。

すべての媒体に手を出すと、更新が止まります。

1つか2つに絞り、続けられる頻度で運用しましょう。

更新が半年止まっているアカウントは、活動していない印象を与えます。

担当を決め、投稿のルールも決めておきます。

写真の掲載には、写っている人の了解が必要です。

媒体 向いている用途 注意点
ウェブサイト 基本情報・実績・入会と寄付の案内 更新が止まらない構成にする
SNS 日々の活動・イベント告知 写真の了解とアカウント管理
会報・ニュースレター 会員との関係の維持 印刷と発送の費用がかかる
チラシ 地域への告知 配布先の許可を取る
地域の広報紙 幅広い年代への周知 掲載までの期間が長い
プレスリリース メディアへの働きかけ 取り上げられる保証はない

会報という選択肢

会員との関係を保つには、会報が有効です。

年に2回から4回程度、活動の報告を送ります。

紙で届くものは、SNSより読まれる確率が高くなります。

高齢の会員が多い団体では、特に効果があります。

内容は、活動の報告、会計の状況、今後の予定が基本です。

会員の声を載せると、参加している実感が生まれます。

印刷と発送には、費用と手間がかかります。

メールで送る形にすれば、費用は抑えられます。

紙とメールを選べるようにする団体もあります。

入会申込書に、希望を書いてもらう欄を設けましょう。

伝わる文章の書き方

広報の文章は、専門用語を避けることが基本です。

団体の内部で通じる言葉は、外には伝わりません。

何をしているのかを、一文で言えるようにしておきましょう。

具体的な数字があると、規模が伝わります。

年間の参加者数や、実施回数を書きます。

実際にあった出来事を1つ入れると、印象に残ります。

個人が特定されない形に配慮したうえで、書きましょう。

長い文章より、写真1枚のほうが伝わることもあります。

読む人が誰かを想像しながら、言葉を選んでください。

書いたら、活動を知らない人に読んでもらうと粗が見えます。

プレスリリースを出す

メディアに取り上げてもらえると、届く範囲が一気に広がります。

その入口が、プレスリリースです。

地域の新聞社やケーブルテレビには、送りやすい窓口があります。

自治体の記者クラブに投げ込む方法もあります。

内容は、いつ、どこで、何をするのかを簡潔にまとめます。

なぜ今それをするのかという背景があると、記事にしやすくなります。

写真を添えると、扱われる確率が上がります。

取り上げられる保証はないので、期待しすぎないことも大切です。

一度でも記事になれば、その実績が次につながります。

掲載された記事は、サイトでも紹介しましょう。

広報を続ける仕組み

広報でいちばん難しいのは、続けることです。

担当を1人決めるところから始めましょう。

更新の頻度も、無理のない水準に設定します。

月に1回でも、止まらなければ十分な意味があります。

活動のたびに写真を撮る習慣をつけると、素材が貯まります。

誰でも撮ってよいことにして、共有の場所に集めます。

年間の予定表に、更新の時期を書き込んでおきましょう。

事業報告の公開は、毎年の作業に組み込めます。

イベントの前後は、告知と報告をセットで行います。

この2つを回すだけで、更新は途切れません。

サイトを作る方法

ウェブサイトは、費用をかけずに作ることもできます。

無料や低額のサービスで、十分な形が作れます。

ただし、独自ドメインは取得しておきましょう。

年間で数千円程度の費用で持てます。

サービスを乗り換えても、同じ住所を使い続けられます。

団体名と一致するドメインが取れると、覚えてもらいやすくなります。

制作を外部に依頼する場合は、更新を自分たちでできる形にします。

更新のたびに費用がかかると、結局止まってしまいます。

スマートフォンで見やすいことも、いまは必須の条件です。

作る前に、他団体のサイトをいくつか見て構成を参考にしましょう。

広報でやってはいけないこと

第一に、事実と違うことを書くことです。

実績を大きく見せたい気持ちは分かりますが、後で信頼を失います。

第二に、写真の了解を取らずに掲載することです。

特に子どもが写る場合は、保護者の了解が必要です。

