この疑問にお答えします。
今回のテーマ
- 一般社団法人の社員とは【重要人物】
- 社員の人数
- 社員総会とは
- 社員はどうやって決まるのか
- 社員はやめることができるのか?
- 社員の特徴
- 一般社団法人の『社員』と株式会社の『株主』の違い
一般社団法人の社員とは【重要人物】
【結論】一般社団法人の運営を決定する重要な人です。
社員とは会社員や従業員のことではありません。
一般社団法人の構成員であり、社員総会における議決権を有する者です。
つまり、社員とは法人の決定権を持っている人です。
例えば、役員を選任・解任したり、定款を変更したり、合併・解散について決議する権限があります。
簡単にいえば、オーナーのような立場の人を指します。
株式会社でいう株主的な立場だとお考えください。
一般社団法人の運営における議決権を有する人。
法人のオーナー的立場の人。
株式会社の株主に近い存在。
必要な人数
【結論】社員は最低でも2人以上は必要です。
一般社団法人は人の集まりによる法人なので1人では設立できません。
設立時には2人必要ですが、設立後は1人だけになっても解散はしません。
しかし社員数が0人なった時は解散します。
社員総会とは
【結論】社員が集まって開催される法人の意思決定機関です。
社員総会の決議によって重要事項が決定されます。
社員総会は社員のみで構成されています。
株式会社でいう株主総会に似ています。
社員総会で社員を除名したし、理事を決定したり、定款を変更したり等、重要な決定を行います。
社員総会は2種類あります。
- 定時社員総会…毎年開催されるもの
- 臨時社員総会…必要に応じて開催されるもの
社員はどうやって決まるのか
【結論】社員に関する規定は定款で定めます。
社員になるための条件(社員資格)を定款により決定します。
【定款とは?】
一般社団法人の基本事項を定めたルールブックのようなものです。
その法人の規則とお考えください。
定款は設立時社員が作成します。
社員となるために特別な資格は必要なく、社員資格については定款で自由に設定できます。
つまり、定款で制限を加えなければ誰でも社員になれます。
しかし、社員は一般社団法人の重要事項を決定する人です。
誰でもなれてしまうと、重要な意思決定を行う際、方向性の違いが生じて思わぬ方向に舵取りをしてしまう恐れがあります。
そこで、社員資格に下記のような制約を加えることもできます。
- 『○○学校の卒業生』
- 『○○の資格を有する者』
- 『〇〇業界で働いていた者』
- 『〇〇市に住んでいる者』
- …
辞めることはできる?
【結論】いつでも自由に辞めることができます。
社員の退社については『定款』で自由にで決めることができます。
例えば、
- 死亡した
- 総社員の同意があった
- 1年以上会費を滞納した
- 除名された
- …
定款で退社について定めたとしても、やむを得ない事由がある時はいつでも辞めることができます。
一般社団法人の社員の特徴
【結論】社員に利益分配ができない。
社員に利益を与えることは禁止されています。
一般社団法人の活動で得た利益(儲け)を社員に与えることはできません。
つまり、社員に報酬等を支払うことはできません。
ただし、理事に対して報酬を支払うことは禁止されていません。
社員は理事を兼ねることができるので、理事として報酬を受け取ることは可能です。
一般社団法人の『社員』と株式会社の『株主』の違い
社員 | 株主 | |
設立人数 | 2名~ | 1名~ |
議決権 | 原則1人1個 | 出資額による |
利益分配 | できない | できる |
一般社団法人の設立には最低2名以上必要ですが、株式会社は1名でも設立可能です。
一般社団法人の場合、議決権は原則1人1個ですが、株式会社の場合は出資割合に応じて決められます。
出資割合が多い人がその分議決権を多く持ちます。
一般社団法人は儲けた利益を社員に分配はできません。一方株式会社は株主に利益分配がなされます。
まとめ
- 社員とは一般社団法人のオーナー的存在である(従業員ではない)。
- 設立には最低2名以上の社員が必要。
- 法人であっても社員になることはできる。
- 社員に関する資格の得喪は定款で定める。
- 社員に対して利益分配ができない。
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