第三に、利用者の情報を特定できる形で書くことです。

感謝の言葉を紹介するときも、配慮が必要になります。

第四に、他団体を批判することです。

課題を語るときも、誰かを責める形は避けましょう。

第五に、認定を受けていないのに認定と名乗ることです。

第六に、更新を長期間止めてしまうことです。

団体のロゴと見た目をそろえる

広報では、見た目の統一も効いてきます。

ロゴを1つ作り、あらゆる媒体で同じものを使いましょう。

サイト、名刺、チラシ、封筒、報告書で統一します。

色も2色から3色に絞ると、印象がまとまります。

福祉なら柔らかい色、環境なら緑といった具合に選べます。

書体も、読みやすいものを1つか2つ決めておきます。

作るたびに違う見た目になると、覚えてもらえません。

費用をかけなくても、無料のツールで十分に作れます。

会員と一緒に案を出し合う団体もあります。

見た目が整っているだけで、団体の信頼感は上がります。

活動の記録を貯める

広報の材料は、日々の活動のなかにあります。

毎回、写真を数枚撮る習慣をつけましょう。

参加人数や、その日にあった出来事もメモしておきます。

記録が貯まっていれば、報告を書くのが一気に楽になります。

共有のフォルダを作り、誰でも入れられるようにします。

日付とイベント名でフォルダを分けると、後で探しやすくなります。

写真は、掲載の了解を取ったものと分けて保存しましょう。

了解の有無が分からない写真は、使わないのが安全です。

年度末には、その年の写真を振り返る時間を取ります。

事業報告に載せる1枚が、そこから見つかります。

検索から見つけてもらう

サイトを作っても、見つけてもらえなければ意味がありません。

検索から来てもらうには、いくつか意識する点があります。

第一に、ページの見出しに具体的な言葉を入れることです。

活動の分野と地域名を入れると、探している人に届きます。

第二に、各ページに固有の内容を書くことです。

似たような文章を並べたページは、評価されにくくなります。

第三に、活動の記録を継続的に増やすことです。

ページが増えれば、それだけ入口が増えます。

第四に、他団体や自治体のサイトから紹介してもらうことです。

関係先に、リンクをお願いしてみましょう。

広報とウェブサイトのまとめ

広報は、支援者と担い手を集めるための入口です。

発信の中心は、自分たちのウェブサイトに置きましょう。

SNSは入口として使い、サイトへ導く形にします。

サイトには、活動内容、実績、法人情報、入会と寄付の案内を載せます。

毎年の事業報告を公開すると、そのまま信頼の材料になります。

媒体は1つか2つに絞り、続けられる頻度で運用してください。

写真の了解を取ることと、事実を正確に書くことが前提です。

よくある質問

Q. ウェブサイトは必要?

A. 義務ではありませんが、強くおすすめします。SNSだけだとサービスの終了やアカウント停止で失われる恐れがあり、検索から見つけてもらいにくくもなります。

Q. 何を載せればいい?

A. 正式名称、活動内容、設立年月日と実績、所在地と連絡先、代表者名、入会と寄付の案内です。毎年の事業報告も公開すると信頼につながります。

Q. 事業報告の公開は義務?

A. 義務ではありません。所轄庁へ提出すれば足ります。ただし公開している団体は信頼されやすく、寄付や助成金の場面で効いてきます。

Q. SNSはどれを使えばいい?

A. 届けたい相手で選びます。若い担い手を探すならSNS、地域の高齢者に届けるなら紙が有効です。1つか2つに絞り、続けられる頻度で運用しましょう。

Q. 写真の掲載に許可はいる?

A. 個人が識別できる写真は、撮影時と掲載時に了解を取るのが基本です。子どもが写る場合は保護者の了解が必要になります。

Q. 費用をかけずに作れる?

A. 作れます。無料や低額のサービスで十分な形になります。ただし独自ドメインは取得しておくと、サービスを乗り換えても同じ住所を使い続けられます。

📖 参考にした公的機関の情報

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